世界中で空前の社会現象を巻き起こし、全世界興収5億7千万ドル以上という大記録を打ち立てた2015年の大ヒット映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』。その第2章『フィフティ・シェイズ・ダーカー』が、ついに今年6月、日本公開!公開前からその期待の大きさは凄まじく、本作の予告編はあの『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を抜き、24時間で1億1400万回という驚異の再生回数を記録した!そして、日本に先立ち今年2月に世界各国で公開されると、なんと全世界51カ国で初登場第1位のメガヒット!よりゴージャスに、よりドラマティックに[深化]を遂げたストーリーと映像世界は、前作をはるかに凌ぐ勢いで世界中で熱狂を生み出している。6月、『フィフティ・シェイズ・ダーカー』が、あなたの“本能の扉”を開く!
恋愛未経験の純粋な女性・アナと、大企業のCEOである 大富豪・グレイ。二人は強く惹かれあい、そして求めあいながらも、グレイの歪んだ愛の形をアナは受け入れきれず、彼の元を去る。やがて大学を卒業したアナは、出版社に就職し新生活を始める。一方グレイは、これまでの女性には感じることが出来なかったアナへの“愛情”に気づき、「戻ってきて欲しい」とアナにアプローチする。秘かにグレイを思い続けていたアナは喜びを感じながらも、ある思いを胸に彼女の方から<新たな条件>を要求する・・・。2人の未来に“刺激的な生活”と“幸福”が広がるかに見えた矢先、予期せぬ危機が、アナとグレイに襲いかかる。グレイを禁断の世界へと導いた女性ビジネスパートナー、亡霊のような女性ストーカー、執拗にアナに迫る狂気をはらんだ出版社の上司・・・ 彼らの目的の真意、その愛憎劇の行く末とは。そして遂に明らかとなるグレイの驚愕の過去が、2人の未来を壊すかのように付きまとう・・・。アナが下す、人生で最も重大な決断とは?
前作よりもストーリーが格段に面白くなっている。「物語は“深化”する」とのキャッチコピーであったが、正直前作はいささか浅かったのかもしれない。一作目では主人公の男性グレイの闇の部分がほとんど描かれていなかった。彼が本来の自分らしさを表した瞬間にヒロインから一方的に別れを突きつけられる、酷なラストでもあった。
一作目では彼の性的な趣味が常軌を逸するかのようなイメージを持たれがちだが、彼のあり方は初めから一貫して真摯だと感じていた。彼は自分が他人と違っていることを自覚しながら、最初から相手にその性嗜好をこと細かく伝えている。
普通はできないことではないだろうか。自分のすべての性的嗜好をパートナーに開示するか?少なくとも、私はしない。自分だけの秘密にしておいても良い領域だし、拒絶されることへの怖れがある。すべてを明かさなくても関係は続けてゆけるだろう。その点で彼はどこまでも自身の闇に正直で、自分の真実を明かそうとする勇者でもある。私自身は女性ながら、男性側のグレイへ感情移入してしまっていた。
そして本作品、こちらは前作よりもさらに、ラブストーリーの要素が強くなっている。
前作で「恋愛はしない」と言い張っていた大企業のCEO、ここはお約束の展開かもしれないが、今回はさらに健気さが際立っている。強引で独善的、なにかと財力をふりかざす誰にも心を開かないはずだった男性が、初めて恋をした相手に夢中になる様子は、世の女性の心をくすぐるのかもしれない。
前回は互いが自分流を押し付け合うようなきらいがあったが、今回は二人が互いに歩み寄っているのも見どころで、主人公たちの絆の深まりも感じられた。
セクシュアルなシーンはR18指定なだけに普通よりちょっと多い気もするが、それほどいやらしいという印象もなかった。まあお楽しみ的な要素でもあり、前回よりも二人の親密さが深まっていることがアピールされている。
今回はサスペンス的要素も色濃く、全体を通して不穏な空気が漂っていてストーリーに惹きつけられる。私としては、グレイの闇の部分に最も興味を惹かれ、本作でも描かれ方はまだ物足りないほどだった。三部作とのことなので、次回が最終回となるのだろうか。描かれ尽くしていない過去の闇が露わになることを期待しつつ三作目を待つつもりだ。
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出演:ダコタ・ジョンソン/ジェイミー・ドーナン/リタ・オラ/キム・ベイシンガー/マーシャ・ゲイ・ハーデン
監督:ジェームズ・フォーリ-
脚本:ナイアル・レオナルド
原作:E L ジェイムズ「フィフティ・シェイズ・ダーカー」(早川書房刊)
映倫区分:R18+
上映時間:118分
配給:東宝東和
オフィシャルサイト
©Universal Studios.