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ドニー・イェン主演『イップ・マン 完結』さよなら、イップ・マン。 作品レビュー

 

シリーズ、完結。そして伝説が生まれる。
ドニー・イェン演じる達人イップ・マン、最後の闘い。

作品紹介

世界中のファン待望、ドニー・イェン主演“イップ・マン”シリーズの最新作にして完結となる「イップ・マン4 完結篇」。監督は、“イップ・マン”シリーズのウィルソン・イップ。アクション監督は香港アクション界の巨匠で、『イップ・マン外伝 マスターZ』(18年)では監督も務めたユエン・ウーピン。さらに音楽には川井憲次と、おなじみのスタッフが勢揃い。イップ・マン最後の戦いに、全世界が注目。

ストーリー

1964年、サンフランシスコに渡った詠春拳の達人イップ・マン。彼は、弟子ブルース・リーとの再会や太極拳の達人ワンとの対立を経て、アメリカという異郷に生きる人々が直面する厳しい現実を知る。やがて中国武術を敵視する海兵隊軍曹バートンとの激闘の果てにワンが倒れた時、イップ・マンは、宣告された病を隠し、人々の誇り未来のために立ち上がる。香港に残して来た息子にある思いを伝えた彼は、ただ一人、最後の闘いへ進みゆく・・・。

作品レビュー

イップ・マン師匠が鳴らす詠春拳の木人椿の「カン!」「カン!」という音を聞くのもこれで最後かと思うと、少し寂しさを感じた。

シリーズを通じてイップ師匠への敬愛や中国武術に対するプライドが描かれてきたが、この作品でもそれは同じ。「イップ・マン師匠、格好いいだろ?」「中国武術ってこんなに凄いんだぜ」という作り手の意地を感じたし、共感できるくらいに伝わってきた。これまでも様々な流派の使い手が登場したが、今作では特に太極拳の師匠との戦いは、見ているこちらも思わず手に力が入る。

太極拳の師匠との戦いも見どころのひとつだが、今作で強烈に存在感を示したのは、イップ・マンの教え子であるブルース・リーだった。顔真似もアクションもお見事。本作を観終わった後に、ついつい本物のブルース・リーの映画も観てしまった。

この「イップ・マン完結」では1964年のアメリカを舞台にしている。1964年というと、イップ・マンは70歳を超えているはずだが、ドニー・イェンが演じる爽やかなイップ師匠は、アメリカだろうがどこだろうが、向かい来る敵をばったばったとやっつけていく。

ヒーローの側面と、息子との関係で悩む父親としてのイップ・マンの両面を描いてはいるが、基本的には蹴って殴って飛んでの王道のアクション映画になっている。

シリーズ通して観ると慣れてしまったのか、「そんなまさか」という少々無茶な設定も気にはならなかった。

「イップ・マン」シリーズは、序章→葉問→継承→完結と続いているが、「完結」では過去作のキャラクターも登場するので、順番にご覧になることをお薦めする。

そして継承まで観られたならば、「完結」がきっと観たくなると思う。派手なカンフーアクションや、イップ師匠をはじめとしたキャラクター達に、より愛着を持っているはずだ。

きっと見終わった後に自分が強くなった気になってしまうが、それは錯覚である。

予告動画

『イップ・マン 完結』さよなら、イップ・マン。

【作品概要】

主演・製作:ドニー・イェン

製作:レイモンド・ウォン

監督・製作:ウィルソン・イップ

アクション監督:ユエン・ウーピン

音楽:川井憲次

出演:ドニー・イェン、ウー・ユエ、ヴァネス・ウー、スコット・アドキンス、

チャン・クォックワン

原題:葉問4完結篇/中国・香港/広東語・英語/105分/シネスコ/カラー/5.1ch

翻訳:鈴木真理子

配給:ギャガ・プラス

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投稿者プロフィール

Atushi Kitashima
なんとなく立ち寄ったミニシアターで映画の面白さを知り、学生時代に日本映画に夢中になりました。
最近は邦画・洋画問わず、アクション、ミステリー、ホラーを好んで観ていましたが、映画レビューサッポロへの参加をきっかけに、より幅広いジャンルの映画の魅力を知りたいと思っています。
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