作品紹介
過去のどんな映画でも見たことのない、壮絶な運命をたどる女スパイ。そして過去の常識を超え、若くしてハリウッドのトップに登り詰めた、アカデミー賞女優のジェニファー・ローレンス。キャラクターと女優の奇跡的な出会いを実感させるのが、この『レッド・スパロー』だ。
バレリーナとしての将来が断たれ、意志に反してスパイとしての道を歩むことになったドミニカ・エゴロワ。彼女の最大の武器は、相手を誘惑し、その欲望をコントロールする巧みな心理操作だ。まさに、ハニートラップの究極技!
ストーリー
バレリーナの将来が怪我のために断たれたドミニカ。病気の母に治療を受けさせるためにロシアの諜報機関の訓練施設に送られる。そこは、ハニートラップと心理操作を武器としてミッションを遂行するスパイ=<スパロー>の養成機関だった。冷酷な女監督の指導の元、持ち前の美貌と頭脳で、ドミニカは望まないながらも、一流の<スパロー>へと仕立て上げられる。気乗りしないまま、スパイのくすんだ危険な世界に巻き込まれた彼女に与えられたミッションはアメリカのCIA局員に接近し、ロシア政府内に潜むスパイの名を聞き出すこと。しかしその任務は、ドミニカを想像も超える運命へ導き、彼女は敵国アメリカのみならず、祖国ロシアからも狙われることになる。大国間の裏舞台での陰謀と欲望が渦巻くストーリーは、信じがたい結末へと展開していく。
感想
主演のジェニファー・ローレンスがこの上なく美しい。
冒頭からスリリングで不穏な空気が漂い、彼女が劇場でバレエを踊るシーンは荘厳で迫力があり心を掴まれる。
ジェニファー・ローレンスが演じるのは若く美貌の主人公ドミニカ・エゴロワ。
輝かしく、アーティスティックなボリショイ・バレエ団のダンサーから、否応なくスパイへ転身させられるのだが・・・
ドミニカは全編を通して過酷な運命にさらされ続ける。体の不自由な母を守ろうとする健気な娘である一方、怒らせると何をしでかすかわからない気性の荒さを持ち合わせている。
原作者ジェイソン・マシューズは元CIA捜査官で、33年にも渡る勤務経験をもとに執筆した「レッド・スパロー」はベストセラーとなった。スパローとはターゲットを誘惑し情報を引き出すスパイのことだが、作者によればスパロー養成所は実在するという。
若い女性達を、高級娼婦を兼ねたスパイに仕立て上げるスパロースクールの場面は過激で壮絶であった。このような活動が実際に国をあげて行われているとしたらぞっとしてしまう。
美貌に加えアスリートの身体能力、知力と大胆さを兼ね備えたドミニカは美しき女スパイとして能力を発揮するが、彼女のような女性ならば、危険と知りつつも近づきたくなる男性ばかりではないだろうか。
率直に、主演のジェニファーの美しさには惹きつけられてやまない。
過酷な役柄のためか、ほとんど笑顔が見られないが、クールでありながら可憐でもある。
ゴージャスなドレス姿も、あるいはその裸身もやはり美しい。
ストーリーの途中でヘアスタイルが栗色からブロンドに変化するが、それがまた素晴らしく似合っている。彼女の美しさは多様に際立たせられている。
生き延びるためにスパイとなったドミニカが、どのような運命を辿るのか。片時も彼女から目を離せない時間となるだろう。
予告動画
『レッド・スパロー』
【監督】フランシス・ローレンス
【キャスト】ジェニファー・ローレンス、ジョエル・エドガートン、マティアス・スーナールツ、シャーロット・ランプリング、メアリー=ルイーズ・パーカー、ジェレミー・アイアンズ
上映時間:140分
公式サイト
© 2018Twentieth Century Fox Film Corporation
投稿者プロフィール
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Kana
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フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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