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シリーズ3作目『キングダム 運命の炎』 作品レビュー

作品紹介

大いなる夢を、新しい時代を、その手で掴め――。
熱い「キングダムの夏」が再びやってくる!

時は紀元前、中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年・しんと、中華統一を目指す若き王・嬴政えいせいを壮大なスケールで描く漫画「キングダム」(原泰久/集英社)。2006年1月より「週刊ヤングジャンプ」にて連載を開始し、今では66巻まで刊行され累計発行部数は9200万部(2022年12月時点)を記録するも、その壮大なスケールから長らく映像化は不可能と言われてきた。そんな中、2019年に遂に夢が現実のものとなった――。邦画史上でも類を見ない大規模なプロジェクトとして、この原作の映画化に挑戦した映画『キングダム』は、公開されるや興行収入はその年に公開された実写邦画作品の中で1位を獲得。映画館のスクリーンを通して数多くの熱いファンを生み出しました。3年後には待望の続編『キングダム2 遥かなる大地へ』が公開され、前作を超える圧倒的な映像体験で数多くの驚きをもたらして再び大ヒットを記録。興行収入はまたもやその年の邦画実写作品の中で1位を記録し、シリーズ累計では早くも100億円を突破! また映画のヒットだけではなく、更なる高みを目指して挑戦し続けたキャストとスタッフに数多くの映画賞をもたらすなど、名実ともに日本映画界に大きいインパクトを残してきた。

そしてこの度、シリーズ3作目となる最新作が公開! タイトルは『キングダム 運命の炎』。この規模の超大作としては異例となる2年連続での公開となり、前作で映画館に駆けつけたファンの盛り上がりはそのままに、再びあの熱い夏がやってきます。待望の最新作で描かれるのは「馬陽ばようの戦い」と「紫夏しか編」。これまでのシリーズ同様に原作者の原泰久が脚本に参加し<キングダムの魂>ともいえる「何故、中華統一を目指すのか」というテーマに挑戦します。亡き友と誓った夢に向かって突き進む「しん」。中華統一に挑む覚悟を問われる「嬴政えいせい」。そして何かに導かれるようにして戦地へ舞い戻ってきた「王騎おうき」。それぞれの運命が交わる時、まだ見ぬ未来をかけた戦いが始まる。

ストーリー

500年にわたり、七つの国が争い続ける中国春秋戦国時代。

戦災孤児として育った信(しん)(山崎賢人)は、亡き親友と瓜二つの秦の国王・嬴(えい)政(せい)(吉沢亮)と出会う。

運命に導かれるように若き王と共に中華統一を目指すことになった信は、仲間とともに「天下の大将軍になる」という夢に向けて突き進んでいた。

そんな彼らを更なる脅威が襲う。秦国に積年の恨みを抱く隣国・趙の大軍勢が、突如、秦への侵攻を開始。

残忍な趙軍に対抗すべく、嬴政は、長らく戦から離れていた伝説の王騎(おうき)(大沢たかお)を総大将に任命する。
決戦の地は馬陽。これは奇しくも王騎にとって因縁の地だった…。

出撃を前に、王騎から戦いへの覚悟を問われた嬴政が明かしたのは、かつて趙の人質として深い闇の中にいた自分に、光をもたらしてくれた恩人・紫夏(しか)(杏)との記憶。

その壮絶な過去を知り、信は想いを新たに戦地に向かう。
100人の兵士を率いる隊長になった信に、王騎は『飛信隊』という名を授け、彼らに2万の軍勢を率いる敵将を討てという無謀な特殊任務を言い渡す。

失敗は許されない。
秦国滅亡の危機を救うため、立ち上がれ飛信隊!
運命に導かれ、時は来た。キングダム史上最大の戦いがいま始まる―

作品レビュー

前作からおよそ1年後に満を持しての3作目!これは有難い!!

本作は壮大なスケールはそのままに、より深く個々の内情に寄り添って描かれている。

前回、あまりの豪華キャストてんこ盛りで先行き不安になったが、各人の個性が確立されているせいか観ていて全く疲れないのがキングダムである。情報量過多だが不思議と見やすいし頭の中でバグることもない。

アクションシーンは前作に比べると抑え気味だが、山崎賢人をはじめとする演者達が織りなす殺陣の技量とスピード感で十分満足できる仕上がりとなっている。

何より前回と前々回同様にテンポの良さがキングダムの肝といえるだろう。

そしてサブタイトルである「運命の炎」にあるとおり、まさに「運命」がテーマの本作。

前作で出番が少なかった吉沢亮演じる「えい政」の過去に遡る。

そこで、えい政が中華統一を目指す若き王に君臨するまでの過程で欠かせない人物として杏演じる紫夏が登場する。紫夏との会話シーンは美しくもあり、貴重な癒しでもあるが、えい政が苦悩していたそれまでの迷いや葛藤を追い払う大きなきっかけであり、運命を受け入れ決断する大事なシーンと言えるだろう。

そしてもう一人、運命を背負う決断を下した人物がいる。大沢たかお演じる王騎である。

今回は特に中心人物として描かれており、存在感抜群である。

前作に引き続き、あの両腕はどうやったらあそこまでの筋肉が付くのだろうかと目を見張るものがあった。軽く女性の3倍ほどありそうだ。

良い意味での薄気味悪さ、決して声を荒げることはないが揺るぎない脅威を感じさせてくれる。

そしてラストでは次回作に期待を寄せずにはいられない更なる重要人物が現れ、今すぐ続きが見たい衝動に駆られるだろう。

原作を読んでる人も読んでない人も

全軍、前進!!!!!

『キングダム 運命の炎』


山﨑賢人
吉沢亮 / 橋本環奈 / 清野菜名
満島真之介 / 岡山天音 / 三浦貴大
杏 / 山田裕貴
髙嶋政宏 / 要潤 / 加藤雅也 / 高橋光臣 / 平山祐介
片岡愛之助 / 山本耕史 / 長澤まさみ
玉木宏 / 佐藤浩市
大沢たかお
原作:原 泰久「キングダム」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)

監督:佐藤信介
脚本:黒岩勉 / 原泰久
音楽:やまだ豊
製作:映画「キングダム」製作委員会
配給:東宝 / ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
上映時間 : 130分
公式サイト
©原泰久/集英社 ©2023映画「キングダム」製作委員会

投稿者プロフィール

坂本早苗
札幌市内で働くOL。
ストレス発散はテニスで体を動かすことと大好きなパンを求め全国のパン屋さんの情報収集。着る服は骨格診断を意識しています。
映画は年齢と共にミニシアター系が好みに。
沢山の映画と出会い、観て聴いて考えてお気に入りを探していきたいです。
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