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中山美穂主演 人生の最終章「蝶の眠り」あらすじ 感想

映画紹介

高齢化社会にあって、アルツハイマー病や認知症といった病気と、どう向き合って人生の最後を 終えるのか。これはいま多くの人たちが直面する人生の課題だ。自らの余命を知る女性小説家が、最後に自分の尊厳を守り、残る人たちに美しい記憶を残そうと静かに行動した人生最終章。

50代前半で、まだ美しさを保つ主人公涼子は、華やかな日常の裏で、次第に自分をコントロールできなくなっていく恐怖と、一人で死に立ち向かう寂しさを抱えていた。しかし、作家を目指す一人の青年チャネとの出会いにより、自分が何をなすべきかを心に決める。

互いの気持ちを量りながらも、2人の思いはすれ違っていく。

年の差を超えた究極の愛がテーマの本作は、恋愛を凌ぐ人間愛を考えさせるストーリーでもある。

ストーリー

売れっ子の女性小説家・涼子(中山美穂)は、自分が母と同じ遺伝性アルツハイマーに侵されて いることを知る。死を迎える前に、何かをやり遂げようと考えた涼子は、大学で文学の講師を務めることを決める。講義の初日、学生と訪れた居酒屋でアルバイトをする韓国人の留学生チャネ(キム・ジェウク)と出会い、涼子は最後となるかもしれない小説の執筆を手伝わせることに。 愛犬の死により正気を失う涼子、そこへ駆けつけたチャネといつしか二人は年齢の差を超え恋人のように惹かれ合っていく。病が進行するにつれ、涼子は愛と不安と苛立ちの中、チャネとの関係を精算しようと決意するのだが、その思いは到底チャネには受け入れがたいものであった…

感想

遺伝性アルツハイマー病の宣告を受けた女性小説家の人生最終章。

自らの余命を知り、何をすべきか何を残せるか考えた結果、大学の教壇に立ち学生たちに小説を教える道を選んだ主人公。

そして記憶が喪失する前に最後の執筆をやり遂げようと決意する。

そんな中で作家を目指す1人の韓国人留学生と出会い、彼に支えながらも止まらぬ病の進行に怯え、自分が自分でなくなる恐怖と寂しさに立ち向かっていく。

主演の中山美穂は「離婚しつつも50代前半で現役な美しさを保つ有名作家」として見事にハマっていたと思う。

実年齢よりは上の役だが、変わらぬ色気と物憂いな雰囲気が、世間がイメージする「成功を収めた女性作家」にしっくりきたように感じる。

実際はもっと地に足がついてて所帯染みてたりもするのだろうが、どうも世俗から離れ浮世離れした美しい女性を想像しやすい。

そういえば3年前のドラマで中谷美紀が演じた女性作家も丘の上に建つ豪邸に住んでいた。

今回も例に漏れずとても素敵な邸宅が登場し、見どころの1つでもある。

そして劇中でアルツハイマーの過酷な場面はほとんど描かれていない。

テーマがそこではなく、愛の記憶や形跡、尊厳だからだ。

人の記憶から自分が失われていくことはとても辛く悲しい。まして自分の記憶すらも。

それらを美しいまま留めておきたいという主人公の切なる願い。

そこに焦点を置き共感を得ようとする韓国人女性監督のメッセージを強くて感じる。

また、作中に登場する日本文学や劇中劇の小道具、音楽をあの新垣隆が担当している点も注目だ。

ちなみに「蝶の眠リ」とは韓国で赤ちゃんが万歳をして寝る姿をいうらしい。

人は自らの死が見えたとき何を求め、どう行動するのかー。

正直、若い韓国人留学生との恋愛は容易く展開が読めるが、中年の美しい女性に若い男性は付きものなので仕方ないとしておこう。

予告動画

「蝶の眠り」

出演:中山美穂 キム・ジェウク/

石橋杏奈 勝村政信 菅田 俊 眞島秀和 澁谷麻美/永瀬正敏          

監督・脚本・原案:チョン・ジェウン

配給:KADOKAWA/

公式サイト

宣伝:樂舎 2017年/日韓合作映画/日本語/112分/

©2017 SIGLO, KING RECORDS, ZOA FILMS

投稿者プロフィール

坂本早苗
札幌市内で働くOL。
ストレス発散はテニスで体を動かすことと大好きなパンを求め全国のパン屋さんの情報収集。着る服は骨格診断を意識しています。
映画は年齢と共にミニシアター系が好みに。
沢山の映画と出会い、観て聴いて考えてお気に入りを探していきたいです。
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