2018年8月17日
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テロの<真実>に迫る【実話】クリント・イーストウッド監督『15時17分、パリ行き』3月1日公開

 

映画紹介

テロの<真実>に迫る【実話】
巨匠クリント・イーストウッド監督最新作
 「この映画はごく普通の人々に捧げた物語」

『アメリカン・スナイパー』『ハドソン川の奇跡』とリアルヒーローの真実の物語を描き続けてきた巨匠クリント・イーストウッド監督最新作にして新境地。
2015年に起きたパリ行きの特急列車内で554人の乗客全員をターゲットした無差別テロ襲撃事件。極限の恐怖と緊張感の中、武装した犯人に立ち向かったのは、
ヨーロッパを旅行中だった3人の心優しきアメリカ人の若者たちだった。
なぜごく普通の男たちは死に直面しながら、命を捨てる覚悟で立ち向かえたのか!?
本作は、勇敢に立ち向かった3人の若者たちを始め、乗客として列車に居合わせた数多くの人が出演し、事件が起こった場所でも撮影に挑んだ究極のリアリティーを徹底追求した前代未聞のトライアル。

87歳を迎えても尚、新たなる挑戦を続けるトップランナーの最新作は、いつ、どこで、誰もがテロに直面してもおかしくない今、当事者の目線から今の時代を生きる私たちに問いかける真実と現実。
「この映画はごく普通の人々に捧げた物語」

ストーリー

2015年8月21日、アムステルダム発パリ行きの高速列車タリスが発車した。フランス国境内へ入ったのち、突如イスラム過激派の男が自動小銃を発砲。乗務員は乗務員室に逃げ込み、500名以上の乗客全員が恐怖に怯える中、幼馴染の3人の若者が犯人に立ち上がったー。

試写の感想

 クリント・イーストウッド監督の奇抜で斬新な映画製作に、改めて感銘を受けた。この映画の主役はテロを阻止した民間の人たち。

彼らは2015年のフランスでの列車テロを阻止した本物の英雄たちである。そのヒーローで演技の素人が主演する。一体どのような作品になるのだろう?

ストーリーは主役でテロを未遂にした、米国軍人のスペンサー・ストーンとアレク・スカラトス、当時大学生のアンソニー・サドラーの小学生時代の回想から始まる。

敬虔なクリスチャン学校で育った彼らは、平均的な子供とは家庭環境と行動も異なり、いわゆる悪ガキであった。

学校では注意欠陥障害と教師に言われ、事あるごとに校長に呼び出されては叱られ、アレクとスペンサーの母は片親であることを、ハンデと罵られた。

仲良しのアレクとスペンサーは、アンソニーと出会い、彼の大らかさに影響を受け心が少しずつ成長していく。

ミリタリーオタクの彼ら、特にアレクとスペンサーは、サバイバルゲームに夢中になり、戦争映画に興味を持ち、将来は軍人になる目標を持つ。

複雑な子供時代を経て彼らは大人となる。(ここからが本人たちが俳優として出演する)
スペンサーは人助けのできる軍人を目指し、アレクはオレゴン州兵となり、アフガンへと派兵される。

スペンサーは体格が良く、軍隊に入るために身体を絞る必要があった。映画の中のスペンサーは肥満体型。しかし彼は食事制限やトレーニングによって、肉体改造をする。実際にてっぷりとした巨漢が、ムキムキのマッチョへと変貌していく様子は、ドキュメンタリー映画のようだった。

物語の7割は彼らの苦労と体験談で構成され、後半はテロを阻止する再現映像となっている。

3人のヨーロッパ休暇旅行では、ヨーロッパの映像美に魅了される。旅先で大学生のアンソニーがインスタ映えを気にして、自撮りをしてインスタに投稿するところは、日本の若者とそう変わらない。

アメリカ至上主義を風刺するような、アドルフ・ヒトラーの歴史考証のシーンがあり笑ってしまった。世界は本当に広いのだ。世界に出てみないと、それは理解できないだろう。歴史の教科書は常に一冊ではないことを、イーストウッド監督から学んだ。

フランスは魅力的なところか?と旅先で人々に質問するスペンサー。フランスは彼らのタイプではないが、楽しいアムステルダムを離れてまで旅するべきなのか?決められないまま、高速列車タリスに乗りこむ。彼らが強い何かに導かれる伏線を感じる。

当時、まだ23歳だった彼らが、ほんの一瞬の判断でテロに立ち向かうことができたのは、軍での訓練やサバイバルの経験が生きたのだと思う。信仰心の深い彼らは、運命に導かれたと信じているし、それが自分の使命だったと感じただろう。

テロを阻止するシーンでは、そのリアルさに震えが来た。命を助ける奇跡的な瞬間。その大きな感動の中で涙が溢れた。

このテロ事件について、知らないことが多かったが、映画の中で細部まで知ることができた。非常事態で勇気を出すその判断力は、幼少期からの積み重ねと、彼らの絆の深さがあってこそだ。

彼らが表彰されるシーンでは実際の映像も混じえており、1時間34分の中で詰め込まれた愛と感動のドラマ、そしてハリウッド映画史上、前代未聞のキャスティング!是非たくさんの人々にスクリーンで真実の物語を知ってほしい。

予告動画

『15時17分、パリ行き』

3月1日(木)、丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他 全国ロードショー

 

■原題
“THE 15:17 TO PARIS” 

■上映時間:1時間34分

■キャスト
アンソニー・サドラー、アレク・スカラトス、スペンサー・ストーン
※ヒーローの3人、アンソニー・サドラー、オレゴン州の州兵アレク・スカラトス、アメリカ空軍下士官スペンサー・ストーンは、本作で自分自身を演じる

■スタッフ
監督:クリント・イーストウッド(『アメリカン・スナイパー』『硫黄島からの手紙』『ハドソン川の奇跡』)
脚本:ドロシー・ブリスカル
撮影:トム・スターン
衣装:デボラ・ホッパー
編集:ブルー・マーレイ
美術:ケビン・イシオカ
原作:アンソニー・サドラー、アレク・スカラトス、スペンサー・ストーン、そしてジェフリー・E・スターン著の「The 15:17 to Paris: The True Story of a Terrorist, a Train, and Three American Heroes」に基づく。

■配給
 ワーナー・ブラザース映画

公式サイト

©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT INC.

投稿者プロフィール

佐藤 友美
佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Reviewを立ち上げ、新作映画の最速レビューサイトとを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
道内最多試写鑑賞数を誇る、映画レビューライターです。FMラジオ番組に最新映画紹介で生出演をしています。