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『マインクラフト/ザ・ムービー』4/25公開 作品レビュー

作品紹介

世界中で大人気のゲームがまさかの実写映画化!驚異のクオリティでマイクラワールドを完全再現。 ハリウッドが大枚はたいてガチで描く“異世界転送ファンタジー”超大作! 2025年GW、前人未到・未曽有のマイクラ世界転送体験!映画館でLET‘Sプレイ!!

ストーリー

謎のキューブの力で、すべてが四角形でできた異世界に転送されてしまった非リア充な4人。ギャレット、ナタリー&ヘンリー姉弟、ドーン。そこはイメージしたものを何でも創り出せる不思議な世界だった。先住転送民のスティーブが現れて色々教えてくれるなか、四角いモンスター達が次々と迫り来る!あなたは創造力(ルビ:クリエイティブ)を駆使してマイクラ世界をサバイバルできるのか!

作品レビュー

『マインクラフト/ザ・ムービー』は、マイクラの世界観はかなり忠実に再現されているようだが、私はゲームを一度もプレイしたことがないため、正直あまりよくわからなかった。ただ、マインクラフトが好きな家族に聞いたところ、ビジュアルや設定は非常に再現度が高く、プレイヤーから見ても納得の仕上がりだったようだ。

注目すべきは、やはりキャスト陣の存在感である。ジャック・ブラックは主人公として登場するが、見た目の印象はあくまで親しみやすく、いわゆるヒーロー像とは距離がある。しかし、彼の強みはむしろそこにあり、演技力と歌唱力の確かさによって、独特の説得力を生み出していた。

共演のジェイソン・モモアも意外な一面を見せている。これまでアクション映画で知られてきた彼だが、本作では力強さよりも軽妙さを重視した演技が印象的だった。シリアスに偏ることなく、コメディ寄りの役柄を自然にこなしており、作品全体のトーンともよく調和している。

映像面では、ゲームと現実の境界を巧みにぼかすような構成となっている。すべてがブロックで構成された世界は一見すると不自然にも思えるが、映画としてのスケール感やテンポの良さと組み合わさることで、独特の没入感が生まれていた。マイクラの経験がなくても、この世界観そのものが一つの魅力として立ち上がってくる。

全体のテンポは軽快で、物語の進行もシンプルだ。随所に挟まれるユーモアは、作品の持つ軽さを引き立てている。ただし、その笑いの感覚にはややクセがあり、日本の観客にはとっつきにくいと感じられる部分もあるかもしれない。ブラックジョークの場面では、文化的なギャップも少なからず見受けられた。

物語の構造としては、感情の揺さぶりよりもビジュアルの面白さに重きが置かれているように感じた。ドラマ性を求めると物足りなさはあるかもしれないが、逆に言えば、構えずに楽しめるエンターテインメントとして成立している。

本作は、ゲームを知らない観客にとっては一部わかりにくい箇所もあるが、それでも十分に視覚的な魅力や俳優たちのパフォーマンスによって楽しめる内容になっている。公開後、どのように観客に受け入れられるかは未知数だが、少なくともゴールデンウィークの一本として、家族層やゲームファンを意識した娯楽作品としての役割は果たしうるだろう。

『マインクラフト/ザ・ムービー』


監督:ジャレッド・ヘス(『ナポレオン・ダイナマイト』『ナチョ・リブレ 覆面の神様』)
キャスト: ジェイソン・モモア、ジャック・ブラック、エマ・マイヤーズ、ダニエル・ブルックス、ジェニファー・クーリッジ、セバスチャン・ハンセン
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配給: ワーナー・ブラザース映画 
公式サイト

投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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