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池井戸潤・原作『アキラとあきら』作品レビュー

作品紹介

「半沢直樹」「陸王」など数々のベストセラーを生み出してきた日本を代表する作家・池井戸潤。
その映像化作品はどれも大ヒットを記録し、いまや「池井戸ワールド」の勢いはとどまることを知らない。
そして、今回、傑作小説として名高い「アキラとあきら」が満を持して映画化!
対照的な宿命を背負った二人の若者、<アキラ>と<あきら>が、
【情熱】と【信念】を武器に【現実】に立ち向かう、
全世代感動の大逆転エンターテインメント!!新たな「池井戸ワールド」の誕生!最後に土下座するのは誰だ!?

ストーリー

父親の経営する町工場が倒産し、幼くして過酷な運命に翻弄されてきた山崎瑛<アキラ>。
大企業の御曹司ながら次期社長の椅子を拒絶し、血縁のしがらみに抗い続ける階堂彬<あきら>。
運命に導かれるかのごとく、日本有数のメガバンクに同期入社した二人は、お互いの信念の違いから反目し合いながらも、ライバルとしてしのぎを削っていたが、それぞれの前に<現実>という壁が立ちはだかる。

<アキラ>は自分の信念を貫いた結果、左遷され、<あきら>も目を背け続けていた階堂家の親族同士の骨肉の争いに巻き込まれていく。
そして持ち上がった階堂グループの倒産の危機を前に、<アキラ>と<あきら>の運命は再び交差するーーー
果たして、4800人の人生は救えるのか!?
絶望的な状況を前に、【アキラとあきら】の奇跡の逆転劇が始まる!!

作品レビュー

池井戸潤原作のドラマや映画が好きだ。半沢直樹のような社内政治バトルで、悪代官のような上司に土下座をさせるシーンでは胸がスッキリする。日本のサラリーマンを元気にするエンターテイメント作品として、強く支持される理由が理解る。

組織の中での権威主義と違和感に反対意見は出さず、ヒエラルキーの下部で黙認する人は実に多い。
権力のある者に逆らわないほうが得という、長い物には巻かれるタイプに嫌悪を感じる。トップが私物化した組織では機能していないに等しいのだ。

さらに組織内の同調圧力に弱いことで、結果的に損をすることは多いはずだ。自分の意思で考え、調べた上で正当な意見を言うことは現代社会では必須である。イエスマンでは無い私は、池井戸潤の作品から勇気と生きる知恵をいただいている。

本作『アキラとあきら』では、池井戸潤が得意とする銀行を舞台にした金融スリラーだ。
主人公は倒産した零細町工場の息子のアキラ(瑛)と海運会社の長男のあきら(彬)は、産業中央銀行同期入行で同僚として働くことに。

バンカーのふたりがライバルで敵対するストーリーかと思いきや、それぞれの試練に互いに協力し、宿命に立ち向かう壮大な物語である。

池井戸作品といえば、社内政治ドロドロの人間関係で、ラストで悪い上司が裁かれる小気味良い感があるが、本作はふたりの子供時代の伏線からスタートし、階堂グループの負債140億円の倒産の危機を防ぐため、コンビを組み頭脳プレーで打開していく、キレ感のある面白さがある。

半沢直樹と大和田常務の出身行「産業中央銀行」が舞台で繰り広げられるビジネス大逆転ストーリー。半沢直樹シリーズが好きな方には是非オススメしたい映画だ。

『アキラとあきら』

キャスト
竹内涼真 横浜流星
髙橋海人(King & Prince) 上白石萌歌/児嶋一哉
満島真之介 塚地武雅 宇野祥平
戸田菜穂 野間口徹 杉本哲太 酒井美紀
山寺宏一 津田寛治
徳重 聡 矢島健一 馬渕英里何 山内圭哉
山村紅葉 竹原慎二 アキラ100%
奥田瑛二 石丸幹二 ユースケ・サンタマリア
江口洋介
原作
池井戸潤『アキラとあきら』(集英社文庫刊)
監督
三木孝浩
配給
東宝
上映時間: 128分

公式サイト
©2022「アキラとあきら」製作委員会

投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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