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サメホラー!『ブラック・デーモン 絶体絶命』 作品レビュー

作品紹介

爆発寸前の油田に取り残された家族が伝説の超巨大ザメに襲われるという極限状態を描く、海洋ノンストップ・サバイバル・スリラー『ブラック・デーモン 絶体絶命』(原題:THE BLACK DEMON)監督は『ランボー ラスト・ブラッド』ほか、多くのアクション作品を手がけるエイドリアン・グランバーグ。
社会現象ともなったホラー映画『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』のプロデューサー、ジョン・シルクとタッグを組み、今度は海を舞台に新たな恐怖を仕掛けまくる。アステカに語り継がれる伝説の超巨大ザメから家族を守ろうと奮闘する主人公ポール役は『フォードvsフェラーリ』のジョシュ・ルーカスが演じている。

ストーリー

海底油田の視察とバカンスを兼ねて家族とメキシコを訪れたポール。だがかつては活気があった街はすたれ、「悪魔」から守ってくれると言う、アステカの彫刻だけが光っている。たどり着いた油田にも人気はなく、見知らぬ男が怯えた顔で海を見つめている。すると突然油田が突き動かされ、大きく揺れる。海面に現れたのは、大きく黒々としたヒレ。
その怪物は、アステカに語り継がれる伝説の超巨大ザメ“BLACK DEMON”だった。ポールの家族が油田に現れる中、通信手段はなく、ボートは損壊。さらに海底には何者かが仕掛けた大型爆弾が見つかる。爆発までのタイムリミットは59分。海には執拗に襲ってくる超巨大ザメ。さあ、どうする!?

作品レビュー

ここ数年は、空前のサメ映画ブームが巻き起こっている。あらゆるサメ映画が登場しては消えていくが、今度のサメ映画は一味違う。『ブラック・デーモン 絶対絶命』に登場するメガロドン級の巨大ザメには、幻覚を見せて精神を苛んでくる能力があるのだ。

監督は『ランボー ラスト・ブラッド』のエイドリアン・グランバーグ。製作には『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のジョン・シルクが名を連ね、サメ映画ブームに一石を投じるオリジナリティあふれるサメ映画を完成させた。

『ブラック・デーモン 絶対絶命』のスタッフたちが目指したのは、ある家族が一丸となって存亡の危機をくぐり抜ける物語。目下の脅威を生き延びるために家族が団結する姿を捉えている。

さらに、この映画で問題提起されるのは、私たちがいかに地球を破壊し、自分たちをこのような苦境に追い込んできたか、ということ。

この映画の巨大ザメ、通称ブラック・デーモンは、単なる海の捕食者ではなく、むしろ人間への報復を体現している存在だ。ブラック・デーモンは、トラロック(アステカの雨と雷の神)に代わって、人間の欲望と欲望によって荒廃した海を取り戻すために行動する使者なのである。

現代における本当のモンスターは誰なのか。そんな問いを投げかけている。

『ブラック・デーモン 絶体絶命』


STAFF 監督:エイドリアン・グランバーグ / 製作:ジョン・シルク
CAST:ジョシュ・ルーカス、フェルナンダ・ウレホラ、フリオ・セサール・セディージョ2023年/英語・スペイン語/101分/ユニビジウム/カラー/5.1ch/原題:THE BLACK DEMON/
配給:松竹
公式HP

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投稿者プロフィール

Hayato Otsuki
1993年5月生まれ、北海道札幌市出身。ライター、編集者。2016年にライター業をスタートし、現在はコラム、映画評などを様々なメディアに寄稿。作り手のメッセージを俯瞰的に読み取ることで、その作品本来の意図を鋭く分析、解説する。執筆媒体は「THE RIVER」「IGN Japan」「映画board」など。得意分野はアクション、ファンタジー。
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