低予算ながら、全米累計興行収入が『グレイテスト・ショーマン』『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』をも超える成績を記録し、2018年全米No.1大ヒットホラーとなった『クワイエット・プレイス』。ポップコーンを食べる音さえ許されないような静寂に劇場が包まれ、呼吸の音さえ恐怖に変わる極度の緊張感が新たな映画体験だと口コミが殺到し社会現象化した前作。
待望の最新作では“何か”が出現した「始まりの日」の様子も初めて明らかとなる。父親と住む家を無くし、音に溢れた世界に足を踏み出したエヴリン一家に立ちはだかる危険は、もはや“何か”の襲撃だけでは無かった。前作を大きく上回るスケールで描かれる家族たちの物語はシチュエーションホラーを超えたサバイバルホラーへと突き進む !
出演キャストは前作同様、母親・エヴリン役を実力派女優エミリー・ブラント、自身も役柄と同じ聴覚障害を持つミリセント・シモンズと、『フォードVSフェラーリ』のノア・ジュプが娘・リーガン役と息子・マーカス役で続投。
実生活でもエミリーと夫婦で知られ、夫・リー役&監督をつとめたジョン・クラシンスキーが今作でもメガホンをとります。そして、新キャストとして、『ダンケルク』(17)のキリアン・マーフィ、『キャプテン・マーベル』(19)のジャイモン・フンスーが加わり、スケールアップした内容となっている。
荒廃した世界の果てに、何があるのか?
“音を立てたら、何かがくる”という極限の世界を生きるエヴリン一家。最愛の夫・リーと住む家をなくしたエヴリンは、産まれたばかりの赤ん坊と2人の子供たちを連れ、新たな避難場所を求めノイズと危険が溢れる外の世界へ旅立つが…。
突然、 “何か”の襲撃に遭い、廃工場へ逃げ込んだ一家は、謎の生存者エメットに遭遇する。彼との出会いを発端に、新たな謎と脅威が明らかとなり、一家の運命は激しく動き始める。
前作2018年のブロックバスター映画「クワイエット・プレイス」の続編となる本作。監督はエミリー・ブラントの夫で、前作ではエヴリンの夫・リー役の(リーは死亡)ジョン・クラシンスキーが続投。
前作は低予算作品と評判だったが、本作では映像がパワーアップし、音を立てたら襲ってくる“何か”(敵)の正体が、推測ではあるがなんとなく判るようになった。
前作のラストは、エヴリンが敵にドヤ顔でショットガンをぶっ放して終わったが、その物語には続きがあった。本作の冒頭で、音に反応する敵が来る前の平和な日常と、敵が来てから豹変した町の様子や衝撃映像が映し出され、ホラー映画のヴィジュアルと殺戮シーンに私の心拍数は上がり、音を立ててはいけない意識から呼吸は浅くなる。
エヴリンらは寝食に困り、新たな避難場所と仲間を求めて音の溢れる危険な外の世界へ家族で旅立つ。敵に怯えるストレスフルな状態下で、生存者エメットと出会うのだがー。
前作を観ていない方は、本作鑑賞前に前作の事前鑑賞が必要だ。敵と対峙しながらのサバイバル生活や、次男や夫を敵に殺された辛い出来事と本作との繋がりを知ることは重要である。
私はホラー映画が苦手のため、大抵のホラー作品はスルーするが「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」は比較的怖くない方だと思う。誰かが敵に惨殺されるかも?という恐怖シーンはハラハラするが、気色の悪さは低い。強すぎる敵に絶望的ではあるが悲壮感が少なく、上映時間は97分と短めで展開が早いのは好ましい。
そして本作の良さは家族愛のテーマである。成長し母を手助けしながら心強く行動する長女。赤ん坊を守ろうと頑張る長男、子供たちの努力に心打たれる。さらに主演エミリー・ブラントの泣きの演技にもらい泣きをし、エヴリンの応用力、判断力、サバイバル能力の高さに感服する。やはり母は強しだ!今回は誰がドヤ顔で敵と戦うか?を期待して観ていただきたい。
『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
監督・脚本・製作・出演:ジョン・クラシンスキー
製作:マイケル・ベイ、アンドリュー・フォーム、ブラッド・フラ-
出演:エミリー・ブラント、ミリセント・シモンズ、ノア・ジュプ、キリアン・マーフィ、ジャイモン・フンスー
原題: A Quiet Place: Part II
公式サイト
配給:東和ピクチャーズ
上映時間:97分(1時間37分)
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