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【恋妻家宮本】阿部寛&天海祐希 あらすじ 感想

  • 2016年12月25日

 

その夫婦は、離婚届から始まった―。

若者の恋愛を描いた作品が巷に溢れる昨今。妻を愛し続ける愛妻家ではなく、妻に恋をする“恋妻家”という造語を作って大人の夫婦の物語を描いたのは、気鋭の脚本家・遊川和彦。驚異の高視聴率を獲得した「家政婦のミタ」(11年)をはじめ、「女王の教室」(05年)、「○○妻」(15年)、「偽装の夫婦」(15年)、「はじめまして、愛しています。」(16年)等々。数々の話題作を世に放ち続ける遊川和彦が満を持して映画『恋妻家宮本』で、自らの脚本で映画監督デビュー。

物語は、様々な家族を描き続けてきた人気作家・重松清の「ファミレス」を原作に、遊川流の大胆な脚色を加えたもの。またしても斬新な視点で家族の物語を紡いだ遊川和彦の映画初監督作品には超豪華キャスト陣が集結。宮本家の夫・陽平を阿部寛、その妻・美代子を天海祐希。本作で初の夫婦役を演じる。他にも、菅野美穂、相武紗季、工藤阿須加、早見あかり、奥貫薫、佐藤二朗、富司純子といった実力派俳優が脇を固める。そして、吉田拓郎の名曲「今日までそして明日から」が劇中歌としてだけではなく、本作の心温まるエンディングを彩る楽曲として使用されている。

 

早くも話題の本作は、第40回モントリオール世界映画祭で新人監督作品がノミネートされる「First Films World Competition」部門に出品。2016年9月にモントリオールで開催されたワールドプレミアでは、コミカルなシーンでは大きな笑い声に包まれ、心温まるシーンではすすり泣く声が聞こえるといった、常に観客の反応が絶えない賑やかな上映となった。

さらに、本作を鑑賞した重松清も「原作者というより、いまを生きる迷えるオヤジの一人として、本作を観て、たくさん笑って、最後にじんわりと泣きました」と絶賛のコメントを寄せている。

子供が巣立ち、2人きりとなった宮本夫婦。
ある日、夫は妻が隠していた離婚届を見つけてしまう。
そこから始まる、可笑しくも愛おしい夫婦の物語とは―――。

 

ストーリー

宮本陽平(阿部寛)と美代子(天海祐希)は、学生時代に合コンで知り合い、卒業と同時に、できちゃった婚。そして、ごく平穏な結婚生活27年を経て、子供の独立の時を迎えていた。夫と妻から、父親と母親という風に形を変えた夫婦生活。理想の夫ではないにしても、浮気もせず、教師としてまじめに働き、きちんと給料を入れる、そんな自分に何の問題もないと、陽平は思っていた。
ところが、息子夫婦が福島へ転勤で旅立った日、久々27年振りの二人きりの生活に戸惑い、ふたりとも、ついつい飲みすぎてしまい、妻は飲みつぶれてしまう。そんな夜、陽平は、妻の記入欄がすべて書き込まれて捺印された離婚届を本棚で発見する。順風に思えた夫婦生活、美代子はいったい何を考えているのか?陽平は激しく動揺する。かといって、妻に問いただす勇気もない。悶々とする陽平の生活が始まった。耐えられずに陽平は趣味の料理教室仲間に相談するも妻の浮気を示唆されて余計に不安を募らせる。
これまでの人生を、常に何が正しいかを考えながら生きてきた陽平。教師として学校でふれあう生徒とその家族、趣味で通う料理学校で垣間見るよその夫婦の姿、そこには、さまざまな夫婦そして家族の形がある。正しいことって、何だろうか。陽平の惑いは深まるばかり。
そんな時、美代子が家を飛び出してしまう。美代子の真意とは…。そして、陽平の選んだ道とは…。

 

感想レビュー

言ってくれなきゃわからないのが女です。
子育てが一段落、旦那が退職など、いままでのルーティンがなくなった妻は、自分の存在価値を考えた。
これでやっと自分の時間が増えると考えるか、もう私は必要ないのかもしれないと思い込むのか。仲良しで、めんどくさい部分も見て見ぬふりできた数十年間。

あの頃の二人、あの時の二人、そして今の二人。
もうお互いをわかりきっているからこそ、気がつかないことがある。そして、気がついたときには手遅れな場合も多い。
この映画、熟年離婚だけでなく恋人同士の危機をも回避することができるかもしれない。

妻が書いた離婚届で妄想が無限大に広がっている陽平。お料理教室で出会う、状況が正反対の二人の女性。浮き沈みする陽平の心に土足でガツガツ入ってくる。
さらに陽平が勤務する小学校の生徒たちは、大人が気がつきにくい繊細な心の奥の気持ちをストレートに訴えかけてくる。子供の純粋な瞳が語りかける本心を垣間見ることができた。

作品には様々なジャンルの魅力がある。料理、本、歌。
特にお料理は、ファミレス、お料理教室、家庭料理と美味しそうなシーンが多く、陽平が作る簡単な男めしに挑戦したくなった。

熟年離婚は妻から切り出す方が多いと思っていたが、近年夫から離婚を切り出す方が急増しているようだ。
観たあと、あの頃のあったかい気持ちと今だから笑える思い出話に花がさきそうな作品です。

愛妻家ではなく恋妻家私はなんだかこっちの方が優しく温かく感じます。


【キャスト・スタッフ】

阿部寛 天海祐希
菅野美穂 相武紗季 工藤阿須加 早見あかり
奥貫薫 佐藤二朗 /富司純子
入江甚儀 佐津川愛美 浦上晟周 紺野彩夏
豊嶋花 渡辺真起子 関戸将志 柳ゆり菜

監督・脚本:遊川和彦
原作:重松清「ファミレス」上下(角川文庫刊)
音楽:平井真美子

 

公式サイト http://www.koisaika.jp/

(C)2017『恋妻家宮本』製作委員会

投稿者プロフィール

Kieko
「E.T.」を観て、自転車は爆走すると空を飛ぶと信じ、「グーニーズ」を観て、海には大冒険が待っていると信じていました。そんな私が今注目しているのはインド映画界ボリウッド。踊って歌って笑ってる・・・だけじゃない魅力もあるんです♪
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