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成田凌主演『くれなずめ』 作品レビュー

作品紹介

「バイプレイヤーズ」シリーズや『アイスと雨音』の松居監督が、自身の実体験をモチーフに書いた完全オリジナルの舞台劇を映画化。物語の主人公・吉尾和希に扮するのは、ドラマ・映画・CMなど数多くの人気作品に出演する成田凌。
舞台演出家として活動する藤田欽一役を高良健吾、欽一の劇団に所属する舞台役者・明石哲也役を若葉竜也、仲間内の後輩で唯一家庭を持つサラリーマンの曽川拓役を浜野謙太、同じく学生時代の後輩で会社員の田島大成役を藤原季節、仲間内で唯一地元に残ってネジ工場で働く水島勇作役を舞台版でも同役を務めた目次立樹が演じる。

ストーリー

アラサー男子6人が、友人の結婚式で再集結!披露宴と二次会の「狭間」の時間に、何が起きるのかー

高校時代、帰宅部でつるんでいた6人の仲間たちが、5年ぶりに友人の結婚式で余興をやるべく集まった。 披露するのは・・・赤フンダンス!?
「しかし吉尾、お前ほんとに変わんねぇよな。なんでそんなに変わんねぇの? まあいいか、そんなのどうでも」

披露宴と二次会の間の妙に長い時間を持て余しながら、昔の思い出に想いを馳せる。そして今も友達で、これからもずっとずっと俺たちは友達でい続けるのだろうと思う。そう、たったひとりを除いては・・・。

この微妙な”狭間”の時間に起こること、それは見るものの予想を超えていくー。

作品レビュー

ニュータイプの死後の世界!?
高校時代の仲間たちが再び集まり、過去を想いこれからを生きる為の何かを手にする物語ー

友人の結婚披露宴で余興をするため5年ぶりに集まったのは、高校時代に帰宅部でつるんでいた6人の仲間たち。
女性陣や親御さん引きまくりの恥ずかしい余興。
男性陣の悪ノリ余興は実際目にした事があるが、確かあの時の彼等も高校時代の仲間同士だった。
彼等を動かすあの不思議な仲間意識は一体何なのだろう。
性別の違いによる考え方の相違は普段あまり意識しないのだが、こういう時ばかりは根底にある男女の違いというものを感じる。
そしてこの作品を観て、あぁあの時の彼等は正にこういう状態だったなと思った。

映画の中で彼等は披露宴と二次会の間の微妙に長い待ち時間を持て余していた。
この時間の中で彼等の高校時代の思い出がひとつ、またひとつと描き出されていく。
共学の高校時代を過ごした人にはどこか懐かしさを覚えるその思い出たちは、今となっては2度と取り戻せない所謂青春のほろ苦さを感じさせた。
同じ時間を過ごした自分たちはこれから先も友だちで、その関係性はずっと変わらないと信じていたあの頃。


それぞれが違う進路に進み、社会の荒波に飲まれるうちにそれは次第に薄れていくものだ。
家族を持ったり他の大切な物を抱えたり仕事に追われたりと人によって理由は違えど旧友との繋がりは無くなっていく。
それでも久しぶりに会うと甦る当時の記憶や仲間意識は一生消えないものなのではないだろうか。
ダラダラと笑えるほんわかとした要素も多いが、何ものにもかえられない煌めきや深い絆を思い出させてくれる作品だった。

主人公・吉尾和希(成田凌)と彼を取り巻く仲間たち。
舞台演出家として活躍する藤田欽一(高良健吾)と欽一の劇団に所属する舞台俳優・明石哲也(若葉竜也)の抱く後悔や、後輩で唯一の家庭持ちであるサラリーマン・曽川拓(浜野謙太)の悲しみ。
同じく後輩で会社員の田島大成(藤原季節)のジレンマや地元のネジ工場で働く水島勇作(目次立樹)の誠意。
様々な感情が暗くならない程度に散りばめられており、それぞれの演技力の高さを改めて感じた。

松居大悟監督が自身の体験を基に描いた舞台劇を映画化したという今作。
観た後に、昔の仲間と連絡を取りたくなるような作品だった。
人と会わない・会えないこの時だからこそ、久しぶりに連絡をしてみるのはどうだろうか。

予告動画

監督・脚本:松居大悟
出演:成田凌  高良健吾  若葉竜也 浜野謙太  藤原季節 目次立樹
主題歌: ウルフルズ ”ゾウはネズミ色”
配給 東京テアトル
上映時間: 96分
公式サイト
(C)2020「くれなずめ」製作委員会

投稿者プロフィール

兼平ゆきえ
兼平ゆきえ
映画・音楽・本 など 観たり聴いたり読んだりと忙しく過ごすのが好きなインドア派。恵庭発 北海道のMUSIC&ART情報サイト From E…代表。不定期で企画LIVEを開催。2018年7月から 恵庭市のコミュニティFM e-niwa にて、映画や音楽の話を中心とした番組『From E…LIFE(フロムイーライフ)』を放送開始。10月から毎週 木曜日 18:30-19:00の枠にお引越し。
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