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長瀬智也主演 大ベストセラーを映画化「空飛ぶタイヤ」あらすじ 感想

  • 2018年5月28日

 

 

 

累計180万部突破の大ベストセラー 池井戸潤作品 初の映画化

映画紹介

累計180万部を突破し、第136回直木賞候補作品にもなった池井戸潤による大ベストセラー「空飛ぶタイヤ」(講談社文庫、実業之日本社文庫)。

ある日突然起きたトレーラーの脱輪事故。整備不良を疑われた運送会社社長・赤松徳郎(長瀬智也)は、車両の欠陥に気づき、製造元である大手自動車会社のホープ自動車カスタマー戦略課課長・沢田悠太(ディーン・フジオカ)に再調査を要求。   

同じ頃、ホープ銀行の本店営業本部・井崎一亮(高橋一生)は、グループ会社であるホープ自動車の経営計画に疑問を抱き、独自の調査を開始する。
それぞれが突き止めた先にあった真実は大企業の“リコール隠し”-。

「下町ロケット」(15/TBS)をはじめ「半沢直樹」(13/TBS)、「花咲舞が黙ってない」(14,15/NTV)、「民王」(15/EX)、「陸王」(17/TBS)など、これまで数多くの作品がドラマ化されているが、映画化は今作が初となる。

池井戸潤が、「ぼくはこの物語から『ひとを描く』という小説の根幹を学んだ」という程に思い入れのある原作の映画化に、日本を代表する豪華キャストたちが大集結!
池井戸は映画化にあたり「もし、人を死に至らしめる欠陥を知りつつそれを隠蔽していたなら、それは社会に対する重大な罪だ。それでも大企業なら許されるのかー。問われているのは我々の見識と勇気である。」とコメントしている。

ストーリー

ある日突然起きたトレーラーの脱輪事故。整備不良を疑われた運送会社社長・赤松徳郎(長瀬智也)は、車両の欠陥に気づき、製造元である大手自動車会社のホープ自動車カスタマー戦略課課長・沢田悠太(ディーン・フジオカ)に再調査を要求。同じ頃、ホープ銀行の本店営業本部・井崎一亮(高橋一生)は、グループ会社であるホープ自動車の経営計画に疑問を抱き、独自の調査を開始する。
それぞれが突き止めた先にあった真実は大企業の“リコール隠し”ー。
果たしてそれは事故なのか事件なのか。
男たちは大企業にどう立ち向かっていくのか。正義とはなにか、守るべきものはなにか――。

試写感想

タイトルはどことなくユーモラスな印象があった。

予備知識なく観たけれど、題名から受けるイメージとは裏腹な、重厚な内容だった。

最初から展開はスピーディーで、すぐにストーリーに引き込まれた。
某大手自動車メーカーによる、リコール隠しの実話がモデルになっている。原作者は「半沢直樹」でおなじみの池井戸潤である。

主演の長瀬智也は社員80人を抱える運送会社の二代目社長、赤松を演じている。
突然のトラック脱輪による死亡事故。そこから彼の苦悩は始まる。

トラックの製造元であるホープ自動車へ事故原因の再調査を依頼するが、メーカーは運送会社の整備不良と結論付けた。不信を抱く赤松社長の反撃が始まるが、形勢は不利どころではなかった。相手は財閥系の巨大企業。誠意のかけらもない対応だった。

歯ぎしりしてしまうような重い内容だが、登場人物のほとんどが男性で、イケメン揃いなのは女性に嬉しい要素ではないだろうか。

主人公の長瀬智也をはじめ、対立するホープ自動車の佐々木を演じるのはディーン・フジオカ。ホープ銀行の芯ある若手担当者は高橋一生。三大イケメンの競演となれば、女性同士であなたは誰がタイプ?等で盛り上がれそうだ。どう見ても悪代官な企業幹部役、岸部一徳が好みの方もいるかも知れない。

ちなみに私はディーン・フジオカ派になってしまった。50代半ば以上が範疇で、20~30代、40代は圏外だったのに戸惑っている。あの端正な顔立ち、スマートさと気品、妖艶さに気持ちがざわついてしまった。

ストーリーもかなり後半になった頃、えっ、この人?と驚く豪華キャストが現われた。きわめて重要な役どころながら、ほとんどチョイ役というか、隠れキャラ的存在である。上品な大人の紳士というイメージの彼が、作業服で職人気質な男性を訛り口調で無理なく演じる姿に、幅広いなぁ・・・と改めて感心した。

男性の好みはさておき、ストーリーはきわめて社会的で、大企業の倫理を改めて問う役割を果たしている。かつて某財閥系自動車メーカーの腐敗体質が暴かれたが、大企業というものはその権力と財力を盾に、多かれ少なかれモラルを無視した犯罪まがいのあり方が横行しやすいのではないか?

巨大な権力に立ち向かうことは身の破滅を意味するに等しい。それでも勇気ある行動を取れる誰かがいたなら、他の良心を呼び覚まし、追い風が吹くものなのかも知れない。

本作品、観るべき名作のひとつである。

予告動画

タイトル : 『空飛ぶタイヤ』

原     作 : 池井戸潤「空飛ぶタイヤ」 (講談社文庫/実業之日本社文庫) 出         演 : 長瀬智也  ディーン・フジオカ  高橋一生

深田恭子  岸部一徳  笹野高史  寺脇康文  小池栄子

阿部顕嵐(Love-tune/ジャニーズJr.)   ムロツヨシ   中村蒼 ほか

監督 : 本木克英           

脚本 : 林 民夫

音楽 : 安川午朗

主題歌 : サザンオールスターズ「闘う戦士たちへ愛をこめて」(タイシタレーベル/スピードスタレコーズ)

配給 : 松竹                      

上映時間 : 120分

公式サイト : soratobu-movie.jp

公式twitter : https://twitter.com/soratobu_movie

公式Facebook : https://www.facebook.com/soratobu.movie/

(C)2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会

投稿者プロフィール

Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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