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フランス発ハートフル・エンターテイメント「あしたは最高のはじまり」あらすじ、感想

  • 2017年8月5日

作品紹介

この二人の物語に、世界が惚れ込んだ!
突然父になったプレイボーイと、男手“2つ”で育てられた少女が、“人生最高のパートナー”になる。
型破りな二人の絆に、世界が笑いと涙に包まれた、感動のエンタテインメント!!
『最強のふたり』を生んだフランスから、世界級の感動作が日本に上陸。南仏コートダジュールの自由気ままなプレイボーイが突然、赤ちゃんを引き取ることになり、異国の地ロンドンでゲイの友人と男手2つで育児に奮闘!?ありえない父娘はいつしか“最高の相棒”となり、最強の絆が生まれていく。2016年12月に本国フランスで公開、『モアナと伝説の海』に続き初登場2位という好スタートを切り、8週連続トップ10入りし、フランスの2016年公開作で『Les Tuches2』に続き2番目のヒット作となった。その感動はヨーロッパ全土に広まり、ロシア、オランダ、ドイツ、ベルギー、スイスで大ヒットを博した。本作の原案は、全米で異例の大ヒットを記録したメキシコ生まれのコメディ『Instruction Not Included』。フランスの他、アメリカ、ブラジル、中国、トルコなど世界中でリメイクが決定するなど、全世界が2人の物語に心を奪われている。

  

ストーリー

サミュエルは、南仏コートダジュールの太陽の下、毎日がバカンスのごとく人生を謳歌していた。しかしそれは、かつて関係を持った女性クリスティンが、生後数か月のグロリアという“実の娘”を連れて彼の前に現れるまでのこと…。「あなたの娘よ」と告げ姿を消したクリスティンを追って、ロンドン行きの飛行機に飛び乗るサミュエルだったが、言葉も通じない異国の地で彼女を見つけることはできなかった。途方に暮れた彼らを救ったのは、地下鉄で出会った敏腕プロデューサーでゲイのベルニーだった。8年後、すっかり家族となったサミュエルとグロリアとベルニーの前に、グロリアの母親クリスティンが現れる。

  

試写の感想

主人公のサミュエルは気ままなプレイボーイ。仕事はいい加減ながらも顧客の評判はよく、遊びは絶好調。女性にもモテモテだ。

そんな彼のもとに、ろくに記憶にもない女性が会いに来る。サミュエルの子供だと主張され、いきなり赤ちゃんを置き去りにされる。とても可愛い赤ちゃんだが、母親のもとへ返すためにフランスからロンドンへ向かう。その時から彼の人生が大きく変わり始めた。

サミュエル役はフランス映画の超ヒット作「最強のふたり」の主役を演じたオマール・シー。この作品でもやはり彼の存在が光っている。堂々としたルックスに底抜けの明るさ、情の深さは共通している。今回は娘を愛してやまないパパ役としての魅力も弾けている。

ストーリーはユニークな設定。プレイボーイから映画のスタントマンとして華麗な転身を遂げ、華やかな都会ロンドンを舞台に活躍し成功している。幸せいっぱいのパパと娘だったが、8年前に姿を消したきりの母親が再び現れた。

赤ちゃんだった娘グロリアを置き去りにした母親役は、あのハリーポッターシリーズにフラー・デクラール役として出演したクレマンス・ポエジー。ハリポタではフワッとしたイメージの美少女だったが、この作品での彼女は随分と大人になったものだ。

彼女の役のキャラクターは身勝手すぎて、母親としても人間としても怒りを覚える。まるで同調できない。彼女の登場によって、懸命に生きてきたサミュエルと娘グロリアとの関係に変化が訪れる。

明るい話かと思っていたら、途中から重くなってくる。納得いかない展開が続く。イタズラ好きで底抜けに明るく見えるサミュエルは秘密を抱えていた。彼の生き方や人生哲学には深い理由があった。

終盤になるほど切なく、メッセージが詰まっている。観る人はみな人生を存分に生きているかと思いをはせるかもしれない。サミュエルの前向きさと強さに心打たれながら、日々を大切に過ごしたいと改めて思わせる作品だった。

 

「あしたは最高のはじまり」予告

スタッフ/キャスト

監督:ユーゴ・ジェラン
出演:オマール・シー、クレマンス・ポエジー、アントワーヌ・ベルトラン、グロリア・コルストン

2016年/フランス/カラー/5.1ch/スコープ/上映時間:117分/G/字幕翻訳:星加久実

原題:Demain Tout Commence

公式サイト

© 2016 – MARS FILMS – VENDÔME PRODUCTION – POISSON ROUGE PICTURES – TF1 FILMS PRODUCTION – KOROKORO
PHOTO : Julien PANIE

投稿者プロフィール

Kana
フランス語講師。映画大好き、書くのも好きなので映画レビューサッポロのライターへ立候補。
仕事柄プライベートではフランス作品の鑑賞に偏りがちですが、様々なジャンルをバランスよく観たいです。子供の頃、若い頃はSFやアクション系が好きでしたが、近頃は人間ドラマ重視の作品により惹かれます。
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