デイミアン・チャゼル監督『バビロン』作品レビュー

作品紹介

感性を揺り動かす圧倒的映画体験!
『ラ・ラ・ランド』でアカデミー監督賞を史上最年少で受賞、いま最も映画に愛される若き天才監督デイミアン・チャゼルが、オスカー俳優ブラッド・ピット、マーゴット・ロビーほか豪華キャストを迎え、
再びハリウッドを舞台に描く夢と音楽のエンタテインメント最新作『バビロン』。豪華なファッションに、ド派手なパーティー、大スケールの映画撮影、ゴージャスでクレイジーなハリウッド黄金時代が、躍動感あるジャズのリズムに乗せて描かれる。一足早く開かれた全米マスコミ試写では賞賛の嵐が起こり、賞レースの目玉として大注目を浴びている。未来に語り継がれる新時代の名作の誕生をぜひ劇場でお確かめください。

ストーリー

1920年代ハリウッドは、すべての夢が叶う場所。サイレント映画の大スター、ジャック（ブラッド・ピット）は毎晩開かれる映画業界の豪華なパーティーの主役だ。会場では大スターを夢見る、新人女優ネリー（マーゴット・ロビー）と、映画制作を夢見る青年マニー（ディエゴ・カルバ）が、運命的な出会いを果たし、心を通わせる。恐れ知らずで奔放なネリーは、特別な輝きで周囲を魅了し、スターへの道を駆け上がっていく。マニーもまた、ジャックの助手として映画界での一歩を踏み出す。
しかし時は、サイレントからトーキーへと移り変わる激動の時代、映画界の革命は、大きな波となり、それぞれの運命を巻き込んでいく。果たして３人の夢が迎える結末は・・・？

作品レビュー

『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督最新作の舞台はハリウッド黄金時代！

主演にブラッド・ピット、マーゴット・ロビーを迎え、過激さの中にも多くのメッセージが込められた作品となっている。

オープニングの乱痴気騒ぎと躍動感あるミュージカルシーンは衝撃的である。

そこからわずか10年ほどの間に大きな変貌を遂げた当時の映画界だが、革新的な技術の発展は新時代の幕開けでありながら多くの崩壊も招いた。

そんな激動の時代を描いたこの作品は3時間をこえる大作となっているものの、サイレント映画の大スターであるジャック（ブラッド・ピット）、無名の新人女優ネリー（マーゴット・ロビー）、映画製作を夢見ているマニー（ディエゴ・ガルバ）などそれぞれの目線からこの物語を感じられる為、中弛み要素ゼロで終始スクリーンに釘付け。

特に後半は非常にスリリングで、下手なホラー映画よりも遥かにドキドキさせられた。

栄光を掴んだ者だからこそ、より強く感じる焦りや喪失感。

夢を実現させた先の人生。

メリハリの効いたストーリーをより印象強くさせたのは、煌めきの中にある儚さをも表現した音楽だったように思う。

映画製作は本当に大変で、先人たちは命懸けで作品を作りハリウッド映画の歴史を創った。

当時も、そして現在も映画を取り巻く環境は変化し続けているが、そうした中で淡々と受け継がれているものを、私たちは今こうして目にしているのだと改めて理解する。

映画が心から好きという方にこそ観て欲しい作品だ。

『バビロン』

監督・脚本：デイミアン・チャゼル　作曲：ジャスティン・ハーウィッツ
出演：ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、ディエゴ・カルバ、ジーン・スマート
ジョヴァン・アデポ、リー・ジュン・リー、トビー・マグワイア
オリヴィア・ワイルド、キャサリン・ウォーターストン、サマラ・ウィービング
全米公開： 2022年12月23日（金）
原題： BABYLON　配給：東和ピクチャーズ
上映時間: 3時間8分
公式サイト
© 2022 PARAMOUNT PICTURES

投稿者プロフィール

兼平ゆきえ: 映画・音楽・本など観たり聴いたり読んだりと忙しく過ごすのが好きなインドア派。恵庭発北海道のMUSIC&ART情報サイト From E…代表。不定期で企画LIVEを開催。2018年7月から恵庭市のコミュニティFM e-niwa にて、映画や音楽の話を中心とした番組『From E…LIFE（フロムイーライフ）』を放送開始。