全世界で6,500万人以上の観客を魅了し、100以上の演劇賞・音楽賞を受賞、約60億ドルの興行収入を上げ、舞台で最も愛される傑作のひとつとして今も記録を更新し続けている「ウィキッド」が、圧倒的な世界観と驚異の映像美で生まれ変わる。
主演に名を連ねるのは、トニー賞、エミー賞、グラミー賞など名誉ある数々の賞を手にし、圧倒的な表現力を誇る実力派俳優シンシア・エリヴォと、唯一無二の歌声をもつ世界的スーパースターのアリアナ・グランデ。名匠ジョン・M・チュウ(『クレイジー・リッチ!』『イン・ザ・ハイツ』)が監督を務め、製作陣にはマーク・プラット(『ラ・ラ・ランド』『リトル・マーメイド』)、デイヴィッド・ストーン、製作総指揮のスティーヴン・シュワルツをはじめ、脚本も手掛けるウィニー・ホルツマンなど、映画・舞台の垣根を超えた超一流キャスト・スタッフが集結した。
名作小説「オズの魔法使い」で少女ドロシーがオズの国に迷い込むずっと前に遡り、この国で最も嫌われた“悪い魔女”と最も愛された“善い魔女”の過去をふたりの視点から描いた物語「ウィキッド」。感動と興奮に満ちたエンターテインメント超大作でありながら、私たちが持つ物事の見え方を一変させ、今を生きるあらゆる世代の心に、深く残る作品に仕上がっている。
魔法と幻想の国オズにある<シズ大学>で出会ったふたり― 誰よりも優しく聡明でありながら家族や周囲から疎まれ孤独なエルファバと、誰よりも愛され特別であることを望むみんなの人気者グリンダは、大学の寮で偶然ルームメイトに。見た目も性格も、そして魔法の才能もまるで異なるふたりは反発し合うが、互いの本当の姿を知っていくにつれかけがえのない友情を築いていく。
ある日、誰もが憧れる偉大なオズの魔法使いに特別な力を見出されたエルファバは、グリンダとともに彼が司るエメラルドシティへ旅立ち、そこでオズに隠され続けていた“ある秘密”を知る。それは、世界を、そしてふたりの運命を永遠に変えてしまうものだった…。
子供の頃から何度も観た『オズの魔法使い』に関連するこの作品。実は本作は『オズの魔法使い』の前日譚にあたり、ドロシーがオズの国にやって来る前の世界を描いている。緑の魔女=悪い魔女という固定観念や、ルッキズムに関する差別の問題を背景にしながら、グリンダとエルファバの関係性が次第に変化していく様子が、美しい友情の物語としても評価できる。
しかし、見た目が緑色だから損をするエルファバと、美しいから得をするグリンダという対比が、私たちの社会にある矛盾や排除の構造を浮かび上がらせる。そんなテーマを織り交ぜながら、物語は進んでいく。
特に注目したいのは、なぜエルファバが悪い魔女と呼ばれるようになるのか。その過程も見どころだが、これは『ウィキッド Part 2』で描かれるため、ここではネタバレを控える。物語の後半では、『オズの魔法使い』の物語と一部重なる展開も予想されるため、原作ファンにとっても興味深い作品となるだろう。
さらに注目すべきは、二人のシンガーによる素晴らしい歌と踊り。やはりミュージカル作品だけあって、彼女たちの圧倒的な歌声とダンスは、観る者の胸を打つ。特にクライマックスの楽曲「Defying Gravity」のシーンでは、エルファバ役のシンシア・エリヴォの力強い歌声と、グリンダ役のアリアナ・グランデの美しい高音が響き渡り、映画館全体が感動に包まれる。
上映時間は161分と長めだが、視覚と聴覚を存分に楽しませてくれる作品に仕上がっている。900万本の本物のチューリップを使用したセットや、オズの街並みを再現した壮大な美術も見どころのひとつ。ミュージカルの持つエネルギーと、映画ならではのスケール感が融合し、春休みに観るのにぴったりの作品だ。
キャスト:シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ
ジョナサン・ベイリー、イーサン・スレイター、ボーウェン・ヤン
ピーター・ディンクレイジ、ミシェル・ヨー 、ジェフ・ゴールドブラム
監督:ジョン・M・チュウ『クレイジー・リッチ!』 『イン・ザ・ハイツ』
製作:マーク・プラット『ラ・ラ・ランド』 『リトル・マーメイド』 デイヴィッド・ストーン
脚本:ウィニー・ホルツマン
配給:東宝東和
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