• 道内最大級の映画レビューサイト

横浜流星主演『線は、僕を描く』作品レビュー

作品紹介

2020年「本屋大賞」3位、2019年TBS「王様のブランチ」BOOK大賞を受賞、
全国の書店員から絶賛されている青春芸術小説「線は、僕を描く」(砥上裕將著/講談社文庫)が実写映画化!
『ちはやふる』を青春映画の金字塔に仕立て上げた小泉徳宏監督を筆頭にした製作チームが再結集し、【かるた】の次は【水墨画】に挑戦します。
主演は若手トップクラスの実力を持つ横浜流星。

「2020年 エランドール賞」新人賞受賞、「第15回ソウルドラマアワード」アジアスター賞受賞と、いま最も勢いと人気がある横浜さんは本作で【水墨画】に初挑戦!瑞々しい演技を魅せる一方で、見事な筆さばきを披露しています。
《白》と《黒》のみで描かれる【水墨画】を《色鮮やかな世界》としてまばゆいほど瑞々しく描く!「ちはやふる」を超える、王道の青春映画が誕生します

ストーリー

大学生の青山霜介はアルバイト先の絵画展設営現場で運命の出会いを果たす。
白と黒だけで表現された【水墨画】が霜介の前に色鮮やかに拡がる。
深い悲しみに包まれていた霜介の世界が、変わる。
巨匠・篠田湖山に声をかけられ【水墨画】を学び始める霜介。
【水墨画】は筆先から生み出す「線」のみで描かれる芸術。描くのは「命」。
霜介は初めての【水墨画】に戸惑いながらもその世界に魅了されていく――
水墨画との出会いで、止まっていた時間が動き出す。

作品レビュー

水墨画と聞いて思い描くのは筆を使ったボンヤリとした白黒の絵。当然描いたことも無ければ実際に原画を見たこともない。それは私だけではなく多くの人がそうなのではないだろうか。小学生で習字を習っても美術部に入っても水墨画に触れる機会はそうそう無いだろう。

そんなマイナーな世界に一石を投じ、今まさに旬なキャストを迎えた本作品。

地味なイメージが払拭させられ、先入観を削ぎ落とされることは確実だ。

水彩画や油絵と比較すると確かに色鮮やかさには欠ける。だがそのぶん誤魔化しの効かない繊細な世界がある。かと思えばダイナミックに臨場感あふれて描くシーンもあり、素人目にも十分楽しませてくれることは間違いない。

主演は10代から20代に絶大な人気を誇る横浜流星。まさにイマドキな彼が水墨画という地味な題材に煌びやかな派手さを与えてくれている。

登場から何やら憂いを帯びた影のある雰囲気をまとっているが、その原因がかなり後半にようやく明かされる。三浦友和演じる巨匠に突然見出され弟子入りというファンタジーな始まりだが、意外や熱心に取り組む姿に周りも徐々に目を向け始める。

巨匠の孫にこちらも旬な若手俳優、清原果耶。これは彼女に当て書きしたのでは?と思うほどのハマり役だった。主役はあくまで横浜流星だが彼女の成長記録でもあり、ありがちな2人の恋愛要素はほとんど無く、だが絆は間違いなく徐々に芽生えており、そこが個人的にはとても良かった。

他に江口洋介がさっぱりとした頼れる兄貴役で出演してしており随所で安心感を与えてくれ、富田靖子演じる引退した大御所も雰囲気があって楽しめるだろう。

ところで、タイトルが何故「僕は線を描く」でなく「線」が主語となっているのか。
その不自然さは観終えた頃には誰しも拭える結末となっており、納得できる清々しい作品であることを保証したい。

予告動画

『線は、僕を描く』

横浜流星
清原果耶 細田佳央太 河合優実
矢島健一 夙川アトム 井上想良/富田靖子
江口洋介/三浦友和
原作:砥上裕將『線は、僕を描く』(講談社文庫)
監督:小泉徳宏
脚本:片岡 翔 小泉徳宏
上映時間: 106分
公式サイト
©砥上裕將/講談社
©2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

投稿者プロフィール

坂本早苗
札幌市内で働くOL。
ストレス発散はテニスで体を動かすことと大好きなパンを求め全国のパン屋さんの情報収集。着る服は骨格診断を意識しています。
映画は年齢と共にミニシアター系が好みに。
沢山の映画と出会い、観て聴いて考えてお気に入りを探していきたいです。
error: Content is protected !!