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安田顕登壇「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」 舞台挨拶 in 札幌 2019年3月6日

安田顕主演で実写映画化された『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』の舞台挨拶が2019年3月6日にユナイテッド・シネマ札幌で行われた。

 

監督・脚本をつとめたのは大森立嗣。
『まほろ駅前多田便利軒』『日日是好日』など 穏やかな日々の中にある繊細な心情を映し出すのが巧みな監督で、今作でも家族の愛や苦悩を丁寧かつ斬新に表現していた。

舞台挨拶には、主演の宮川サトシ役を演じた安田顕さん(以下:安)と大森立嗣監督(以下:監)が登壇。
ネタバレに気をつけつつ話をすすめていた2人ではあったけれども、今作への思いが十分に伝わってきた

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司会:SNSを中心に大きく話題になった原作『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』
早速ですが、一言ずつご挨拶をお願いします。

安:これからご覧になって頂けるという事で非常に嬉しい限りでございます。
今日札幌に入りましたら、雪が少ないですね。
もう1回降るかな、3月くらいに。
…そんな感じで宜しくお願いします(笑)

監:北海道に久しぶりに来ました。
昔 室蘭から網走まで撮影で移動した事があるんですけど札幌でゆっくりした事があまりなくて。
雪、少ないんですか?!

安:雪ちょっと少ないですね。
この時期、新千歳空港に着いたら凛とした空気を感じる事が出来るんですよ。
それを感じて「あぁ、帰ってきたな」と思うんですけど今日は暖かかったかな。

監:雪、少ないですか…

司会:終始雪の話で終わってしまいそうですけども(笑)
監督、久しぶりの北海道だと仰ってましたけど安田さんから”見たらいい場所”だとか”食べたらいい物”など教えて貰いましたか?

監:そういうの全く無いですね(笑)

安:チームナックスのメンバーは結構グルメだったりするんですけど、私そんなに食には…(笑)
室蘭出身なんで、映画の舞台挨拶とかで室蘭やきとりを楽屋に置いて下さっていて嬉しいとかはありますね。
焼き鳥ではなく豚のお肉、というね。

司会:是非焼とりもっと食べて頂きたいですね。
さあ、映画のお話も色々お聞かせ頂きたいと思います。
今回お2人は原作をまず読まれたと伺っておりますが、原作の宮川さんとはお会いになったのでしょうか。

監:読んだ後にお会いして軽くお話したくらいで、最近公開前の取材を結構一緒にやらせて頂いて仲良くなりました。
宮川さんは僕と背格好が似ていたりしますが、凄く面白い方です。

 

安:宮川さんは『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』も素晴らしいんですけども、ジブリを読んだ時の感想をただひたすらに漫画に描くという作品があるんですよ。これが、観点が凄く面白いんです。
素晴らしい作品だと思いました。
今回の映画でも独自の観点という話はさせて頂いているんですけど、自分でも可哀想だなと思って泣いてはいないんですよ。
ええと…親、死にます。

司会:いやいや(笑)
まあ、お客様もおわかりになりますよね、タイトルで。

安:死んだ、亡くなった、という事に対する悲しさや可哀想という事で泣いてないんですよね。
大森監督に、その後じゃないですかね という話をさせて貰った事があります。
母を亡くした後の家族の再生。
そこに感銘を受けた気がして、原作もこの作品も同じ部分であるんじゃないかなと思います。

司会:倍賞美津子さんがお母様役で出ていらっしゃって、原作の中でも似てるというお話が出てきますよね。
同じ現場にいて如何でしたか?

安:本当に素晴らしい役者さんだと思います。
色んな世間話をさせて貰って…ここでは内緒ですけどね(笑)
赤裸々に話して下さいましたね。だから私も、自分の心の中にとめておいてなかなか話せない身内の話や家族の話という所もお互いにし合ったりしながらお芝居を一緒にさせて頂いた感じです。
監督はもともと、いつかご一緒したいなと思っていた方なんですよね?

