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石原さとみ主演【ミッシング】5月17日公開 作品レビュー

作品紹介

わたしたちは、心を失くしてしまったのか? 愛する娘が失踪した。 これは今を生きる〈わたしたち〉が、光を見つける物語。
限りなく哀しくて、愛しくて、優しい物語。 娘が失踪し、出口のない暗闇に突き落とされた家族。 どうにもできない現実との間でもがき苦しみながらも、その中で光を見つけていく——。 失踪した娘を懸命に探し続けるが、夫婦間の温度差や、マスコミの報道、SNSでの誹謗中傷により、いつしか「心」を失くしていく母親・沙織里を演じたのは石原さとみ。「母となった今だからこそ、この役と向き合えた」と語り、これまでのイメージを一新させる新境地に体当たりで挑んだ。
さらに、沙織里たち家族の取材を続けるテレビ局の記者・砂田に中村倫也、沙織里の夫・豊に青木崇高、娘の最後の目撃者となった沙織里の弟・圭吾に森優作、ほか豪華実力派キャスト陣が集結! 常に観客に衝撃を与え、想像力を刺激する作品を発表し続ける“人間描写の鬼”田恵輔が、「自身のキャリアの中で最も覚悟のいる作品」と語る本作は、雑音溢れる世の中をリアルに、そして繊細に描き、そこに生きるわたしたちの心を激しく揺らす

ストーリー

とある街で起きた幼女の失踪事件。 あらゆる手を尽くすも、見つからないまま3ヶ月が過ぎていた。 娘・美羽の帰りを待ち続けるも少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦る母・沙織里は、 夫・豊との温度差から、夫婦喧嘩が絶えない。 唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々だった。 そんな中、娘の失踪時に沙織里が推しのアイドルのライブに足を運んでいたことが知られると、 ネット上で“育児放棄の母”と誹謗中傷の標的となってしまう。

世の中に溢れる欺瞞や好奇の目に晒され続けたことで 沙織里の言動は次第に過剰になり、 いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまうほど、心を失くしていく。 一方、砂田には局上層部の意向で視聴率獲得の為に、 沙織里や、沙織里の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材の指示が下ってしまう。 それでも沙織里は「ただただ、娘に会いたい」という一心で、世の中にすがり続ける。

作品レビュー

石原さとみ主演の映画「ミッシング」は、ミステリーやサスペンス映画の要素を匂わせつつ、行方不明になった愛娘を探す両親の姿を描いた作品だ。吉田恵輔監督がメガホンを取り、前作「ヒメアノ~ル」「空白」で知られる監督が描く物語は、家族の愛と絆を描きながら、リアルな社会の暗部に光を当てている

物語は、ある街で起きた幼女の失踤事件を中心に展開する。主人公の母親・沙織里は、娘の行方不明後、家族の絆を取り戻すために懸命に奔走する。しかし、マスコミやSNS上の誹謗中傷により、彼女の苦悩は次第に深まっていく。沙織里の夫である豊も、彼女と共に失意の悲しみに立ち向かい、愛と支えを示す。

この作品では、石原さとみが圧倒的な演技力を発揮し、観客の心を揺さぶる。また、演出や脚本も見事に練られており、観る者を引き込んで離さない。

現実の世界で起こり得る悲劇的な出来事に触れ、家族の絆や愛情がいかに試されるかを描く。また、最近の実際の事件に触発されたストーリーは、観客に家族が消えた家庭内での残酷さを思い起こさせる。

SNS上の実名誹謗中傷にも恐怖を感じる。誹謗中傷の影響は深刻で、慰謝料を支払ったり実刑を受けるような法的な問題に発展する。ネット上での安易な実名晒しや、ネガティブな悪口は慎重に避けるべきだ。

また、マスコミの報道姿勢にも疑問を感じる。事件を追いかける中で、TVレポーターが視聴者に対して犯人探しを促すような報道や、視聴率史上主義への疑問を投げかける。

「ミッシング」は、現実の家庭で起こり得る状況について考えさせる作品だ。観る者の心を深く揺さぶり、幾度にも折り重なった世相を反映したメッセージが含まれた映画となっている。

【ミッシング】5月17日公開


キャスト: 石原さとみ  青木崇高  森優作  中村倫也
監督・脚本:田恵輔
配給:ワーナー・ブラザース映画
上映時間:118分
公式サイト 
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投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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