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香川照之主演「宮松と山下」 作品レビュー

作品紹介

ある日は時代劇で斬られ、ある日は弓で射られ、ある日は凶弾に倒れ……
記憶喪失の男、宮松はなぜ名もない人物を毎日演じ、
毎日死に続けるのか。

宮松は端役専門のエキストラ俳優。来る日も来る日も、名もなき登場人物を生真面目に演じ、斬られ、射られ、撃たれ、画面の端に消えていく。真面目に殺され続ける宮松の生活は、派手さはないけれども慎ましく静かな日々。そんな宮松だが、実は彼には過去の記憶がなかった。

なにが好きだったのか、どこで何をしていたのか、自分が何者だったのか。
なにも思い出せない中、彼は毎日数ページだけ渡される「主人公ではない人生」を演じ続ける。ある日、宮松の元へある男が訪ねてくる……。

日本を代表する映画俳優 香川照之、単独主演作で演じるのはエキストラ!さらに、
津田寛治、尾美としのり、中越典子ら名優たちが集結!

各分野で八面六臂の活躍を続ける香川照之が、ポン・ジュノ監督作品『TOKYO!〈シェイキング東京〉』、黒沢清監督作品『トウキョウソナタ』に主演した2008年以来の単独主演作品として選んだ『宮松と山下』。常に圧倒的な存在感を見せてきた香川が本作で挑んだのは、エキストラ俳優・宮松。日替わりどころか分刻みで端役を演じる記憶を失った男を、繊細に複雑に演じ切った。

ストーリー

昨日までの自分を失ったら、何を演じたら良いのだろう。

宮松は端役専門のエキストラ俳優。ロープウェイの仕事も掛け持ちしている。
時代劇で大勢のエキストラとともに、砂埃をあげながら駆けていく宮松。
ヤクザのひとりとして銃を構える宮松。
ビアガーデンでサラリーマンの同僚と酒を酌み交わす宮松。
来る日も来る日も、斬られ、撃たれ、射られ、時に笑い、そして画面の端に消えていく。そんな宮松には過去の記憶がなかった。

ある日、谷という男が宮松を訪ねてきた。
宮松はかつてタクシー運転手をしていたらしい。
藍という12歳ほど年下の妹がいるという。
藍とその夫・健一郎との共同生活が始まる。
自分の家と思えない家にある、かつて宮松の手に触れたはずのもの。
宮松の脳裏をなにかがよぎっていく・・・。

作品レビュー

主人公を演じた香川照之。TVドラマでは激しく敵を罵り土下座を要求するイメージが強いが、本作では粛々とエキストラ俳優として生き、思い出せない過去を持つ謎の男として登場する。

死体役やエキストラの仕事を、時代劇や現代劇でユニークに映し出し、大部屋俳優の大変さを表現している。

さらに、どこからどこまでが、エキストラ俳優の撮影シーンで、どれが宮松のプライベートなのか惑わすような作りがあり、観る側が翻弄されてしまう。

やがて、宮松と山下の関係性と謎が少しずつ明かされていく…ミステリアスな宮松だが、自分のやりたいことを自由気ままに生きる主人公を見て、羨ましく感じる方がいるかもしれない。

あくせく働いて、嫌なことを生活のために仕方なくこなしたり、面倒な人間関係を構築する人生よりも、自分の好きなことだけを極め一人静かに生きるのも大切だと感じる映画だ。

「宮松と山下」

キャスト: 香川照之 津田寛治 尾美としのり 中越典子
監督・脚本・編集:監督集団「5月」gogatsu
関友太郎 平瀬謙太朗 佐藤雅彦
上映時間: 87分
公式サイト

©2022『宮松と山下』製作委員会

投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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