• 道内最大級の映画レビューサイト

「クリスマス・キャロル」誕生秘話『Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~』あらすじ・感想

作品紹介

170年以上にもわたり愛され続け、映画化も幾度もされてきたチャールズ・ディケンズの不朽の名作「クリスマス・キャロル」。かの作品がいかにして誕生したのか、その創作の過程とディケンズの心の旅を、おなじみのキャラクター スクルージとの出会いを交え、ユニークかつファンタジー感たっぷりに描いています。

自身が生み出したキャラクターたちと対話しながら新作の執筆に挑む若き日のディケンズを演じるのは、ディズニー映画『美女と野獣』で脚光を浴び、今や絶大な人気を誇るダン・スティーヴンス。

彼の前に分身のように現われてインスピレーションを与えるスクルージをオスカー俳優  クリストファー・プラマーが演じ、偏屈でありながらユーモアのある人物につくり上げています。

聖なる夜に家族が集って贈り物をし合い、互いの幸せを祈る」現在のクリスマスのスタンダードに多大な影響を与えたと言われる「クリスマス・キャロル」。挫折続きの主人公が自らの辛い過去と向き合い、やがて家族への思いやりに目覚めていく物語から伝わるのは、優しさと寛容さこそが幸せをもたらすというメッセージです。

文豪の産みの苦しみとともにディケンズ家の奇跡を描いた、クリスマスシーズンを温かく彩ってくれるこの映画、豪華声優陣による日本語吹替版では、スクルージ役の吹替キャストは日本のスクルージ、市村正親が演じます。

ストーリー

1843年10月、作品が売れず、家族や家の維持費で金銭に事欠く状態だった小説家チャールズ・ディケンズは、どうにか売れる作品を生み出そうと奮闘する。
そして新作の執筆に没頭するうちに小説の世界に入り込み、やがて現実と幻想の境目が曖昧になっていく―。そこで「クリスマス・キャロル」の登場人物スクルージらとの出会い、幼少期の忘れられた記憶や実父との確執といった自分の問題と対峙していく。

予告動画

感想

1843年のロンドン。
過去の小説3本を経て執筆が思うように進まず、破産寸前の小説家・チャールズ・ディケンズ。

スランプで執筆できない苦しみと借金、子供の頃のトラウマから思い描く人生を歩めずにいた。

ある日、家で子守をするディケンズ家の使用人少女と、自分の子どもたちの会話からのインスピレーションで、ディケンズのクリエイティブ・ワールドに変化が巻き起こる。

さらに彼が出会う周囲の人物たちにインスパイアされ、名作「クリスマス・キャロル」の登場人物をイマジネーションから産み出し、彼らと対話しながら作品を書いていく。

本当に実話なのか?と疑うほど、ディケンズの心の中の妄想物語とリアルが交差するという、ファンタジーの側面がある。

スクルージにはまり役のクリストファー・プラマーは「ゲティ家の身代金」のゲティとスクルージの雰囲気が被っている。

大金持ちのケチで意地悪爺さんを演じたら、クリストファー・プラマー以外にはいない。迫力のあるスクルージを演じ、日本語吹き替え版では、市村正親がスクルージの声を演じている。

強い妄想力から作品を生み出す、小説家チャールズ・ディケンズの行動力に感服するこの作品、ディケンズの妄想と苦しい執筆の様子や父との確執、そして家族の幸せや夢をテーマに織り込みながら「クリスマス・キャロル」を執筆し、彼のクリエイティブな才能が明かされていく。

小説「クリスマス・キャロル」はイギリス国民にとってクリスマスの価値観を変えてしまうほど、強い影響力があったという。

ディケンズは小説家として歴史や国を変えた、まさしく偉人なのである。

『Merry Christmas! ~ロンドンに奇跡を起こした男~』

原題:『The Man Who Invented Christmas』

監督:バハラット・ナルルーリ

出演: ダン・スティーヴンス、クリストファー・プラマー、ジョナサン・プライス 他
声: 市村正親 他

配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES

公式HP

2017年/アメリカ/104分/

(C)BAH HUMBUG FILMS INC  & PARRALLEL FILMS (TMWIC) LTD 2017  

投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
error: Content is protected !!