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『カメ止め』リメイク『キャメラを止めるな!』7月15日公開 作品レビュー

  • 2022年7月13日

作品情報

あの日本大ヒット映画「カメラを止めるな!」をアカデミー賞監督がまさかのリメイク!

『カメラを止めるな!』は上田慎一郎監督の劇場長編デビュー作として、2018年に都内2館公開から始まり、低予算制作映画ながら、その斬新で衝撃的な内容が映画ファンから高い評価を得て、連日満席が続出。その口コミがさらなる話題を呼び、公開劇場が続々拡大し、最終興収32億と、規格外の大ヒットを記録しました。その人気は世界も注目。“ONE CUT OF THE DEAD”という英題で各国で公開されました。

今回、フランスで監督を務めるミシェル・アザナヴィシウスは、監督・脚本・編集を手掛けた白黒のサイレント作品『アーティスト』で2012年の第84回アカデミー賞作品賞、監督賞を始めとする5部門を獲得し、その名を世界中に知らしめたフランス映画界を代表する監督。今回のリメイク版出演者には、『真夜中のピアニスト』や『ムード・インディゴ うたかたの日々』などで知られる人気俳優ロマン・デュリスや、『アーティスト』でセザール賞主演女優賞受賞、アカデミー賞助演女優賞にノミネート、アスガー・ファルハディ監督作『ある過去の行方』ではカンヌ国際映画祭女優賞を受賞したベレニス・ベジョをはじめ、グレゴリー・ガドゥボワ、フィネガン・オールドフィールド、マチルダ・ルッツらが名を連ねており、さらに、現代の映画音楽界を代表するアレクサンドル・デスプラが音楽を担当。恐ろしいほどの本気度で制作された<フランス・リメイク>版が遂に完成!

ストーリー

「山奥の廃墟でゾンビ映画の撮影が進められていたが、俳優たちの下手な演技にキレた監督が、本物のゾンビを召喚してクルーを襲わせ、超リアルな映像をモノにする!」という日本で大ヒットした映画のリメイクを30分間生放送、カメラ1台でワンカット撮影するよう依頼されたのは、フランスの監督。

現場には、監督志望だが純粋すぎて空気の読めない彼の娘と、熱くなると現実とフィクションの区別がつかない妻も加わり大混乱! 問題ばかりの製作チームは、全く話のかみ合わない日本人プロデューサーとのバトルを乗り越え、ラストシーンまで完走できるのか? フランスでも映画を愛する者の誓いはひとつ! 何があっても、カメラは止めない!

作品レビュー

異例のヒットを成し遂げたあの邦画作品を、まさかフランスバージョンで観られるとは想像もしていなかった。それでいて、フランスでのリメイクは妙に頷ける、仏作品としての生まれ変わりが似合うように感じられる映画である。

オリジナルの邦画バージョンも面白い作品であったが、内容は忘れぎみだったので改めて新鮮な感覚で鑑賞することができた。

前半はよくあるゾンビ映画のようではあるが、ところどころ不自然に感じるシーンや間延びした感が散見される。フランス映画的なユーモアなのか、なんらかの意図が込められているのかと訝ることになるが、そういった部分はすべて伏線であり、後半部分でひとつひとつ、丁寧に回収されてゆくのが見どころである。

ストーリーの中盤から、ゾンビ映画の撮影に至る背景が描かれる。これといった大きな実りある仕事はしてこなかった、何でも屋的な映画監督レミが、思うところあって無茶なオファーを引き受けることにしたのは運命のいたずらか。役者もスタッフも曲者揃い、究極の中間管理職とでも呼べそうな、苦難の始まりであった。

30分ほどのゾンビ映画をワンカットで撮影するというクレイジーなお題を、いかに忠実に実現するべきか、偏屈な役者やスタッフ、関係者達の無理難題を受け流しつつ、本番当日のカオスぶりが最大の見せ場である。

レミの映画監督としての本領発揮ぶりや、ギリギリの状況の中、チームで協力しあう姿や家族愛など、コミカルで熱い人間ドラマにも心が温まる。

このゾンビ映画撮影は、果たしてどこへたどり着くのか・・・?

日本のオリジナルバージョンを復習しつつ、比較して鑑賞してみたくもなる。フランスで新たに命を吹き込まれた例の異色作、楽しんでいただけるのは必至である。

予告動画

『キャメラを止めるな!』7月15日公開


監督: ミシェル・アザナヴィシウス
出演: ロマン・デュリス(『タイピスト!』)、ベレニス・ベジョ、グレゴリー・ガドゥボワ、フィネガン・オールドフィールド、マチルダ・ルッツ、竹原芳子 他
英題:FINAL CUT/2021年/フランス/シネスコ/5.1chデジタル/112分/字幕翻訳:松崎広幸/G
公式サイト

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投稿者プロフィール

Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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