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坂口健太郎主演『サイド バイ サイド 隣にいる人』 作品レビュー

作品紹介

『サイド バイ サイド』=隣同士で/一緒にという題名を冠された本作は、リアルとファンタジーが混在する「マジックリアリズム」が息づく物語。

『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)をはじめ、行定勲と数々の作品を作り出してきた伊藤ちひろがオリジナル脚本を書き下ろし、監督も務めた。美術・装飾スタッフ出身である伊藤監督の感性が光る詩的な映像世界の主人公を演じるのは、坂口健太郎。不思議な力を持ち、傷ついた人を癒す青年・未山を、柔らかな雰囲気で魅せる。

更に、かつて起きたある事件がきっかけで、未山の前から姿を消していた元恋人・莉子を、乃木坂46からの卒業発表後初の映画出演となる齋藤飛鳥が演じる。そのほか、未山と共に生活を共にしている看護師の恋人・詩織に市川実日子、未山の高校時代の後輩であり、ミュージシャンとして活動している草鹿に浅香航大。詩織の娘・美々(みみ)に磯村アメリといった、個性的なキャストが名を連ねる。
そこに存在しない“誰かの想い”が見える不思議な力を持ち、人々を癒す青年・未山。誰も知らなかった彼の秘密が明らかになっていくとき、思いがけないラストが訪れるー。

ストーリー

目の前に存在しない“誰かの想い”が見える青年・未山(坂口健太郎)。 その不思議な力で身体の不調に悩む人や、トラウマを抱えた人を癒やし、 周囲と寄り添いながら、恋人で看護師の詩織(市川実日子)とその娘・美々(磯村アメリ)と静かに暮らしていた。

そんな彼はある日、自らの”隣”に謎の男(浅香航大)が見え始める。 これまで体感してきたものとは異質なその想いをたどり、遠く離れた東京に行きついた未山。 ミュージシャンとして活躍していたその男は、未山に対して抱えていた特別な感情を明かし、 更には元恋人・莉子(齋藤飛鳥)との間に起きた”ある事件”の顛末を語る。

未山は彼を介し、その事件以来一度も会うことがなかった莉子と再会。 自らが“置き去りにしてきた過去”と向き合うことになる・・・。
やがて紐解かれていく、未山の秘密。 彼は一体、どこから来た何者なのかー?

作品レビュー

『サイド バイ サイド』=隣同士で/一緒に。

その時々で彼、未山の隣にいる人物が伝えたい想い。

坂口健太郎が未山役で主演を務め、不思議な能力で人々を癒す青年が自分自身の過去と向き合う姿を描いたドラマである。

恋人で看護師の詩織とその娘・美々と平穏に暮らしていた未山。

彼の隣にはある男がいた。

その男は誰なのか。謎に思いながらも物語は進んでいく。

ゆったりと流れる余白の多い物語の中で、詩織の娘・美々(磯村アメリ)との時間はキラキラとしていて美しい。

彼女は登場する人物にとって前を照らしてくれるような大切な存在だ。

未山の元恋人・莉子を乃木坂46からの卒業発表後初の映画出演となる齋藤飛鳥が、現在の恋人・詩織を市川実日子、高校時代の後輩であり、ミュージシャンとして活動している草鹿を浅香航大が演じる。

音楽好きにはKing Gnu・井口理の出演シーンも気になる所だと思うが、非常にエモーショナルな場面になっていた。

行定勲と数々の作品を作り出してきた伊藤ちひろがオリジナル脚本を書き下ろし、監督も務めた今作。

繰り返される言葉や景色、行動への考察は置いておく。

柔らかな光や美しい情景、生命の息吹を優しく切り取った映し方が独特で、周りにいる人たちとの毎日が愛おしく思える作品だった。

『サイド バイ サイド 隣にいる人』


キャスト: 坂口健太郎
齋藤飛鳥 浅香航大 磯村アメリ
茅島成美 不破万作 津田寛治 井口理(King Gnu)
市川実日子
監督・脚本・原案:伊藤ちひろ
音楽:小島裕規 “Yaffle”
主題歌:「隣」クボタカイ (ROOFTOP/WARNER MUSIC JAPAN)
配給:ハピネットファントム・スタジオ
上映時間:130分
公式ページ
©2023『サイド バイ サイド』製作委員会

投稿者プロフィール

兼平ゆきえ
兼平ゆきえ
映画・音楽・本 など 観たり聴いたり読んだりと忙しく過ごすのが好きなインドア派。恵庭発 北海道のMUSIC&ART情報サイト From E…代表。不定期で企画LIVEを開催。2018年7月から 恵庭市のコミュニティFM e-niwa にて、映画や音楽の話を中心とした番組『From E…LIFE(フロムイーライフ)』を放送開始。
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