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湯浅政明 監督最新作!「きみと、波にのれたら」 作品レビュー

作品紹介

アヌシー国際アニメーション映画祭・クリスタル賞(グランプリ)受賞作品『夜明け告げるルーのうた』(17年)、日本アカデミー賞最優秀アニメーション賞受賞作品『夜は短し歩けよ乙女』(17年)、昨年Netflixで配信がスタートした「DEVILMAN crybaby」など数々の話題作を世に送り出し、疾走感と躍動感に溢れる自由闊達な映像表現で、日本のみならず世界を魅了してきた湯浅政明。
活躍の勢いがとどまることを知らない湯浅監督待望の最新作は、海辺の街を舞台にした、消防士の青年・港(みなと)とサーファーの大学生・ひな子との、運命的な恋を描くラブストーリー。
主題歌はGENERATI0NS が担当。本作のために書き下ろされた「Brand New Story」は物語のキーとなる曲として、作品をドラマティックに彩る。
“したたかに生きなければという世の中で、純粋な主人公を波にのせてあげたいと思った”と監督が語るこの作品は、そっとあなたの背中を押す物語。 心に響くメロディにのせ、切なくも胸が熱くなる、感動の青春ラブストーリーがこの夏誕生する。

ストーリー

小さな港町へ越してきたひな子は、サーフィンが大好きで、波の上では怖いものなしだが自分の未来については自信を持てずにいた。ある火事騒動をきっかけに、消防士の港(みなと)と偶然出会い、恋に落ちる。お互いがなくてはならない存在となった二人だが、港は溺れた人を助けようとして、海で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子。そんなある日、ひな子が二人の思い出の歌を口ずさむと、水の中に港が現れる。「ずっとひな子のこと助けるって約束したろ?」死んだはずの港と再び会えたことを喜ぶひな子だが…。奇跡がもたらした二人の恋の行方は?そして、港が再び姿を見せた本当の目的とは?

作品レビュー

全ての登場人物が愛らしくて可愛くて観る者すべてを幸せにするアニメーションである。

主人公ひな子の声優を務めるのは今まさに波に乗っている川栄李奈。

明るく元気な女の子の声が全く違和感なくマッチしており、更に活躍の場が広がったのではないかと思う。

そして不慮の事故で亡くなってしまう恋人役には片寄涼太。

この2人が一緒に歌うシーンは本当に心地良くいつまでも耳に残る。だがこれは片寄涼太から監督への提案で実現したシーンだったようで、この素晴らしいアイディアに拍手を送りたい。これがあることで、より2人のラブラブ度が観客に伝わるのではないだろうか。

そう、2人はとってもラブラブなのだ。私の年齢では見ているのが恥ずかしくなるほど。

だがそれが突然奪われてしまう。消防士らしい人助けによって。

憔悴しきったひな子だったが、思い出の歌を口ずさむことで死んだ恋人に会えることがわかる。

水の中から現れる大好きな死んだ恋人。ひな子はとっても幸せそうだが、その分とっても切ない。

興味を引いたのは恋人が亡霊や過去の中だけで登場するのではなく、はっきりとした意志を持って「今」のひな子の前に姿を表すこと。そこにお互いの愛の深さを感じた。

フレッシュで真っ直ぐな登場人物たち、耳馴染みの良い音楽、躍動感の溢れる映像が観客を魅了することは間違いない。

そして青い空に広がる海とサーフィン、キュンキュンする恋愛がこれからの季節にぴったりで、今年の夏に何かを期待せずにはいられなくなるラブストーリーである。

予告動画

「きみと、波にのれたら」札幌シネマフロンティア、ユナイテッド・シネマ札幌 他6月21日公開 

【キャスト・スタッフ】
片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、川栄李奈、松本穂香、伊藤健太郎

監督:湯浅政明
脚本:吉田玲子
音楽:大島ミチル
主題歌:「Brand New Story」GENERATIONS from EXILE TRIBE(rhythm zone)
アニメーション制作:サイエンスSARU
上映時間: 96分

公式サイト

(C)2019「きみと、波にのれたら」製作委員会

投稿者プロフィール

坂本早苗
札幌市内で働くOL。
ストレス発散はテニスで体を動かすことと大好きなパンを求め全国のパン屋さんの情報収集。着る服は骨格診断を意識しています。
映画は年齢と共にミニシアター系が好みに。
沢山の映画と出会い、観て聴いて考えてお気に入りを探していきたいです。
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