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全世界渇望のハリウッドSFサスペンス超大作 都市が海に沈み、水に支配された世界で、〈記憶潜入エージェント〉として暗躍するニックに、 検察から仕事が舞い込む。新興勢力のギャング組織の男が瀕死の姿で発見された。
彼の記憶に潜入し、ギャングの正体と目的を掴めという依頼だ。彼の記憶から映し出された、 事件のカギを握る謎の女性メイを追って、多くの人々を記憶潜入(レミニセンス)するニック。 だが、膨大な記憶と映像に翻弄されたニックは、予測もしなかった陰謀へと巻き込まれていく──。
ヒュー・ジャックマン主演というだけで期待してしまう。2018年日本で公開の「グレイテスト・ショーマン」が大ヒットしたことはまだ記憶に新しい。今作「レミニセンス」のヒロイン役が「グレイテスト・ショーマン」にも出演し、圧倒的な存在感で高名な歌手役を演じたレベッカ・ファーガソンであるのも注目すべき点である。
私も含め、「グレイテスト・ショーマン」のファンの方には嬉しいキャスティングではないだろうか。あの作品では彼女は失恋に終わってしまうが、今作では、役柄は違えども幻の悲恋が再燃されたかのようである。
ヒュー・ジャックマン演じる主人公ニックは初めて謎の美女メイを目にしたその瞬間から激しく恋に落ちる。怒涛の一目ぼれとでも言ったものか、恋に突っ走る中年男性を熱演している。
彼の気持ちは受け入れられたかに思えたが、ある日メイは忽然と姿を消してしまう。彼女に夢中であったニックは突如謎に取りつかれ、ラブストーリーからミステリーへと物語は変移してゆく。
パンドラの箱を開けるかのように彼女の過去の闇や謎の深みへはまってゆく。恋人の面影にすがり、なりふりかまわず恋と謎に翻弄される主人公の激しさは見どころのひとつである。
手探りのまま彼女の痕跡を辿り、ニックは危うい方向へ突き進む。危険を顧みず盲目的にマフィア組織へ乗り込んでゆき、無鉄砲このうえない暴走ぶりである。ちなみに東洋人のマフィアのボスはかっこ良かった。崩れた魅力とでも言うのか、悪そうでかつセクシーな悪人役に少々心を奪われてしまった。
近未来、水没しかけた街、一触即発のような社会状況、記憶を映像化して体感できるという設定もユニークである。物語の核としては、夢中で引き込まれるような恋と謎、人の心理や闇といった人間ドラマに尽きるのではないか。
メインキャラクターと脇役、悪役に至るまで、それぞれが逃れきれない過去や傷を抱えながら生きてゆく姿に考えさせられる。
ニックが謎を解明したその時、彼の選択とは・・・狂おしいまでの愛の結末を見届けてもらいたい。
出演:ヒュー・ジャックマン(『グレイテスト・ショーマン』『ローガン』『レ・ミゼラブル』)レベッカ・ファーガソン( 『グレイテスト・ショーマン』『 『ミッション・インポッシブル』シリーズ)、タンディ・ニュートン(「ウエストワールド」)、ダニエル・ウー(『トゥームレイダー ファースト・ミッション』)
製作:ジョナサン・ノーラン (『メメント』原案、『インターステラー 』脚本)、リサ・ジョイ 監督:リサ・ジョイ(HBOドラマ「ウエストワールド」製作総指揮)
原題:REMINISCENCE
上映時間:116分
公式サイト
配給:ワーナーブラザースジャパン
#レミニセンス
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