著者ルイーザ・メイ・オルコットが、自身の家族をモチーフに書き上げた自叙伝的小説。19世紀アメリカの、マサチューセッツ州を舞台に四姉妹が自分らしくそれぞれの人生を駆け抜けて行く。
ジョーはマーチ家の個性豊かな四姉妹の次女。情熱家で、自分を曲げられないため周りとぶつかりながら、小説家を目指して執筆に励む日々。控えめで美しい姉メグを慕い、姉には女優の才能があると信じるが、メグが望むのは幸せな結婚だ。また心優しい妹ベスを我が子のように溺愛するも、彼女が立ち向かうのは、病という大きな壁。そしてジョーとケンカの絶えない妹エイミーは、彼女の信じる形で、家族の幸せを追い求めていた。
共に夢を追い、輝かしい少女時代を過ごした4人。そして大人になるにつれ向き合う現実は、時に厳しく、それぞれの物語を生み出していく。小説家になることが全てだったジョーが、幼馴染のローリーのプロポーズを断ることで、孤独の意味を知ったように─。自分らしく生きることを願う4人の選択と決意が描く、4つの物語。
世界的ベストセラーの『若草物語』を映画化。2020年アカデミー賞® <衣装デザイン賞>受賞作品。
これまでに幾度も映画やアニメ化をされているお馴染みの名作を豪華なキャストで映画化した本作は、四姉妹の少女時代と数年後の2つの時系列が交互に進んでいく構成となっている。
主人公で次女ジョー役のシアーシャ・ローナンを含めて、姉妹たちの年齢を察知しにくいため、一体どの時代なのか?と時々混乱する。時系列を常に意識して鑑賞するのがお勧めだ。
主人公で次女のジョーが、若草物語を書き上げるまでの家族のストーリー。南北戦争という不自由な時代に逞しく生きる姉妹たちが、自分らしい幸せを目指していく。
愛する人と結婚したい長女メグ。小説家になる夢を持つ次女ジョー。病と闘う三女ベス、玉の輿が目標の四女エイミー。そして戦地に行った夫を待つ母メアリー。
主要人物が全て女性となれば、姉妹喧嘩も凄まじいものがある。さらに恋する相手が同じだったりすると、姉妹でもライバル心がふつふつと芽生え騒動が巻き起こる。そんな彼女たちの日常を鮮やかに映し出す。
長女メグ役のエマ・ワトソンを筆頭に、登場する四姉妹が全員が美しい。さらに幼馴染の男子ローリー役のティモシー・シャラメが輝くほどに美しい。彼女たちの普段使いの重ね着や、社交界での衣装がゴージャスで、次女ジョーのざっくりしたゆるフワヘアが愛らしい。
異なる価値観を持った姉妹たちの自分探しの物語は、心の揺れや苦悩を細かく表現し、爽やかな初夏に相応しい大作だ。主人公ジョーの小説家としてのキャリアアップや恋愛も交えて、ラストには大きな感動が得られるだろう。
監督: グレタ・ガーウィグ
出演 :シアーシャ・ローナン、エマ・ワトソン、フローレンス・ピュー、エリザ・スカンレン、ローラ・ダーン、ティモシー・シャラメ、クリス・クーパー、メリル・ストリープ
上映時間: 135分 /2019年/アメリカ
原題 Little women
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