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森田剛主演 『ヒメアノ~ル』 鑑賞後の感想

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めんどくさいから殺していい?『ヒメアノ~ル』 5月28日(土)公開

あらすじ

地方から上京し、ビルの清掃会社でパートタイマーとして働く25歳のフリーター・岡田(濱田岳)。変化のない毎日と孤独に対して、不安と不満を抱いている彼はある日、同僚のさえない先輩・安藤(ムロツヨシ)の口から「俺は毎日……恋をしている」という言葉を聞く。だが、彼は一回りも年下のカフェ店員・ユカちゃん(佐津川愛美)に思いを寄せているだけ。そんな安藤が恋するユカちゃんをじっと見つめる一人の男がいた。岡田と同じ高校の同級生だった森田(森田剛)だった。偶然の再会で、高校時代とは別人の雰囲気を醸し出す彼と連絡先を交換する岡田だが、ユカちゃんから、彼が店に現れはじめてから彼女の身の回りで妙な出来事が起こり始めたことを知らされ、不穏な気持ちを抱きはじめる。かつて高校時代に過酷ないじめを受けていた森田は、ある事件をきっかけに、無感情のまま無抵抗の相手を次々と殺していく殺人鬼となっていたのだ。

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あまりに過激な内容から、実写化は不可能と言われてきた原作の映像化に挑んだのは、人間を殺すことに何の感情も抱かないサイコパス森田。演じるのは、昨年デビュー20周年を迎えた、V6の森田剛。蜷川幸雄、宮本亜門、行定勲など、錚々たる演出家の舞台作品で座長を務め、絶賛されてきた彼が満を持しての映画初主演する。狂気に満ちた殺人鬼という難役で観る者を圧倒させることだろう。

また、森田との再会によって事件に巻き込まれる岡田には実力派の濱田岳。コミカルな部分を遺憾なく発揮してくれるのはムロツヨシだ。

試写を観ての感想

前半のストーリーはなんの変哲もないちょっとクスッと笑える岡田主役の日常ラブコメディ。ヘンテコな先輩安藤に連れられて来たカフェの店員ユカちゃんに告白されて、人生初の彼女ができて浮かれる岡田。そんな日常の裏で進行するバイオレンスな森田主役の本編が始まるというジェットコースターのような展開だ。

原作とはひと味違った森田の殺人衝動は、まさに無感情といったもので、手当たり次第に殺しては当てもなくフラフラ。でも一番の目的はユカちゃんを殺すこと。まったく共感できない森田の行動は狂気でしかなく、人の命をなんとも思っていない森田はサイコパスそのもの。

セクシャルなシーンや、ショッキングすぎて思わず目を背けたくなるシーンも多いのだが、クライマックスは何故だかボロボロと泣いてしまった。終わってからも最後の台詞が耳から離れないほど、心の奥底に深く傷を付けられた気持ちになった。

また、森田の高校時代の過激な虐めは見ていて辛かったが、もしかしたら現実にあり得るのかもしれないと思わされてしまうくらいリアリティのあるもので、現代社会に一石を投じるような社会風刺的な部分も感じた。

日常と狂気が交差するセンセーショナルな話題作、ヒメアノ〜ルは5月28日公開。

※V6のFC会員なので、全く関係はないと知りつつも登場人物の名前にいちいちビクビクしてしまった。

 

 

評価 ★+10

(c)2016「ヒメアノ~ル」製作委員会

キャスト 

  • 森田剛 濱田岳 佐津川愛美 ムロツヨシ
  • 原作 古谷実「ヒメアノ~ル」(ヤングマガジンKC 所載)
  • 第18回 イタリア ウーディネ・ファーイースト映画祭 出品作品

道内公開劇場

  • 札幌シネマフロンティア
  • ディノスシネマズ札幌劇場
  • イオンシネマ旭川駅前
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