Amebaブログ【デイリー総合ランキング】1位(2015年2月15日現在)に輝き、圧倒的クオリティのキャラクター弁当がメディアでも注目を集め「kaori(ttkk)の嫌がらせのためだけのお弁当ブログ」から特に反響の大きかったお弁当と日記を抜粋して書籍化された「今日も嫌がらせ弁当」ttkk(Kaori)(三才ブックス刊)は累計20万部を越す大人気エッセイ。
本作はこの日本中をオリジナリティ溢れるキャラ弁で笑わせ、何があっても変わらない母の愛で泣かせたエッセイの待望の映画化。主演の篠原涼子が母親役を演じ、反抗期の高校生役を芳根京子が演じるほか、佐藤隆太、松井玲奈、佐藤寛太らが出演。監督・脚本は、『僕たちと駐在さんの700日戦争』『レオン』などを手掛けた塚本連平が務め、八丈島の雄大な自然の中で暮らす登場人物をユーモラスに生き生きと描く。そして、今話題のバンド・フレンズが書き下ろした主題歌「楽しもう」が、母娘のお弁当をめぐる感動の物語に明るく爽やかな余韻を残す。
舞台は東京都の島、八丈島。自然と人情が豊かなこの島で、シングルマザーの持丸かおりは、次女の双葉と暮らしている。「大人になったらお母さんと一緒にレストランをやる」と言っていた可愛い娘はどこへ行ったのか、今では反抗期に突入し、生意気な態度で何を聞いても返事すらしない。かおりは娘の嫌がる“キャラ弁”を作り続けて逆襲するのだが、やがてそのお弁当は、会話のない娘への大切なメッセージへと変わっていく。果たして、かおりが想いのすべてをこめた、娘の高校生活3年間のフィナーレを飾る〈卒業弁当〉とは──?
育児に対する考え方が大きく変化している昨今に対し、数年前に流行ったキャラ弁は時代に反しているなと感じていた。何でも手間をかけて手作りすることが善しとされていた時代が去った中でキャラ弁は逆行していたように思う。しかも子供のためなのか親の自己満足のためなのかよくわからない。
だがこの映画に出てくるお弁当は幼児向けではなく高校生の娘に作るお弁当である。
思春期で反抗期の娘に対して「嫌がらせ」で手間暇かけて作っている。
長女は既に自立し一人暮らしをしているが、高校生の次女は家の中でもスマホで会話をするような反抗期真っ只中。そんな次女と何とかしてコミュニケーションを取りたいと母親が「嫌がらせ」でキャラ弁を作ることを思いつく。
そしてせっかく苦労して作ったお弁当を誰かに見てもらいたいと始めたブログが話題となり、そんな実話が元となった作品である。
夫を早くに亡くし朝から夜中まで働きながら女手一つで2人の娘を育てているシングルマザー役は篠原涼子。いくつになっても親しみやすい可愛さがあり、チャキチャキと明るく活発的な本作のお母さん役にぴったりハマっていた。
私もお弁当を作って仕事に持参しているが、食材に向き不向きがあり箱に詰める必要があるため、皿に盛ってテーブルに並べ直ぐに食べる食事と違い工夫が必要だ。自分だけのためとはいえ冷凍食品ばかりは味気ない。汁物も欲しいし箸休めにサラダ等も食べたいので、何しに会社に行ってるのかわからなくなるような荷物になることもある。
また、この作品の見どころはお弁当だけではない。
舞台となっている八丈島の自然が堪能できる。
マンションが立ち並ぶような都会ではなく、自然豊かな田舎(八丈島は東京都内だが)ならではの魅力を感じることができるだろう。
親の愛情がお弁当一つで推し量れるものではないが、この映画は愛情しか感じられない、全てが愛情で出来ているような作品だ。誰かのために作るお弁当、誰かが自分のために作ってくれるお弁当って素晴らしいなと改めて感謝せずにはいられない。
ちなみに我が家の伝説にこんなエピソードがある。
妹が大学模試の日、前日にスーパーで買った刺身の詰め合わせに添えられていた食用の菊(最近は見なくなったが)がお弁当に入っていたようで、帰ってから妹が「辱められた」と激怒していたことがある。お弁当作りの苦手な母が思わず閃いてしまい彩りに加えたのだろう。
本作のようにチーズと海苔を使って文字を作るなど当時の(今でも?)母は到底思いつかなかったに違いない。
出演: 篠原涼子 芳根京子 松井玲奈 佐藤寛太 / 佐藤隆太
原作: 「今日も嫌がらせ弁当」ttkk(Kaori)(三才ブックス刊)
監督・脚本:塚本連平
主題歌:フレンズ「楽しもう」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作: 2019「今日も嫌がらせ弁当」製作委員会
配給:ショウゲート
上映時間:106分
©2019「今日も嫌がらせ弁当」製作委員会