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待望の続編『デューン 砂の惑星PART2』作品レビュー

作品紹介

人類未踏の惑星体験にダイブせよ! 『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』で世界中を虜にしたティモシー・シャラメ主演。
運命の恋と復讐、そして全宇宙の命運を賭けた最終決戦が始まる。
ゼンデイヤ( 『スパイダーマン』シリーズ)、フローレンス・ピュー( 『ミッドサマー』)、オースティン・バトラー、(『エルヴィス』)他、夢のオールスターキャストが集結!
全てがスケールアップ!壮大な物語はクライマックスへ――。 監督は、『メッセージ』『ブレードランナー2049』の不可能を映像化する男ドゥニ・ヴィルヌーヴ。 音楽には映画音楽の巨匠ハンス・ジマーが顔を揃え、脅威のスケールで放つSFアクション超大作!

ストーリー

惑星デューンをめぐる宇宙戦争が勃発! ハルコンネン家の陰謀により、アトレイデス家は全滅。しかし、最愛の父とすべてを失うも、後継者ポールは生きていた。ついに復讐の時―。運命の女性・砂漠の民チャニとポールの、全宇宙を巻き込む最終決戦が始まる。

作品レビュー

『デューン 砂の惑星 パート2』は、2021年の『DUNE/デューン 砂の惑星』に続く完全なる続編として、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督とジョン・スパイツの共同脚本で描かれる2024年3月公開の壮大なSF映画。

フランク・ハーバートの1965年の小説を原作とした映画DUNEの第2弾は、砂漠の惑星アラキスの先住民フレメン人と結びつき、ハルコンネン家に対抗する主人公ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)の戦いを中心に展開する。

本作を十分に楽しむためには、前作を観ていない方は事前に鑑賞すること、また内容がうろ覚えの方は再度観てから映画館へ足を運ぶことを強くお勧めしたい。物語の繋がりと深さを理解するためには、この事前準備が必要不可欠だ。

劇場でこの作品を鑑賞すると、その圧倒的な音響と大画面の映像美によって、文字通りDUNE2を体感することができる。特に、砂虫が現れるシーンや砂虫を乗りこなすシーンでは、アドベンチャーの世界を存分に味わうことができる。これらのシーンは、DUNE2の壮大なスケールとクリエイティビティを象徴しているようだ。

物語の中心には、野心的な母親のレディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)と息子ポールの苦悩や成長が描かれている。ポールは自身の予知能力や潜在能力のスキルを知りつつも、指導者としての一歩を踏み出せずにいる。ポールが徐々に成長していく過程は、主人公が最強である「なろう系」少年漫画を彷彿する爽快感を観客に提供してくれる。

彼の成長の物語や善と悪の戦いは、観客を物語に深く没入させる魅力があり、また科学と政治の複雑な世界を描きながら、ポールがフレメン人と共にハルコンネン家に立ち向かう過程で、信仰、政治、運命といったテーマを掘り下げている。

ヴィルヌーヴ監督は、原作の複雑さを三部作にわたって映画化することで、原作への忠実さを保ちつつ、新たな視覚的効果を生み出している。特に、ポールとチャニ(ゼンデイヤ)の愛情深い関係は、激しい戦闘シーンの中でも人間の温かみを感じさせ、物語に深みを与える。

『デューン 砂の惑星PART2』は、単なるSF映画を超えた、人間性とは何か、権力とは何かを問う哲学的な探求を提供しており、ティモシー・シャラメの繊細な演技が、ポールの内面の葛藤と成長を見事に表現し、物語の深化とキャラクターたちの変化を感じられるはずだ。

ポール・アトレイデスの運命と彼によって生み出される新たなる戦いが、三部作の次章でどう広がっていくのか次回作が楽しみである。

SF映画のファンはもちろん、深い物語を楽しみたいすべての人にお勧めしたい作品であり、映画としてのエンターテイメントを超えた、思索を促す壮大な叙事詩となっている。

『デューン 砂の惑星PART2』


監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
撮影:グレイグ・フレイザー
音楽:ハンス・ジマー
出演: ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、ジョシュ・ブローリン、オースティン・バトラー、 フローレンス・ピュー、デイヴ・バウティスタ、クリストファー・ウォーケン、レア・セドゥ、スエイラ・ヤクーブ、 ステラン・スカルスガルド、シャーロット・ランプリング、ハビエル・バルデム
上映時間: 2時間46分
公式サイト
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投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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