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舞台は湘南・鎌倉―。女子高生たちが起こすキセキ「きみの声をとどけたい」あらすじ 感想

  • 2017年7月25日

 

作品概要

『時をかける少女』『ちはやふる』のマッドハウスが贈る劇場用オリジナルアニメーション

誰しもが持っている”声”。
その“声”にはメールやSNSなどにはない”力”がある―
そんな”声”の力を今の時代だからこそもう一度信じてみたい。本作『きみの声をとどけたい』はそんな想いから制作を開始しました。
主演には2016年8月にオーディションを勝ち抜いた新人声優ユニットの“NOW ON AIR”の6人と三森すずこがあたります。
制作には『時をかける少女』『ちはやふる』のマッドハウスが担当。
この夏、高校生たちが起こす小さな”キセキ”をぜひ劇場で体感してください。

ストーリー

「言葉にはね、タマシイが宿っているんだよ。コトダマって言ってね-。」

海辺の町、日ノ坂町に暮らす高校生の行合なぎさは、小さい頃に祖母から聞かされた”コトダマ”の話を今も信じていた。願い続ければきっと叶う。悪いことばかり口にしていると、それが現実となって自分に帰ってきてしまう。それがコトダマなのだ。なぎさには3人の幼なじみがいる。ラクロス部仲間のかえで、お菓子作りが得意な雫、そして今は別の高校に通う浜須賀家のお嬢様の夕。でも、かえでと夕は顔をあわせるといつも口論になってしまう。なぎさは、かでのことは好きだけれど、キツい言葉を使って口論するかえでのことは苦手。それがストレスにもなっていた。

ある日、なぎさは使われていない喫茶店アクアマリンに入り込んでしまう。その一角にあったのはミニFMステーションの設備。出来心からDJの真似事をしてしまうなぎさ。ほんの遊び心だったが、偶然にもなぎさの“声”は放送されていたのだ。

その声を聞いていたひとりに矢沢紫音がいた。紫音は、母の看病のため日ノ坂町を訪れていたのだった。そして、なぎさはかえでと雫、紫音と一緒にミニFM・ラジオアクアマリンからの放送を本格的に始めることになった。8月に入り、ラジオ番組に詳しい中原あやめと、作曲ができる琵琶小路乙葉も加わりさらに、本格的になっていくラジオアクアマリン。ところがある日、アクアマリンが取り壊されてしまうことが明らかになる-。

 

試写の感想

ストーリーの中で重要な役割を担うラジオという媒体にいまいちど新鮮さを感じられた。
主人公のなぎさはコトダマを信じる女の子。口に出した言葉は、願いは現実になり、悪い言葉は自分に返ってくると信じている。時には言葉の色や形まで見えてしまう時もある。

ある日迷い込んだ古い喫茶店。小さなFMラジオの放送局だったという。ある理由から、なぎさと仲間たちはラジオ放送を始めることになる。夏休みの間だけの、少女たちの思いを運ぶラジオ番組がスタートした。

登場人物の少女たちは可愛らしくてそれぞれが個性的だ。なんの経験もない少女ふたりだけで始めたラジオ放送は少しずつメンバーが加わり、人々の助けもあってだんだんとよりよい形を成してくる。

気の合う仲間と日々集まって、目的あって何かをするのは宝のような時間だろう。映画の中でも夏休みの間の短い期間となっている。観る人はそれぞれの青春時代を思い出すかもしれない。楽しい時間は思い返せばあっという間で、一時的なきらめきだったことに後で気づくものだ。

劇中に流れる歌声も秀逸だった。個人的にはある少女の母の子守歌の歌声が特に印象的だった。オーディションで選ばれた若い声優さん達の歌声も素晴らしい。ストーリーとリンクする歌詞のメッセージにも心打たれた。

海辺の町の美しい景色もまた夏にふさわしい。どこの街がモデルなのかと気になる方もいるかもしれない。主人公なぎさが何かと訪れる寺は神奈川県藤沢市に実在する龍口寺だという。気の良い人々の生活する商店街も、鎌倉に存在する。8月最初の土日には、寺から商店街にかけて竹灯籠が灯されるという。

ラジオで悩みや戸惑いを漏らす日もあれば、友達を助けたい、励ましたいという思いやりの気持ちを伝える時もある。少女たちの純粋な思いは街を伝わり人々の心を動かしてゆく・・・

若い方も、そうではない方も何かに一生懸命になりたくなるかもしれない。それぞれが青春へ思いをはせるような、夏のさわやかなストーリー。

 

 

『きみの声をとどけたい』本予告

 

『きみの声を届けたい』

監督:伊藤尚往
声の出演:片平美那、田中有紀、岩淵桃音、三森すずこ
主題歌:映画 きみの声をとどけたい ED/NOW ON AIR
上映時間:94分
オフィシャルサイト
配給:東北新社
(C)2017「きみの声をとどけたい」製作委員会

投稿者プロフィール

Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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