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可笑しなブルゴーニュ・ロマンス!「英雄は嘘がお好き」 作品レビュー

  • 2019年9月17日

作品紹介

『アーティスト』のプロデューサーが贈る、豪華絢爛なロマンティック・コメディ!
1809年のフランス・ブルゴーニュを舞台に、『おとなの恋の測り方』に続いてローラン・ティラール監督との再タッグを果たしたオスカー俳優ジャン・デュジャルダンと、コメディ初挑戦のメラニー・ロラン、二大スターの夢の共演。

ストーリー

1809年、フランスのブルゴーニュ。裕福なボーグラン家の長女・エリザベットには、戦地から還らない婚約者を待つ健気な妹・ポリーヌがいた。気の毒に思ったエリザベットは差出人を彼と偽り自分で書いた手紙を妹に届け続ける。その婚約者・ヌヴィル大尉を第一線で大活躍の末に戦死したことにして3年が経ったある日。エリザベットは街で偶然ヌヴィルに遭遇し、大慌て! 家族を騙したことを隠したい姉、恋人の再登場にときめく妹、伝説の英雄の帰還に沸く街の人々。心中穏やかでないエリザベットの心配をよそに、ヌヴィルはこの偉大なる「嘘」を利用して一儲けしようと目論む。偽の英雄が巻き起こす、ロマンスと騒動の結末はいかに…?

作品レビュー

ごきげんなフレンチ・ロマンティックコメディのお出ましである。もともとフランス映画好きな自分には、いろいろツボにはまってしまうポイントが盛り沢山だ。

舞台はフランス、ブルゴーニュ地方、名家のお屋敷。時代物好きな私には1809年という設定も好ましく、令嬢や召使たちの衣装もまばゆく見どころである。

主人公である令嬢エリザベットとヌヴィル大尉のチャーミングさがたまらない。妹を助けるため、仕方なく嘘をついたエリザベットが、やがて味わう栄光と挫折。反目しあうヌヴィル大尉とのホラ吹き対戦から目を離せなくなってしまう。

機知に富んだフレンチユーモアは伏線が張りめぐらされており、ここでつながるのか・・・と舌を巻く巧みさである。エリザベット役のメラニー・ロランはコメディ初挑戦とは思えないコミカルな演技で笑いを誘い、豊かな表現力を見せつける。

コメディエンヌとしての新たな境地を見出したメラニー・ロランは再びコメディ作品をやりたくてうずうずしている模様である。彼女の今後の出演作品にもますます注目したい。

お気楽なコメディと思いながら観ていたら、終盤は思いがけないほどの緊迫したシーンに度肝を抜かれてしまう。なんという侮れない映画なのか・・・そこでそうなるか!?と激しくツッコミを入れたくなる脱力シーンも必見!

笑いだけにとどまらない、鋭い人間観察と風刺に富んだ本作品は感性を刺激されてやまない秀逸な仕上がりとなっている。コミカルでラブリーな、リピートして観たくなってしまうおすすめ作品である。

予告動画

「英雄は嘘がお好き」10月11日 札幌シネマフロンティアほか全国公開

監督・脚本:ローラン・ティラール
出演:ジャン・デュジャルダン、メラニー・ロラン
フランス/仏語/上映時間 :91分
配給:松竹
原題・英題: Return of the Hero
公式サイト
(c)JD PROD – LES FILMS SUR MESURE – STUDIOCANAL – FRANCE 3 CINEMA – GV PROD

投稿者プロフィール

Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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