アメリカの児童文学作家ノーマン・ブリッドウェルが1963年から発表し始めた児童文学作品を原作に、映画史上最もでっかくて赤い子犬が、現代のニューヨーク・マンハッタンを舞台にスクリーンで大騒ぎ!
中学生のエミリー・エリザベス(ダービー・キャンプ)は不思議な動物保護者(ジョン・クリーズ)と出会い、小さな赤い子犬を贈られる。しかし彼女が目を覚ますと、ニューヨークの彼女の小さなアパートに、まさか3メートルもの巨大な犬が現れるとは夢にも思わなかった。シングルマザーのマギー(シエンナ・ギロリー)が出張で留守の間、エミリー・エリザベスは、楽しくも向こう見ずな叔父のケイシー(ジャック・ホワイトホール)と一緒にスリル満点にニューヨークを味わう冒険に出る。
日本ではそれほど有名ではないかもしれないが、外国でクリフォードのアニメを観たことがあった。素朴で可愛らしい絵と、異様に大きな犬のシュールさが気に入ってしまい、英語バージョンの絵本を買ったりもして以前からファンであった。
異常に大きくはあるが、クリフォードはとても優しくお利巧な犬で、他の犬仲間の友達もたくさんいる。他の犬たちはみんな通常サイズながら、みんな仲良しな様子もとても可愛いアニメだった。
あのクリフォードが実写映画化となると、気になる要素でいっぱいだった。この作品ではクリフォードの小さな頃から描かれている。アニメで観たのはすでに大きくなった後のクリォードだったので、確かに初映画化となると必要な背景だったのだろう。
そしてあのように大きな犬となると、食事やトイレをはじめ、様々な問題が山積みだろうと頭をよぎるが、そこは気にしてはいけない部分である。予想される難儀さはいろいろあると思われるが、この映画の当面のピンチとしては、大きさのために悪者に狙われ研究材料にされそうになってしまうことだ。クリフォードを守りたい、そばにいたいと願う少女エミリーとの絆がメインテーマである。
犬の大きさは目立つ要素だが、その犬を取り巻く人間模様がストーリーの核となっている。転校生で孤独だったエミリーがクリフォードを通して友達ができたり、風来坊で難ありげなエミリーのおじさんがクリフォードを助けるために奔走したり、近所の人々も巻き込み協力しあう姿に心が温まる。
彼らが大きい犬のために冒険をいとわず、勇敢に立ち向かう姿に元気をもらえるのではないだろうか。大きな犬の背中に乗って走るシーンは動物好き、犬好き、可愛いのが好きな人々にはたまらない、夢の世界であるに違いない。
常識外れな大きな赤い犬、クリフォードの可愛さを存分に堪能していただける作品である。
監督:ウォルト・ベッカー
原作:ノーマン・ブリッドウェル
キャスト:ダービー・キャンプ、ジャック・ホワイトホール、アイザック・ワン、トニー・ヘイル
吹替:花澤香菜、三森すずこ、金丸淳一、諏訪部順一
配給:東和ピクチャーズ
上映時間: 97分
原題: 『Clifford the Big Red Dog』
公式サイト
© 2021 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.