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大泉洋主演『月の満ち欠け』作品レビュー

作品紹介

2017年に第157回直木賞を受賞し、累計発行部数56万部を超える佐藤正午によるベストセラー小説「月の満ち欠け」(岩波書店刊)。著者・佐藤正午の最高傑作と名高い純愛小説が実写映画化。
現代を生きる、愛する妻子を亡くした男性・小山内と、27年前にある女性と許されざる恋をした男性・三角。無関係だった彼らの人生が、”瑠璃”という名の女性の存在で交錯する。これは、「愛する人にもう一度めぐり逢いたい」という想いが起こした”奇跡”が紡ぐ、数奇で壮大なラブストーリー。

主人公・小山内堅(おさない・つよし)にはNHK大河ドラマでの好演も記憶に新しい国民的俳優、大泉洋。そして小山内の娘と同じ名を持ち、物語の鍵を握る謎めいた女性・正木”瑠璃”(まさき・るり)に有村架純。27年前に”瑠璃”と許されざる恋に落ちる大学生・三角哲彦(みすみ・あきひこ)には単独での映画初出演となる目黒蓮(Snow Man)。そして、小山内の最愛の妻・小山内梢(おさない・こずえ)には柴咲コウ、その娘・瑠璃には、菊池日菜子。その他にも“瑠璃”の夫・正木竜之介(まさき・りゅうのすけ)に田中圭、小山内にある事実を伝える、娘の親友・緑坂ゆい(みどりさか・ゆい)には伊藤沙莉と、壮大な愛の物語を確かな演技力で彩っている。


監督は、 『余命1ヶ月の花嫁』(09)、『ストロボ・エッジ』(15)他、リアルな人間描写と圧倒的な映像美に定評のある廣木隆一。脚本には『映画 ビリギャル』(15)、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(18)他、コメディから感動作まで幅広いジャンルを手がける実力派、橋本裕志。日本映画界が誇る最高のキャストとスタッフが集結。


物語が始まる1980年という時代を象徴する楽曲として、同年に発売されたジョン・レノンの楽曲「Woman」を劇中に使用。リアリティを追求したオールロケ、そして1980年当時の高田馬場駅前を巨大オープンセットと最新CGで再現。豪華キャスト陣の演技合戦はもちろん、壮大なスケールの映像美もぜひスクリーンで堪能いただきたい注目ポイントのひとつ。

「もう一度あなたに逢いたい」という強い想いが、時間も空間も超えて巻き起こす奇跡の物語。そしてその先に待ち受けていた、愛の結末とは̶?

ストーリー

”もう一度逢いたい”と願う純粋な想いが、27年の時を超えて奇跡を起こす―― 仕事も家庭も順調だった小山内堅(大泉洋)の日常は、愛する妻・梢(柴咲コウ)と娘・瑠璃のふたりを不慮の事故で同時に失ったことで一変。
深い悲しみに沈む小山内のもとに、三角哲彦と名乗る男(目黒蓮)が訪ねてくる。事故に遭った日、小山内の娘が面識のないはずの自分に会いに 来ようとしていたこと、そして彼女は、かつて自分が狂おしいほどに愛した“瑠璃”という女性(有村架純)の生まれ変わりだったのではないか、と告げる。

【愛し合っていた一組の夫婦】と、【許されざる恋に落ちた恋人たち】。 全く関係がないように思われたふたつの物語が、数十年の時を経てつながっていく。 それは「生まれ変わっても、あなたに逢いたい」という強い願いが起こした、あまりにも切なすぎる愛の奇跡だった——。

作品レビュー

瑠璃(るり)も玻璃(はり)も照らせば光る。の名を付けられた瑠璃という女性が、愛する人に会うため生まれ変わるという物語を、時代と世代を超えて繰り広げられる。ファンタジーではあるが、ストーリーの中核は普遍的なラブストーリーだ。

時系列や繋がりが謎のまま、主人公・小山内堅(大泉洋)と妻・梢(柴咲コウ)とその娘の瑠璃の家族の日常と、別の瑠璃(有村架純)と三角哲彦(目黒蓮)の出会いから恋愛までを映し出す。
ふたつの物語の人物の相関関係が複雑で、リンクに気づくのにある程度の時間を要する。


愛する家族を失くし、人生が180度変わってしまう主人公・小山内堅を演じた大泉洋の泣きの演技に思わず貰い泣きする。大事な方を亡くした経験のある方は胸に響くはずだ。

生まれ変わっても何度でも会いたい気持ちは、一見すると執念とも思えるが、生まれ変わってまで、過去生の記憶にすがって生きるのは果たして幸せなことだろうか?と疑問を投げかける。

月が欠けるような瑠璃の影の部分を知りながらも、彼女に惹かれていく三角。三角役を務めた目黒蓮は、映画俳優歴はまだ浅いが、バラエティーやドラマでメディアでの露出度が高い。明るく可愛いらしいイメージの有村架純が演じる瑠璃との切ないラブストーリーは見どころだ。

悲しみに満ちた恋愛が次世代へ受け継がれ、不思議な世界観とミステリーが交差したロマンティックな作品となっている。

『月の満ち欠け』12月2日公開


原作:佐藤正午「月の満ち欠け」(岩波書店刊)
出演:大泉洋 有村架純 目黒蓮(Snow Man) 伊藤沙莉 /
田中圭 柴咲コウ
監督:廣木隆一
脚本:橋本裕志
音楽:FUKUSHIGE MARI
劇中曲:John Lennon「Woman」(ユニバーサル ミュージック)
配給:松竹株式会社
上映時間:  128分
公式HP
 ©2022「月の満ち欠け」製作委員会

投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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