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『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』 作品レビュー

作品紹介

イギリスでNo.1の大ヒット!
<本屋大賞第2位の傑作小説×アカデミー賞俳優>

手紙を出す代わりに、彼は手ぶらで歩き始める―。
まさかの一歩が人生を変える、驚きと涙の感動作!

本国イギリスでは初登場新作No.1の大ヒットを記録。原作は世界36ヵ国で刊行され、英国文学最高の賞であるマン・ブッカー賞にノミネート、日本では2014年本屋大賞翻訳小説部門第2位に輝いた傑作小説。主人公のハロルド・フライを演じるのは、『アイリス』でアカデミー賞とゴールデングローブ賞助演男優賞に輝いたジム・ブロードベント。

夫の行動によって自身も変化していく妻のモーリーンを「ダウントン・アビー」シリーズのペネロープ・ウィルトンが演じ、イギリスを代表する名俳優による演技が光る。
イギリスを縦断する800キロの旅。手紙では伝わらない“ある想い”を胸に、ハロルドは手ぶらで歩き出す。彼を包み込むように広がるのは、息を吞むような美しい大自然や街並み。誰かのために一歩を踏み出すことで、人生がもたらす哀しみ、驚き、喜び、そして愛を再発見する感動作!

ストーリー

定年退職し、妻のモーリーンと平凡な生活を送るハロルド・フライ。ある日北の果てから思いがけない手紙が届く。差出人はかつてビール工場で一緒に働いていた同僚のクイーニーがホスピスに入院中で、彼女の命はもうすぐ尽きるという。

ハロルドは返事を出そうと家を出るが、途中で心を変える。彼にはクイーニーにどうしても会って伝えたい“ある想い”があった。ホスピスに電話をかけたハロルドは「私が歩く限りは、生き続けてくれ」と伝言し、手ぶらのまま歩き始める。歩き続けることに、余命わずかなクイーニーの命を救う願いをかけるハロルド。
目的地までは800キロ。彼の無謀な試みはやがて大きな話題となり、イギリス中に応援される縦断の旅になるが―!?

作品レビュー

映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』は、一見平凡な老年男性がイギリスを徒歩で横断するという穏やかなロードムービーの形式をとりながらも、その内面には深い贖罪と自己再発見の巡礼の物語が織り込まれている。

ジム・ブロードベントとペネロープ・ウィルトンというイギリスの名優が、定年後の平凡な生活を送る夫婦、ハロルドとモーリーンを見事に演じている。

ハロルドは、かつての同僚クイーニーからの手紙を受け取り、彼女がホスピスで余命わずかであることを知る。手紙を出しに行った彼は、突然の衝動に駆られ、手紙を出さずに徒歩で800キロ先のホスピスまで行くことを決意する。

旅の途中、革靴での過酷な歩行により足は痛み、体はボロボロになる。しかし、道中で出会う人々の助けや親切心がハロルドの旅を支える。

老人がイギリスの片田舎をひたすら徒歩で横断するという、一見非現実的なストーリーだが、美しい町並みや出会う人々の温かさが、ハロルドの旅を感動的なものにしている。彼が出会う人々との会話は微笑ましく、観る者を引き込む。

この映画は単なる旅の物語以上に、人生の意味や人とのつながりの重要性を描いている。観客に対して「人生における小さな一歩と行動力がどれだけ大きな変化をもたらすか」というメッセージを強く伝えている。

ハロルドの贖罪と再生のテーマは、心に深く刺さり、心温まるストーリーと強いメッセージ性を持っている。過去の後悔や贖罪の念を抱える人々にとって、この映画は特別な意味を持つに違いない。

『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』


原題・英題 :The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry
監督 :へティ・マクドナルド
出演 :ジム・ブロードベント、ペネロープ・ウィルトン
2022年|イギリス|英語|108分|ビスタ|カラー|5.1ch|
配給:松竹 
公式サイト
公式youtube
© Pilgrimage Films Limited and The British Film Institute 2022

投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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