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ハリウッド実写版『名探偵ピカチュウ』作品レビュー

作品紹介

“ピカチュウ”がハリウッドで初の実写映画化!
主人公は、見た目はカワイイけど、中身は“おっさん”のピカチュウ!?
今や世界中で、あらゆる世代に愛されている、“ピカチュウ”がハリウッドで初の実写映画デビュー!「ダークナイト」「パシフィック・リム」シリーズを手掛けたレジェンダリー・ピクチャーズが最高峰のスタッフ・キャストを集結させ、ポケモンの世界を現実にします。見た目はカワイイのに、中身は“おっさん”!? しかも人の言葉を話す名探偵ピカチュウを演じるのは、大ヒットシリーズ「デッドプール」で主演を務めるライアン・レイノルズ。


かつてピープル誌が選ぶ「最もセクシーな男」に選ばれたこともあるライアンが、生意気だけど憎めない、全く新しいピカチュウを世界中に届けます。名探偵ピカチュウの相棒となるティム役にはハリウッドの新鋭、ジャスティス・スミスを抜擢!事件に巻き込まれた父親を探すために訪れたライムシティで、自分にしか聞こえない人の言葉で話す名探偵ピカチュウと出会い、物語が始まります。

その他のキャストにはキャスリン・ニュートン、ビル・ナイ、リタ・オラ、スキ・ウォ―ターハウス、そしてポケモン発祥の地・日本からは渡辺謙の出演が決定。2019年5月、まだ誰も見たことのない新しいピカチュウの物語が、幕を開ける!

ストーリー

かつてポケモンのことが大好きな少年だったティム(ジャスティス・スミス)は、ポケモンに関わる事件の捜査へ向かったきり、家に戻らなかった父親・ハリーとポケモンを、遠ざけるようになってしまった。それから年月が経ち、大人になったティムのもとにある日、ハリーと同僚だったというヨシダ警部(渡辺謙)から電話がかかってくる。「お父さんが事故で亡くなった――」。

複雑な思いを胸に残したまま、ティムは人間とポケモンが共存する街・ライムシティへと向かう。荷物を整理するため、ハリーの部屋へと向かったティムが出会ったのは、自分にしか聞こえない人間の言葉を話す、名探偵ピカチュウ(ライアン・レイノルズ)だった。

かつてハリーの相棒だったという名探偵ピカチュウは、事故の衝撃で記憶を失っていたが、一つだけ確信をもっていることがあった…。「ハリーはまだ生きている」。ハリーは何故、姿を消したのか? ライムシティで起こる事件の謎とは?

ふたりの新コンビが今、大事件に立ち向かう!

感想レビュー

1997年にアニメがスタートしてから20年以上の歴史を誇る『ポケットモンスター』がついにハリウッドで実写化となる。

本作『名探偵ピカチュウ』は2016年のニンテンドー3DSの『名探偵ピカチュウ ~新コンビ誕生~』が原作で、海外ドラマを意識した斬新な展開や、おっさん声のピカチュウというオリジナルのストーリーはゲームから来ているため、ハリウッド版でありながら脚本はしっかりと作られている。

さらに『ミュウツーの逆襲』の遺伝子操作ポケモン・ミュウツーのポケモンとしての存在意義と謎が本作にミックスされているのが興味深い。
20年以上前からポケモンをプレイし、アニメで育った20代後半から30代前半の世代は特に楽しめて
共感できるはず。

主人公のティムはゲーム版は白人少年だが、本作主人公のティムは黒人と白人の混血である。

長編アニメでオスカーを獲得した『スパイダーマン:スパイダーバース』の新生スパイダーマンが黒人とヒスパニック系の混血少年であるのも、今のアメリカの多文化性を象徴している。子どもが憧れるポケモンとスパイダーマンが、マイノリティの文化背景を示しているところが現代的で面白い。

かつてポケモントレーナーに憧れた少年が、父親・ハリーの事件の謎を探偵ピカチュウと一緒に捜査するという斬新な物語で、見た目はモフモフのぬいぐるみのように可愛らしいが、声はおっさん(デッドプール風な喋り方のライアン・レイノルズ)というユニークなピカチュウが、小さい体で頭脳を使いながらティムを助け大活躍するバディ・ムービーだ

人間とポケモンが共存するライムシティーの様子や、街で暮らすポケモンたちのリアリティある生活が盛り込まれており映像から楽しさが伝わってくる。

またティムの父親の行方だけではなく、ピカチュウが何故おっさん声で流暢にティムだけと会話できるのか?最強ポケモンであるミュウツーと事件との関連など次々と驚愕の事実が明らかとなる。

ポケモンならではの家族愛や人間とポケモンの友情というホロッと泣けるシーンもありワクワクをもらえて、観終わった後は嬉しさと幸せ感が増すだろう。

本作でティムの日本語吹き替えをしている竹内涼真が、サトシのようなポケモントレーナー役でカメオ出演している。またイギリスの名優、ビル・ナイが重要な役どころで出演。日本からは渡辺謙が刑事役で出演している。

オリジナルピカチュウの声でお馴染みの大谷育江がピカチュウの声として出演するが、ライアン・レイノルズと比べると声の露出度は少ない。

20年前からのゲームとアニメファンで大人になってもポケモンGOにハマった世代には、おっさん声のピカチュウの話しを堪能できる字幕版がオススメ。

ピカチュウが眉間にシワを寄せて、困った顔で早口英語を話すミスマッチさは実に面白い。デッドプール風の毒舌キャラを理解できない小学生には、日本語吹き替え版の方が良いだろう。

他にもゲームやアニメでお馴染みのポケモンキャラたちが登場し、激しいバトルを繰り広げる!ほのぼの感を重視しながらも重厚感ある作りで、レジェンダリー・ピクチャーズのスペクタルな映像美が見もの。

『名探偵ピカチュウ』はどの世代からも愛される純粋なエンターテイメント作品として、最高に楽しめる愛らしい映画。是非劇場の大画面で観ていただきたい!

予告動画

『名探偵ピカチュウ』

【キャスト・スタッフ】
ライアン・レイノルズ (デッドプール)
ジャスティス・スミス (ジュラシック・ワールド/炎の王国)
キャスリン・ニュートン(スリー・ビルボード)
渡辺謙(GODZILLA)
ビル・ナイ (マイ・ブックショップ)
リタ・オラ  スキ・ウォーターハウス
吹替:竹内涼真(ティム役)、飯豊まりえ(ルーシー役)
監督:ロブ・レターマン
脚本:ロブ・レターマン、ニコール・パールマン
原題:Pokémon Detective Pikachu
上映時間 : 100分

公式サイト

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投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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