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ベン・アフレック監督昨品『夜に生きる』あらすじ 感想

警察の息子からギャングへ。アメリカン・ドリームを掴むため男が背負った代償とは―

イントロダクション&ストーリー

『アルゴ』(2012)でアカデミー賞R、ゴールデン・グローブ賞などで映画賞を独占し、全米では“ポスト・イーストウッド”と称されるベン・アフレック監督最新作。
舞台は禁酒法時代のボストン。野心と度胸さえあれば権力と金を手に入れられる狂騒の時代。厳格な家庭に育ったジョーは、警察幹部である父に反発し、やがてギャングの世界に入りこんでいく。ある日、ジョーは対立組織のボスの恋人エマと出逢ったことでジョーの人生は激変する。欲しいものをすべて手に入れるためには、ギャングとしてのし上がるしかない。禁断の愛と欲望、裏切りと復讐──そのすべてを手に入れ、すべてを叶えるために、“夜に生きる”と決意した男の極上のクライム・エンターテインメント!
原作は「ミスティック・リバー」のデニス・ルヘインの同名小説。全米でベストセラーを記録した傑作クライム小説。
製作はオスカー俳優のレオナルド・ディカプリオが務める。

試写会の感想

禁酒法を背景にしたギャング映画の名作は、数多くあるが、男の生きざまをこれほど正直に描いているものは見当たらない。
第一次大戦直後の、まだ世の中が不安定な中で、如何に自分の生き場所を、見いだしていけば良いのか、もがき苦しむ主人公ジョーに共感せざるを得ない。
真面目に生きると、戦争に行かされて死んでしまうだけ。それなら、ギャングになって身を立てるしかない。だが、ギャングの世界にも組織があり、それに支配される。自分らしく生きるには、一匹狼のギャングになって、生きていくしかない…なんとも息苦しい狭い選択肢だ。
「夜に生きる」とは、まさに暗闇の中で生きて行かなければならない、正直な男の”喘ぎ声”に聞こえてくる。
裏社会の荒海を、如何に乗り越え、行き着く先は何処なのか。その果てに何をつかむのか。一瞬たりとも目が離せない展開だが、ベン・アフレック演じるジョーの、次第に存在感を大きくしてゆく姿が印象的だ。男の哀愁と孤独さについつい見とれてしまう。この俳優を見るだけでも十分に満足できる。
実に見応えのある、ギャング映画の枠を越えた優れた作品だ。

映画『夜に生きる』本予告 5月20日公開


『夜に生きる』/ Live By Night (原題)

スタッフ/キャスト

■監督・脚本・主演:
ベン・アフレック (『アルゴ』『ザ・タウン』)

■出演:
・エル・ファニング(『マレフィセント』)
・フレンダン・グリーソン(『ハリー・ポッター』シリーズ)
・クリス・メッシーナ(『アルゴ』)
・シエナ・ミラー(『アメリカン・スナイパー』)
・ゾーイ・サルダナ(『アバター』)
・クリス・クーパー(『ザ・タウン』)

5月20日(土)札幌シネマフロンティア、丸の内ピカデリー 新宿ピカデリー他全国ロードショー

上映時間:2時間9分/PG12

■公式サイト:yoruni-ikiru.jp 公式facebook:www.facebook.com/warnerbrosjpn 公式twitter : @warnerjp #夜に生きる

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投稿者プロフィール

植田 研一
昭和26年生まれ。若い時に演劇を志したが、夢破れテレビ界でサラリーマン生活を送る。昨年退職し、現在隔月でひとり語りを開催している。
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