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重松 清×堤 真一が贈る感動作『泣くな赤鬼』6月14日公開 作品レビュー

  • 2019年5月21日

作品紹介

思いがけない再会から、彼らの時間(とき)がふたたび動き出す―

『ビタミンF』『とんび』『その日のまえに』『流星ワゴン』など多数の著書が映像化される、ベストセラー作家・重松 清。教師と生徒の関係を描き続けてきた著者が、“特に教師濃度の高い作品集”と語る、短編集『せんせい。』所収「泣くな赤鬼」待望の映画化!

主演は、『とんび』に続く重松 清作品となる堤 真一。そして柳楽優弥川栄李奈、更には麻生祐未キムラ緑子竜星 涼ら豪華キャストが集結。監督は、『キセキ-あの日のソビト-』で大ヒットを打ち出した、兼重 淳。主題歌は、本作のために描き書き下ろされた、竹原ピストルによる「おーい!おーい!!」。豪華コラボレーションで贈る、今だから分かり合える教師と生徒の深く胸に染みいる感動作。

ストーリー

城南工業野球部監督・小渕隆(堤真一)。陽に焼けた赤い顔と、鬼のような熱血指導でかつては「赤鬼」と呼ばれていた。その厳しさで、甲子園出場一歩手前までいきながらも、その夢は一度として叶わぬまま、10年の月日が流れた。
ある日、診察を受けた病院でかつての教え子、斎藤智之<愛称ゴルゴ>(柳楽優弥)と偶然再会する。ゴルゴは非凡な野球センスがありながら、堪え性のない性格ゆえに努力もせず、途中で挫折し、高校を中退した生徒である。今では、20代半ばを越え、妻・雪乃(川栄李奈)と息子・集と幸せな家庭を築き、立派な大人に変貌していた。そのゴルゴが末期がんで余命半年であることを知らされる。

作品レビュー

昔話の絵本「泣いた赤鬼」になぞらえているのだろうか。映画のタイトルと原作が同名である。

「赤鬼」とは堤真一演じる野球部の顧問をする高校教師、小渕のあだ名である。進学校の教師をする現在の小渕と、10年以上前に別の高校で甲子園を目指していた頃の小渕が、交互に描かれている。

野球部のシーン、甲子園を目指しての指導ぶりは、筋金入りの文化系な私が見ると、“うわぁ~・・・”と思ってしまう。体育会系のオスの世界。指導者はとりあえず大声で「オラオラ!」と檄を飛ばす。実際、オラオラ!と言っていたわけではない気がするが、練習の間中、ずっと吠えているような印象がある。

少年たちもそんな指導者に対して従順に従っていて、オスの世界はこのような縦関係でこそ規律が保たれやすいものかとも感じた。オスのリーダーである小渕は練習中は威張っていても、裏では強豪チームへの練習試合の申し込みへと奔走し、頭を下げている場面は微笑ましくも感じた。

物語はかつての教え子斉藤と小渕が思わぬ再会を果たし、過去と現在のストーリーが織りなされていく。二人は過去において互いに印象深い関わり合いを経ており、元生徒の斉藤は、いろいろないきさつがあったにも関わらず懐かしさと親しみを込めて小渕と接していた。

ある意味、このストーリーは教師と生徒の役割が逆の部分があるように思えた。過去のある時点では教師の思いを生徒が汲み取れずすれ違いも起きたが、年月を経て、教師側が生徒の思いに気付かされるのである。

特殊な状況で再会したために二人の関係性はかつてとは異なるが、過去では成しえなかった深い交流が描かれる。互いに、より素直に、そして切実に思いを伝え合わなければならない状況。互いの本来の姿が引き出されてゆく。

甲子園を目指し、生徒に厳しく熱血指導に励んでいた赤鬼先生。進学校の弱小野球部で腐っていた赤鬼先生。元の教え子たちと再会し、ふたたび彼の気持ちが動き出してゆく・・・赤鬼先生の変化と成長に魅了されつづける時間だった。

予告動画

『泣くな赤鬼』6月14日 ユナイテッド・シネマ札幌 他全国で公開

キャスト:  堤 真一 / 柳楽優弥

川栄李奈  竜星 涼  キムラ緑子  麻生祐未

原作:重松 清 『せんせい。』所収 「泣くな赤鬼」(新潮文庫刊)

監督:兼重 淳    脚本:上平 満 兼重 淳

主題歌: 竹原ピストル「おーい!おーい!!」(ビクターエンタテインメント)

配給:KADOKAWA

上映時間:111分

公式サイト

©2019「泣くな赤鬼」製作委員会

投稿者プロフィール

Kana
Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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