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わかりみ深すぎ崖っぷちロマンス!「私をくいとめて」作品レビュー

作品紹介

みつ子と脳内相談役Aが挑む、わかりみ深すぎ崖っぷちロマンス!
脳内に相談役が《爆誕》した31歳おひとりさま&年下男子がおくる、わかりみ深すぎ! 崖っぷちロマンスがこの冬誕生!
『勝手にふるえてろ』(17)で第30回東京国際映画祭コンペティション部門・観客賞をはじめ数々の賞を受賞した、原作・綿矢りさ、監督&脚本・大九明子が再タッグ。
ヒロイン・みつ子を演じるのは、近年、ますます活動の幅を広げる女優・創作あーちすと・のん。みつ子が恋する腹ペコな年下男子・多田くん役を、話題作への出演が絶えない実力派俳優・林遣都が演じる。

ストーリー

黒田みつ子(のん)、31歳。平日は会社員として働き、休日はイキイキとおひとりさまライフにいそしむいまどきの独身女性だ。みつ子が一人でも楽しく生きていられるのには、ある秘密がある。それはいつからかみつ子の脳内に生まれた、頼れる相談役=Aの存在。人間関係はもちろん、ちょっとしたご近所トラブルに至るまで、Aはいつだってみつ子の問いに正しい答えをくれる。

Aと一緒に過ごす平和でゆるゆるとしたおひとりさまの毎日。何かが足りないのは分かっているけど、決定的に不足しているものもない。そんなみつ子の日常に突如舞い降りた、久々の恋!それは会社を度々訪れる、年下の営業マン=多田くん(林遣都)。実はご近所さんだとわかってからは、定期的にみつ子の部屋を訪れてはうやうやしく手料理をもらっていく関係。そんなつかず離れずの微妙な仲をかれこれ1年ちかく続けているのに真面目な多田くんは決して部屋に上がろうとしない。
「20代じゃないんだよ?付き合ってもない年下の男を遊園地なんかに誘えますかい!」
おそらくは両思いだろうと信じながらも、なかなか多田くんとの関係を進める勇気が持てず、20代と30代の恋愛の違いを痛感するみつ子。
しかしひとりに慣れ過ぎたみつ子はAと共に勇気を振り絞って、失敗したら巨大なダメージを負う31歳崖っぷちの恋に踏み出そうとする……。

作品レビュー

人気作家・綿矢りさの同名小説を映画化。主人公のみつ子を演じるのは、女優でありアーティスト”のん”。みつ子は”のん”なのか、”のん”がみつ子なのか混同するほど、みつ子役は”のん”にしっくり合っている。

実年齢27歳の”のん”が演じるみつ子は、ソロ活を謳歌し職場ではプチお局様31歳である。会社での愛想は良いが、人に見せない本心と影で毒を吐き挙動不審な面もある不思議ちゃんだ。冒頭から飛ばすような面白さがあり、みつ子のくるくる変わるキュートな表情と小悪魔的なキャラクターに魅せられた。

みつ子の脳内に登場する相談役のAは、言葉遣いは礼儀正しくみつ子のネガティブな心を正そうとする。悩みがあるとみつ子はAに相談し、適切なANSERを打ち出して導くのがAの存在である。Aの声は最近ドラマや映画で露出度が高く、声優経験もある俳優。A役についてはエンドロールで明かされるので秘密にしておこう。みつ子とAの掛け合いは楽しくてハッピーな気持ちさせてくれる。

おひとり様とAとの対話で満足し、友達を作らず恋愛からは遠のいているみつ子に、気になる存在が現れる。彼は取引先の営業マン・多田くん(林遣都)。ひょんなことから多田くんに夕食をお裾分けするが、なかなか恋愛には発展しない。草食系同士の恋愛はハードルが高い。みつ子は多田くんの胃袋を必死に掴み、Aの助言を聞き少しずつ距離を縮めていく。

女性が共感する心の中の叫びや、寂しさ、戸惑いなどをテーマにした本作。女性目線のあるあるが目白押し。おひとり様を楽しむ微年齢女子の憂鬱や、他人と共存する距離感がみつ子にとっては大きな悩みなのだ。

みつ子は弱点である飛行機に1人で乗りイタリアへと向かう。大学時代の親友でイタリアに嫁いだ皐月(橋本愛)に会いに行くためだ。実際のイタリアロケは2月のコロナ禍のために断念。現地スタッフが撮影した映像と、国内での撮影で乗り切ったそうだ。橋本愛と”のん”の共演はNHK朝ドラ「あまちゃん」以来である。再び演じる親友役は、同窓会を見ているような感動で心にじわじわときた。

苦手を克服したみつ子はAのアドバイスで少しずつ勇気を持ち、多田くんとの恋愛進展のためにある決断をするのだった・・・

新型コロナウィルスの影響で、他人とのディスタンスが大事となった今こそ多くの女性に観てもらいたい。大滝詠一の代表曲「君は天然色」が劇中歌。みつ子と一緒に耳馴染みあるこの曲を歌いたくなり、心も躍る素敵な映画となっている。

予告動画

「私をくいとめて」

監督: 大九明子
原作:綿矢りさ
キャスト: のん 林遣都 臼田あさ美 若林拓也 片桐はいり  橋本愛
配給: 日活
上映時間: 133分

©2020『私をくいとめて』製作委員会

投稿者プロフィール

佐藤 友美
佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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