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清原果耶主演『宇宙でいちばんあかるい屋根』作品レビュー

作品紹介

小説すばるで新人賞を受賞するなど、多くの読者を魅了する作家・野中ともその大人気小説「宇宙でいちばんあかるい屋根」(光文社文庫刊)待望の映画化。迷える少女の不思議な出会いと成長をフィルムに収めたのは、第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した『新聞記者』の監督・藤井道人。
主人公、14歳の少女・大石つばめを演じるのは、2021年春NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」 のヒロインに抜擢され、今最も注目を浴びる若手実力派女優・清原果耶。本作が映画初主演!藤井道人監督とは『デイアンドナイト』に続くタッグとなる。

つばめの前に現れた老婆・星ばあ役には、数々の映画賞に輝き、『SAYURI』でハリウッド映画初出演以降世界で活躍する実力派・桃井かおり。つばめが恋するお隣の大学生役に、NHK連続テレビ小説「スカーレット」に出演するなど活躍の場を広げる伊藤健太郎。
つばめの父役には日本を代表する俳優・吉岡秀隆、つばめの義母役には人気実力を兼ね備える女優・坂井真紀。そして水野美紀、山中 崇、醍醐虎汰朗など注目のキャストが集結した。主題歌は、透明感のある歌声とその詞世界でファンの心を掴む、シンガーソングライターCoccoの書下ろし楽曲「今とあの頃の僕ら」。本作主演の清原果耶が、伸びやかな歌声でヒロインの心の旅を爽やかに歌い上げた。 星ばあが教えてくれたあかるい屋根の秘密。懐かしくて愛おしい、大切な心を探す奇跡と愛の物語。

ストーリー

隣の大学生・亨(伊藤健太郎)に恋する 14 歳の少女・つばめ(清原果耶)。優しく支えてくれる父 (吉岡秀隆) と、明るく包み込んでくれる育ての母(坂井真紀)。もうすぐ 2 人の間に赤ちゃんが生まれるのだ。幸せそうな両親の姿はつばめの心をチクチクと刺していた。
しかも、学校は元カレの笹川(醍醐虎汰朗)との悪い噂でもちきりで、なんだか居心地が悪い。つばめは書道教室の屋上でひとり過ごす時間が好きだった。ところがある夜、唯一の憩いの場に闖入者が 。空を見上げたつばめの目に飛び込んできたのは、星空を舞う老婆の姿!?派手な装い の老婆・星ばあ(桃井かおり)はキックボードを乗り回しながら、「年くったらなんだってできるようになるんだ―」と はしゃいでいる。最初は自由気ままな星ばあが苦手だったのに、つばめはいつしか悩みを打ち明けるようになっていた。

作品レビュー

隣に住む大学生の亨(伊藤健太郎)に密かに恋心を抱くごく普通の14歳、つばめ(清原果耶)。
優しい両親と3人で幸せな暮らしをしているように見える彼女にも悩みがある。
それは、父と再婚相手の母親との間に子どもができるという事。
もしかしたら自分は要らなくなってしまうのではないか…
そんな不安から悶々とした日々を送る。

学校では恋愛絡みのイザコザと裏掲示板での心ない嘘に巻き込まれ、言いようのない疎外感の中で過ごすつばめ。
そんなある日、通っている書道教室の屋上で老婆に出会う。
派手な装いとその口の悪さから、その老婆には関わらないようにしようと思うが、ふと空を見上げるとその老婆はキックボードに乗って空を飛んでいた。
星ばあは、見たい人には見えてそうでない人には見えないという。

もどかしい日々を過ごす毎日が、老婆との出会いから一変。
老婆を星ばあと呼び、まるで親友のように何でも話せる関係になるとは…
どこからどう見ても怪しさ満点の老婆だが、話す言葉一つ一つに説得力がありつい心を許してしまうのだろう。
桃井かおりは適役だ。

亨が交通事故に遭った事から状況にもいくつかの変化が起こる。
星ばあの助言のおかげもあり一歩踏み出す事が出来たつばめは何だか格好良い。

それぞれの家、それぞれの屋根。
いくつもの家族との関係が描かれている中で、観ている側も家族について考えるきっかけになった。

個人的大注目俳優、清原果耶・伊藤健太郎の共演というのもポイントだ。
清原果耶は『デイアンドナイト』でもそうだが表情や声のトーンで見せる演技が若手女性俳優の中でズバ抜けて高いと言える。
父親役の吉岡秀隆との実力派同士のやりとりなどは観ていて泣けてきた。
今作は清原自ら、シンガーソングライター・Coccoによる書き下ろしの主題歌「今とあの頃の僕ら」(9/2発売)を歌唱。
透明感と孤独感が同居する彼女らしい歌声だと思う。
伊藤健太郎も、彼の内面から自然と溢れ出てくるような”良い人感”が良かった。
今のところ明るくて素直な役柄が多いので、これからは違うタイプの配役があるかもしれないと期待している。

暗さを薄く、優しさを深く感じられる映画、『宇宙でいちばんあかるい屋根』
ファンタジー要素もあるが、登場人物の感情に共感しやすい内容だった。

予告動画

『宇宙でいちばんあかるい屋根』

キャスト: 清原果耶
伊藤健太郎 水野美紀 山中 崇 醍醐虎汰朗 坂井真紀 吉岡秀隆
桃井かおり
主題歌:清原果耶「今とあの頃の僕ら」(カラフルレコーズ/ビクター)
作詞・作曲・プロデュース:Cocco
脚本・監督:藤井道人
原作: 野中ともそ「宇宙でいちばんあかるい屋根」(光文社文庫刊)
配給: KADOKAWA
上映時間:115分

(C) 2020『宇宙でいちばんあかるい屋根』製作委員会

 

投稿者プロフィール

兼平ゆきえ
兼平ゆきえ
映画・音楽・本 など 観たり聴いたり読んだりと忙しく過ごすのが好きなインドア派。恵庭発 北海道のMUSIC&ART情報サイト From E…代表。不定期で企画LIVEを開催。2018年7月から 恵庭市のコミュニティFM e-niwa にて、映画や音楽の話を中心とした番組『From E…LIFE(フロムイーライフ)』を放送開始。
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