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松山ケンイチ主演『BLUE/ブルー』4月9日公開 作品レビュー

作品紹介

どれだけ努力しても、どれだけ才能があっても、約束された成功なんてない。それでも前に進む姿が胸を打つ、静かに熱い若者たちの物語。

主人公は、誰よりも努力し情熱を注ぐも、負け続きの先輩ボクサー・瓜田(松山ケンイチ)。同じジムに所属するのは、抜群の才能とセンスを持ち、チャンピオン目前の後輩・小川(東出昌大)と、好きな娘の為に始めたボクシングにのめり込んでいく新人・楢崎(柄本時生)。

彼らの挑戦を見守るヒロインは、瓜田の初恋の人で、今は小川の婚約者の千佳(木村文乃)。平凡と非凡、憧れと嫉妬、友情と恋、四人それぞれが複雑な想いを抱え、四者四様の魅力的なキャラクターに共感させられる。

ブルー、それは青春の色、挑戦者の色。どれだけ努力しても、どれだけ才能があっても、約束された成功なんてない。それでも前に進む姿が胸を打つ、静かに熱い若者たちの物語である。

ストーリー

誰よりもボクシングを愛する瓜田は、どれだけ努力しても負け続き。一方、ライバルで後輩の小川は抜群の才能とセンスで日本チャンピオン目前、瓜田の幼馴染の千佳とも結婚を控えていた。千佳は瓜田にとって初恋の人であり、この世界へ導いてくれた人。強さも、恋も、瓜田が欲しい物は全部小川が手に入れた。それでも瓜田はひたむきに努力し夢へ挑戦し続ける。しかし、ある出来事をきっかけに、瓜田は抱え続けてきた想いを二人の前で吐き出し、彼らの関係が変わり始めるー。

作品レビュー

吉田恵輔監督が、30年もの長きにわたり続けているボクシングを題材とした本作。監督が脚本のみならず殺陣指導も行っており、熱量の重さを容易に想像できる。

そんな作品の主人公を演じるのは、カメレオン俳優と称される松山ケンイチ。ボクシングが大好きで、でも中々芽が出ない瓜田を演じている。試合に勝てないことを後輩からもバカにされ、学生時代から想い続けている幼馴染は才能ある後輩の彼女。面倒見もよく、人が良いにも程がある人物だ。瓜田にはモデルが存在しており、監督からのメッセージも込められている。

瓜田を見ていると私の身近にもいる「瓜田」を思い起こさせた。その人も後輩に成績や昇格を追い越されても悔しがる素振りも見せず、不平不満を漏らすこともなく淡々としている。人がよく誰からも好かれているが、私個人としては本心の見えないその人が恐くも感じる。悔しさや怒りを表面化しない人間の奥底はどうなっているのだろう。もしかしたら本当に「闇」のようなものは存在しないのかもしれないが、本作の瓜田も熱いところを人に全く見せない。

対して天性の才能に恵まれ、瓜田の想い人を恋人に持つ小川役には東出昌大。

いい加減で恋人を大切にしないイケ好かなさを最初に感じたが、実は才能に甘んじることなく努力もしており、恋人との将来も考えていたりする。そして才能だけではどうすることもできない壁にぶち当たる。

それを支えているのが恋人のチカ。私はやはり同性の木村文乃演じるチカ側に立って捉えてしまった。私がチカだったらどうしただろう、何て言っただろうと。チカは際立った個性があるわけでもなく「普通」なのだけど、木村文乃が演じることによって、聡明で魅力的な女性に映し出されている。

そして柄本時生演じる楢崎。他の3人に比べ彼が1番役に適していたのではなかろうか。
好きな女の子からカッコ良く思われたいという理由だけでボクシングを始めるお調子者だが、徐々に開花していく。何か新しいことを始める理由なんて本当はどうでもよく、継続することに意義があることを思い出させてくれる。

ボクシングに対する知識が全く無い私でも本作のボクシングシーンにはとても熱いものを感じ、演者達の並々ならぬ努力に感服させられた。試合シーンは実際に後楽園ホールで撮影されており「本物」を感じることができるだろう。

ボクシングは勿論のこと、彼らのヒューマンストーリーも堪能できる本作。

タイトル「BLUE」の意味する青春を味わいながら幅広い世代にオススメしたい。

予告動画

『BLUE/ブルー』4月9日札幌シネマフロンティア 他で公開

キャスト: 松山ケンイチ  木村文乃   柄本時生 / 東出昌大
監督・脚本・殺陣指導: 吉田恵輔
製作:「BLUE /ブルー」製作委員会
配給:ファントム・フィルム
2021 年/カラー/ビスタ/5.1ch/107 分
公式サイト

©2021「BLUE/ブルー」製作委員会

投稿者プロフィール

坂本早苗
坂本早苗
札幌市内で働くOL。
ストレス発散はテニスで体を動かすことと大好きなパンを求め全国のパン屋さんの情報収集。着る服は骨格診断を意識しています。
映画は年齢と共にミニシアター系が好みに。
沢山の映画と出会い、観て聴いて考えてお気に入りを探していきたいです。
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