監:倍賞さんが昔出ていらした映画で好きな映画が一杯ありまして、1度どこかでお仕事出来たらいいなとずっと思っていたんですよね。
なかなかタイミングとか難しい中で、今回は是非倍賞さんにお願いしたいとオファーしました。
凄いチャーミングで、安田さんは勿論ですけど倍賞さんも是非注目して観て頂きたいです。良い親子でしたね。

司会:主題歌のお話もお聞かせ頂きたいんですが。

安:主題歌はBEGINさんの「君の歌はワルツ」という歌なんですけどレコーディングを監督と一緒に参加させて頂いて。松下奈緒さんはピアノで。
なんだかこの歌ってお母さんに捧げている様な気がしているんです。
“昨日 今日 今”って言葉と”明日はいらない”
これはBEGINの比嘉栄昇さんはどういうお気持ちで作詞されたのかなって思いました。
この作品の後にこの歌を聴いたら何かしら意味深に感じますよね。
普段、何で明日が必要かと言ったらその日うまく行かなかったからでしょう。
何かしらうまく行ってない。
うまく行った時とかは、この一瞬がずっと続いて欲しいなとか 今日が終わって欲しくないと思う。
それぞれ、どう感じるのかなと思います。

 

司会:最後まで観て聴いて頂きたいですね。
観て欲しいシーンも一言ずつお願いします。

安:正直、ネタバレしたくないんですよ。
僕は監督の引きの画が好きなんですよね。
映画館で観た時に、台詞と台詞の間にある行間が環境音と共に漂ってくると言うか。
お父さん役の石橋蓮司さんと私と村上淳さんでタバコを吸うシーンがあります。そこで漂っている行間が僕はとても好きですね。

監:ある高い場所で家族が話をするシーンがあるんですけど、そこのシーンは結構好きです。
風景が相まって、そう言うものから出てくるシーンが好きです。

司会:最後にもう1度ご挨拶お願いします。

監:映画館に来てくれて本当に嬉しいです。
面白かったらお友達とかご家族に伝えて頂けたらと思います。

安:色んな映画があって、良いですよね。
大きな映画もあれば、心を打つような映画もあって。長く長く愛して頂けるような映画が少しでも続くといいなと思っています。
良いと思ったら何かしらのリアクションをして頂けると幸いです。
ありがとうございました。

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地元北海道での舞台挨拶に「ふわっとする」と言いながら映画について話す安田さんと、そんな安田さんを見て「なんかいつもと違うよね」と優しく微笑む大森監督の姿が印象的だった舞台挨拶。
司会がCREATIVE OFFICE CUE所属の北川久仁子さんという事もあり、終始リラックスしたムードだった。

原作漫画は宮川サトシ『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』
衝撃的なタイトルではあるが、大切な人の死とどう向き合うか。そしてその死をどう乗り越えて行くかが詰まった意欲作だ。

 

『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』

2/22 ユナイテッド・シネマ札幌、ディノスシネマズ札幌劇場 他 全国順次公開

 

監督:大森立嗣
原作:宮川サトシ
出演:安田顕、倍賞美津子、松下奈緒、村上淳、石橋蓮司
主題歌: BEGIN 『君の歌はワルツ』
上映時間: 108分

©宮川サトシ/新潮社 

©2019「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」製作委員会

配給:アスミック・エース

 

 

 

 

 

安田顕主演 感動の実話『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』作品レビュー

撮影/ フォトグラファーA-Co
札幌在住の女性プロフォトグラファー、物件写真、スチール撮影、ライブ撮影、CDジャケット撮影、商品撮影、フード撮影など様々な分野で活躍中。ファッション写真を撮影するのが得意のため、女性を更に美しく撮ります。

Photo: A-Co © 2019 A-Co All Rights Reserved.

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下記画像、ライター兼平ゆきえ撮影

 

 

投稿者プロフィール

兼平ゆきえ
兼平ゆきえ
映画・音楽・本 など 観たり聴いたり読んだりと忙しく過ごすのが好きなインドア派。恵庭発 北海道のMUSIC&ART情報サイト From E…代表。不定期で企画LIVEを開催。2018年7月から 恵庭市のコミュニティFM e-niwa にて、映画や音楽の話を中心とした番組『From E…LIFE(フロムイーライフ)』を放送開始。
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