• 道内最大級の映画レビューサイト

ジュリエット・ビノシュ&永瀬正敏のダブル主演!「Vision」あらすじ 感想

  • 2018年5月31日

 

作品紹介

『あん』『光』の河瀨直美監督最新作!
主演は世界三大映画祭すべてで女優賞を獲得したフランスの名女優ジュリエット・ビノシュと『あん』『光』の2作品に連続主演した日本を代表する俳優・永瀬正敏のダブル主演!
共演に岩田剛典、夏木マリ、美波、森山未來、田中泯といった豪華実力派俳優たちが集結。

ひとがひととして、
この母なる大地で生きることに真正面から向き合う、いのちの物語。

ストーリー

木々が青々と茂る夏。紀行文を執筆しているフランスの女性エッセイスト・ジャンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、奈良・吉野にある山深い神秘的な森に通訳兼アシスタントの花(美波)とやってきた。 
その森で、猟犬のコウと静かに暮らす智(永瀬正敏)は、木々を切り、森の自然を守っている山守だ。智はある日、鋭い感覚を持つ女・アキ(夏木マリ)から、明日は森の守り神である春日神社へお参りに行くように、と告げられる。 
翌朝、ジャンヌと花は春日神社で智と出会い、花は「この村に昔から伝わる薬狩りの話を聞いて、やってきました。“ビジョン”と呼ばれる薬草を探しています」と話す。ジャンヌは「人類のあらゆる精神的な苦痛を取り去ることができる」と説明するが、智は「聞いたことがない」という。 
ジャンヌは智の家の離れに泊めてもらえることになり、ほどなく出会ったアキからは「あんただったんだね」と言われる。アキは、この森に誰かがやってくることを前もって知っていたのだ。さらに「最近、森がおかしい。1000年に1度の時が迫っている」と言う。アキは“ビジョン”についても、何か知っているという口ぶりだった。

試写の感想

フランス人大物女優、ジュリエット・ビノシュが主演という異色作である。
そうは言っても邦画なわけだし、フランス語の割合は高くないものと考えていたが、予想以上に英語とフランス語が話されていた。

物語は神々しいまでに美しく自然豊かな山の中が舞台となる。
伝説の植物「Vision」を求めてエッセイストのフランス人女性が通訳の日本人女性と共に奈良の山奥を訪れる。

フランス語講師の私はこの通訳の女性、花の流暢なフランス語に驚いた。付け焼刃のレベルではなくネイティブ並みだった。そのようにフランス語を操れるモデル風の女性は何者かと思い調べると、美波という名の女優兼モデルで、父はフランス人、母は日本人だという。彼女の日本語は不自然なところはないものの、フランス語の方が得意なのかもしれないという印象を受けた。

知的でエレガントなエッセイストのジャンヌ役をジュリエット・ビノシュが演じている。
若く美しい助手、花を頼りに実在するかどうかもわからない植物「Vision」を探し求める中、山奥にひとり暮らす智と出会う。

永瀬正敏演じる智も興味深い存在だ。なぜこんな場所に住んでいるのかと尋ねられ、「疲れたから。」と答えた。そして「幸せはその人の心の中にある。」という言葉も。20年間も山奥に暮らす人はやはり哲学者のようだと感じた。

最初、智は言葉少なめで無口な印象だったが、英語を理解し流暢に話していた。ほとんど人のいない山奥の環境では日本語すら忘れてしまいそうだが、英語の方がむしろ雄弁に見えたのには突っ込みたくなってしまう。込み入った話もしていたし相当な上級者だけれど、きっと過去にはエリートだったということなのだろう。

ストーリーは正直よく理解できなかった。唐突にラブシーンに突入するところはフランス映画らしい感もある。世界中で高い評価を受けているという河瀬直美監督。圧倒的な映像美と独特な世界観に惹かれるファンも多いのだろう。

神秘的な山々の自然、その中にぽつりと存在する古民家での暮らしに、日本に憧れを募らせるフランス人ならばノックアウトされていまいそうだ。日本人である私も憧れてしまう世界がそこにあった。自然を愛する人ならば心洗われるような美しい映像に魅了されるに違いない。

良い季節になりつつある中、山や森へ足を運んでみたくなる映画だった。

予告動画

「Vision」6月8日 札幌シネマフロンティア、ユナイテッド・シネマ札幌で公開

監督:河瀨直美
キャスト: ジュリエット・ビノシュ、永瀬正敏

岩田剛典、夏木マリ、美波、森山未來、田中泯

上映時間: 110分

オフィシャルURL

配 給: LDH PICTURES

C2018VisionLDH JAPANSLOT MACHINEKUMIE INC.

投稿者プロフィール

Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
error: Content is protected !!