『半落ち』『クライマーズ・ハイ』など数々の傑作を生み出してきた横山秀夫が7年ぶりに世に放った衝撃作『64(ロクヨン)』は、2012年「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、2013年「このミステリーがすごい!」第1位などに輝き、瞬く間に文壇を席巻した。そんな究極のミステリーが、日本映画界を代表する超豪華オールスターキャストによって、前後編2部作のエンタテインメント超大作『64-ロクヨン-前編/後編』として、ついに映画化。
かつては刑事部の刑事、現在は警務部の広報官として、昭和64年に発生した未解決の少女誘拐殺人事件、通称「ロクヨン」に挑む主人公・三上義信に、日本映画界が誇る名優・佐藤浩市。三上の部下として奔走する広報室係長・諏訪に綾野剛。諏訪と共に三上を支える広報室婦警・美雲に榮倉奈々。広報室と対立する県警記者クラブを取りまとめる東洋新聞キャップ・秋川に瑛太。「ロクヨン」事件被害者の父・雨宮芳男を永瀬正敏。
三上の刑事時代の上司で、かつて「ロクヨン」追尾班長も務めた捜査一課長・松岡勝俊に三浦友和。そのほか、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、坂口健太郎、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、仲村トオル、吉岡秀隆、などベテランから若手まで主演級の俳優陣が、いずれも物語の重要な役柄として出演。さらに、慟哭のエンディングで流れる主題歌「風は止んだ」を担当したのは小田和正。そして、『ヘヴンズ ストーリー』(2010年)で「第61回ベルリン国際映画祭」国際批評家連盟賞を受賞するなど世界的にもその実力が評価されている鬼才・瀬々敬久が監督を務めた。
2016年、映画史に残る前後編2部作の感動巨編が誕生する――
【ストーリー】
昭和最後の年、昭和64年。その年に起きた少女誘拐殺人事件は刑事部で「ロクヨン」と呼ばれ、少女の死亡、未解決のままという県警最大の汚点として14年が過ぎ、時効が近づいていた。
平成14年、主人公の三上義信は「ロクヨン」の捜査にもあたった敏腕刑事だが警務部広報室に広報官として異動する。そして記者クラブとの確執、キャリア上司との闘い、刑事部と警務部の対立のさなか、ロクヨンをなぞるような新たな誘拐事件が発生。刑事部と警務部の軋轢、未解決のロクヨンと新たな誘拐事件の関係、そして三上の一人娘の行方――。怒涛の、そして驚愕の展開が次々と三上を襲う。
(C)2016映画「64」製作委員会
昭和天皇が崩御した記憶しか無い昭和64年の7日間に、無残な男児の身代金誘拐殺人事件が実際にあった。その時の事件をモデルにした小説が横山秀夫の『64(ロクヨン)』である。
戦後唯一の誘拐未解決事件という、群馬県の功明ちゃん誘拐殺人事件は、群馬県警の汚点である。当時記者クラブで記者だった横山秀夫氏が実体験を小説にしたといっても過言ではないだろう。
64-ロクヨン-前編 –の豪華過ぎる出演者は数えきれない俳優陣が顔を揃えている。
縦割り過ぎる県警の中で、県警記者クラブやキャリア官僚との板挟み、そして過去の誘拐殺人事件への後悔、三上の家庭でのトラブルと…怒涛の展開に驚くばかりだ。
佐藤浩市演じる三上の、仕事と家庭での苦悩が手に取るように感じられ、その迫真の演技にもらい泣きをした。
単なる誘拐殺人事件を中心とした物語ではない。壮大なスケールの人間ドラマであり、前編を観てしまったら絶対に後編が観たくなる!
私もまだ後編を観ていないので、今から楽しみで続きをアレコレ妄想してしまう。
2013年「このミステリーがすごい!」第1位の原作小説だが、2016年「この映画がすごい!」とお勧めしたい超大作である。
https://youtu.be/zY54BvPj9Ak
佐藤浩市
綾野剛 榮倉奈々 夏川結衣 緒形直人 窪田正孝 坂口健太郎
椎名桔平 滝藤賢一・奥田瑛二 仲村トオル 吉岡秀隆
瑛太 永瀬正敏・三浦友和
監督:瀬々敬久
原作:横山秀夫『64(ロクヨン)』(文春文庫刊)
主題歌:小田和正「風は止んだ」(アリオラジャパン)
(C)2016映画「64」製作委員会