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ラッセル・クロウ主演 スリラー映画『アオラレ』作品レビュー

作品紹介

世界中でロックダウン後、19の国と地域でまさかのNo.1ヒット!
究極の恐怖と爽快な展開にアドレナリン出まくりの、ノンストップ・アクションスリラー誕生!!

ストーリー

グラディエーター』でアカデミー賞主演男優賞を受賞した名優ラッセル・クロウ主演の最新作『Unhinded』(原題)。世界中でロックダウンが相次いだ後の公開にも関わらず、19の国と地域でNo1ヒットを記録した話題作が日本上陸!!
今や社会問題となっている「あおり運転」は身近な恐怖として存在している。
その恐ろしさを描く本作は、シングルマザーのドライバー、レイチェル(カレン・ピストリアス)が見知らぬ“男”(ラッセル・クロウ)と信号で言い合いになってしまうところから始まる。「運転マナーがなっていない」と謝罪を求められるが、レイチェルはそれを拒否。
しかし、そのささいな小競り合いから、レイチェルは想像もしていなかった恐怖に巻き込まれることになる。果たして、レイチェルはその“男”の壮絶な【アオリ】から逃げ切ることが出来るのか!?リアルで爽快な展開に、ストレス発散できるノンストップ・アクションスリラーの傑作が誕生!

作品レビュー

日々ニュースで目にするあおり運転の事件だが、映画界ではあおり運転をテーマに幾つかの作品が制作されている。

最も有名なのがスティーブン・スピルバーグのキャリア初期の名作である『激突!』だ。本作では大型タンクローリーから執拗に追跡される理不尽な恐怖が描かれる。サム・ペキンパーの『コンボイ』もある意味あおり運転を題材とする映画に部類されるだろう。

さて、新作『アオラレ』で、狂気のロードレイジを演じるのは、『グラディエーター』でオスカー俳優の仲間入りを果たした名優ラッセル・クロウだ。クロウ扮するロードレイジの男は、信号待ちでクラクションを鳴らされたことに腹を立て、誰もが恐れる狂気の行動を実行する。

あおり運転の狂気とは、すなわち人間そのものの狂気であり、そういう意味で言えば、『フォーリング・ダウン』の暴走男に通ずる部分を感じるはずだ。

そして最も恐ろしいのは、クロウ扮するロードレイジの男の、その素性はまったく不明であるところで、どういう思惑があるのか一切見当が付かない部分だ。分かるのは、どうやら妻とは離婚しているらしいことで、それ以外の一切は映画の中であまり触れられない。

そして何よりも、そういう男が出現する最大の理由はこの社会であり、ストレス社会とも言われる現代においての問題点を炙り出す、ある意味では社会派な一面も見え隠れしているようだ。

んにせよ、あおり運転には遭遇したくもないし、自身があおり運転の加害者になるのだけは、絶対に避けたいところである。

予告動画

『アオラレ』

原題・英題
Unhinged
出演:ラッセル・クロウ、カレン・ピストリアス、ガブリエル・エイトマン、ジミ・シンプソン、オースティン・マッケンジー
監督:デリック・ボルテ『レッド・バレッツ』『幸せがおカネで買えるワケ』
脚本:カール・エルスワース『レッド・ドーン』『ディスタービア』
製作:リサ・エルジー『メン・イン・キャット』『ジェシー・ジェームズの暗殺』
レイティング:PG12
配給:KADOKAWA
上映時間: 90分
公式サイト
(c) 2020 Unhinged Film Holdings LLC. All Rights Reserved.

投稿者プロフィール

Hayato Otsuki
1993年5月生まれ、北海道札幌市出身。ライター、編集者。2016年にライター業をスタートし、現在はコラム、映画評などを様々なメディアに寄稿。作り手のメッセージを俯瞰的に読み取ることで、その作品本来の意図を鋭く分析、解説する。執筆媒体は「THE RIVER」「IGN Japan」「映画board」など。得意分野はアクション、ファンタジー。
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