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韓国映画『哭声/コクソン』國村隼が助演 作品レビュー

『哭声/コクソン』韓国で最も権威ある映画賞「青龍映画賞

國村隼が男優助演賞ほか二冠達成!外国人史上初の快挙!

ストーリー

平和な田舎の村に、得体の知れないよそ者がやってくる。彼がいつ、そしてなぜこの村に来たのかを誰も知らない。この男についての謎めいた噂が広がるにつれて、村人が自身の家族を残虐に殺す事件が多発していく。そして必ず殺人を犯した村人は、濁った眼に湿疹で爛れた肌をして、言葉を発することもできない状態で現場にいるのだ。事件を担当する村の警官ジョングは、ある日自分の娘に、殺人犯たちと同じ湿疹があることに気付く。ジョングは娘を救うためによそ者を追い詰めていくが、そのことで村は混乱の渦となっていき、誰も想像できない結末へと走り出す――

日本からは國村隼が参加。実力派俳優たちが揃った韓国映画史上に残る骨太なサスペンス・スリラー!

警官ジョングを演じるのは、ドラマや映画の名脇役として知られるクァク・ドウォン。43歳にして本作が初の主演作となる大抜擢となった。村人を惑わすよそ者には、日本の俳優・國村隼。本作が公開されるや否や、その強烈な存在感で韓国の映画ファンを虜にし熱狂的な支持を得、韓国で最も権威のある映画賞のひとつ、第37回青龍賞では男優助演賞を受賞。映画賞史上初の外国人の受賞という偉業を打ち立てたてた。その他ファン・ジョンミン、チョン・ウヒなど、ナ・ホンジン監督らしい演技派な役者陣が顔を揃え、韓国映画史上に残る骨太な作品を作り上げた。

カンヌ、シッチェス他、世界の映画祭が熱狂!

歴代の韓国映画の中でもトップの指に入る1本。時々、我々が思いこんでいる映画の限界を超え、今までなかったようなやり方で観客を驚かせる映画がある。ナ・ホンジンの『哭声 コクソン(原題)』はそうした映画の1本だ。心臓をわしづかみにするこの傑作は、絶対に見逃してはならない映画体験だ―――TimeOut

「苛烈なストーリーテリングで名を馳せたナ・ホンジンがさらに進化し、韓国を牽引する現代映像作家としての位置づけを確固たるものにした。『哭声/コクソン』はここ最近の韓国映画でも最優秀作品のひとつだ」―――SCREENDAILY

アメリカ映画であればオスカー候補作にしか見られない製作水準。ナ・ホンジンは、ユーモアと恐怖と哲学を一挙に語れる非凡な監督手腕を持っている」―――Vulture

作品レビュー

小さな村で猟奇的な殺人事件が起こったというのに、ゆるい反応で流暢に朝食を食べてから殺人現場へ向かう派出所警官のジョング。韓国ドラマ的コメディ要素のあるストーリーかと思いきや、その後鳥肌ものの事件が続々と起こる。

國村隼が演じる日本人の存在は正体不明。韓国の田舎の山奥で暮らす、謎の日本人は山中で怪しい風体で獣の生肉を喰らう変人で殺人犯という噂だ。その噂と連なって起こる猟奇的殺人と、殺人犯の皮膚に表れる謎の湿疹とは―?

観客の憶測なんて気にせず、サスペンス・スリラーからホラーとして突き進む。中盤から登場するファン・ジョンミン演じる祈祷師の常軌を逸した行動の意味すら理解できない。156分の映像の中で、誰が善で誰が本当の悪魔なのか?観客はその謎に抗うが、ひたすら翻弄されることになる。

魑魅魍魎が蠢くラストに魂が抜け殻になった脱力を感じ、その闇の世界観は凄惨である。

スタッフ/キャスト

監督:ナ・ホンジン

出演:クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼、チョン・ウヒ

2016年/韓国/シネマスコープ/DCP5.1ch/156分

©2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION

投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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