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憎しみに満ちた8人の密室ミステリー「ヘイトフル・エイト」作品レビュー

『イングロリアス・バスターズ』『ジャンゴ 繋がれざる者』などで映画愛に満ちたバイオレンス・アクションの世界を究め、アカデミー賞®、カンヌ国際映画祭パルム・ドールなど数々の栄冠を奪取してきたクエンティン・タランティーノ監督が、初の密室ミステリーを完成させた!

 

舞台は山の上のロッジ、登場人物はワケありの7人の男と1人の女。人種も境遇もバラバラの8人、わかっているのは全員が嘘をついているということだけ。

 

犯人は? 動機は?8人の本当の関係とは? 実はオープニングから、すべての会話と視線、何気ない身振りに、巧妙かつ緻密な伏線が仕掛けられている。タランティーノ印のブラックな笑いと過剰なアクション満載の謎解きに挑め!

作品レビュー

 

R-18指定で過激な流血シーンが多いのでタランティーノの映画嫌いじゃない!という方にオススメの映画。2時間48分と長めの本作は、アメリカ・ワイオミング州を舞台にした密室西部劇だ。

吹雪によって先に進めなくなり、山の上のロッジで立ち往生することになった賞金稼ぎ、保安官、囚人と、ワケありで、嘘つきな7人の男と1人の女が登場する。

偶然集まったはずの8人の過去がつながり、そこで巻き起こる殺人事件という憎しみに満ちた8人の、サスペンスミステリーで猛吹雪のロッジの中の殺人事件、最後まで生き残るのは一体誰なのか?

ロッジの中の密室劇なので、人間関係ありきの物語はほとんど会話で進んでいくが、テンポが早い上に次から次へと驚くような事件が起こり、時々目を背けたくなる凄惨なシーンがあり…

アメリカ南北戦争の後の時代背景のため、黒人差別が色濃く「ニガー」という差別用語の連発は、タランティーノらしい演出。またタランティーノ本人が本作のナレーションをしている。

キャストはサミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ティム・ロスとクセのある俳優陣の競演が見もので、密室での掛け合いは、お芝居を観ているような錯覚に陥る。

70 mmフィルムで撮影し、奥行きのある西部劇ならではの映像が楽しめ、劇中音楽は西部劇や映画音楽の重鎮である、エンニオ・モリコーネ氏。こちらは、ゴールデンクローブ賞の作曲賞を受賞しており、せまり来る音楽と映像で手に汗握り、3時間近い上映時間は短く感じた。

監督・脚本 クエンティン・タランティーノ
キャスト サミュエル・L・ジャクソン/カート・ラッセル/ジェニファー・ジェイソン・リー/ウォルトン・ゴギンス/デミアン・ビチル/ティム・ロス/マイケル・マドセン/ブルース・ダーン

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投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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