死体、バレたら終わり『ノイズ』作品レビュー

作品紹介

＜死体、バレたら終わり＞

藤原竜也×松山ケンイチが殺人の共犯者に！
更に、神木隆之介、黒木華、永瀬正敏ら
日本のトップに立つ演技派俳優たちによる極限の新感覚サスペンス

絶対絶命！バレたら終わり！
逃げ場のないその島で、“死体”を隠しきれ！

ストーリー

絶海の孤島に突然現れた不気味な男。
誰も名を知らないその男に家族を狙われた泉圭太(藤原竜也)は、親友の田辺純(松山ケンイチ)、新米警察官の守屋真一郎(神木隆之介)と共に、誤ってその男を殺してしまう。
それは、圭太が生産した“黒イチジク”が人気となり、国からの交付金5億円が内定、過疎に苦しむ島に明るい未来が見えた矢先のことだった――。
島の未来と大切な家族を守るため、3人は死体を隠蔽することを決意する。

「この男が消えたところで、だれも追ってこない」そう思っていた矢先、予想外の事態に発展する。
なんと、その男は出所したばかりの凶悪犯(渡辺大知)で、足取りを追う刑事(永瀬正敏)らが島に大挙して押し寄せてきたのだ！
24時間体制で執拗な捜査を繰り返す県警。その包囲網が圭太たちを追い詰める…
<島の生活を守る為に死体を隠す者>と<正義の為に島の生活を踏みにじる者>との攻防が島民たちにも広がっていき、島の日常は崩れ落ち、少しずつ狂っていく…

差出人不明の不気味なメール、次々と増えていく死体、壊れていく絆…
誰が味方で敵なのかもわからない極限状態の中で、“ある人物”がとんでもない罠を仕掛けていた…

島中がパニックに陥った先に待ち受ける、驚愕のあまり観る者も正気を失うラストとはー！？このエンディングを理解する事が出来るか！？
実力派俳優の熾烈な演技合戦は、心臓が爆発するほどのヒリヒリ感を生み、圧倒的な緊迫感を生む！

一滴の“ノイズ(凶悪犯)”の出現で≪殺人の共犯≫になってしまった3人の
命懸けの死体隠しの幕が上がる――！

作品レビュー

重い。

けれど、面白い。

筒井哲也のコミックを、「デスノート」シリーズで共演した藤原竜也と松山ケンイチの主演で実写映画化したサスペンス『ノイズ』

守りたいものの為、歪んだ愛と苦しみを重ねて堕ちて行く人達を描いた作品だった。

時代に取り残され過疎化に苦しむ孤島・猪狩島。

島の青年・泉圭太（藤原竜也）が生産を始めた黒イチジクが高く評価され、地方創生推進特別交付金支給がほぼ決まったこの島は活気に溢れていた。

その金額はなんと5億円！

漁業で生計を立てていた島民たちの希望の兆しがこの黒イチジクであり、圭太を始めとする若者達である。

故郷のこの島で勤務出来る日を夢見て、そしてそれを叶えた新米警察官の守屋真一郎（神木隆之介）の凱旋も重なり明るい未来が訪れるはずだった。

ある男がやって来るまでは…

平和な島で起こった突然のアクシデント。

穏やかな日常が一変した猪狩島で、圭太と幼なじみの猟師・田辺純（松山ケンイチ）、真一郎の3人だけでなく島民達皆を巻き込み大きな事件へと発展していく様子がノンストップで描き出され息つく暇が無い。

ラストまでこの物語に引き込まれっ放しだったが、その中でも中盤の追い込みが秀逸。

余貴美子や柄本明、鶴田真由などベテラン勢の演技の熱量も相まって、彼等が織りなす壮絶なシーンが今なお瞼に焼き付いて離れない。

カサブタをどうするか、ノイズをどう排除するのか。

極限状態になった彼等が判断を誤るのを冷静に見ていたつもりが気付けばどんどんこの世界にのめり込んで行く。

揺れ動く島民達の心情も切実で、ハラハラを通り越して頭痛がしてくる程。

個人的には守屋親子に感情移入しすぎてしまい、あまりに辛くて心が折れそうだった。

原作も原作で度肝を抜く作品だが、それとは大幅に変わった構成や登場人物も多く、そこもまたこの映画の見所だと思う。

監督は「ヴァイヴレータ」の廣木隆一。

予告動画

藤原竜也　松山ケンイチ
神木隆之介　黒木華　伊藤歩　渡辺大知　酒向芳　迫田孝也
鶴田真由　菜葉菜　波岡一喜／寺島進／余貴美子
柄本明／永瀬正敏
監督：廣木隆一
脚本：片岡翔
原作：筒井哲也「ノイズ【noise】」(集英社ヤングジャンプコミックス GJ刊)
配給：ワーナー・ブラザース映画
上映時間：128分
レイティング：G
製作年2020年
公式サイト

投稿者プロフィール

兼平ゆきえ: 映画・音楽・本など観たり聴いたり読んだりと忙しく過ごすのが好きなインドア派。恵庭発北海道のMUSIC&ART情報サイト From E…代表。不定期で企画LIVEを開催。2018年7月から恵庭市のコミュニティFM e-niwa にて、映画や音楽の話を中心とした番組『From E…LIFE（フロムイーライフ）』を放送開始。