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「人生の約束」人生の歓びと哀しみを描く人間ドラマ 

 

人と人がつながることが、当たり前ではなくなってしまった今の時代に、
巨匠・石橋冠が捧げる、普遍的な「絆」と「再生」の物語。

 

池中玄太80キロ」「ラブ・レター」「点と線」「刑事一代」
日本中の家庭に深い感動を届けてきた巨匠・石橋冠が長年の夢を銀幕に描く!!
テレビ界でその名を知らぬ者はいないと言われる、巨匠・石橋冠。時代の空気を炙り出す鋭い着眼点と、それぞれの時代を代表する役者を惹きつけてやまない独自の演出術で、日本のテレビドラマ界に確固たる地位を築き上げてきました。中でも代表作は高度成長期後、重たい空気が漂う日本中の家庭に温かい感動を届けた大人気ドラマシリーズ「池中玄太80キロ」。短気で涙もろい父と、血の繋がらない3人の娘たちの心温まる交流を描いたこのドラマは、主人公を演じた西田敏行を国民的人気俳優に押し上げ、その後、何度もタッグを組むなどお互いのキャリアの礎となりました。そんな石橋監督が長年抱き続けていた「映画を1本だけ撮りたい」という強い衝動。長い間、その時代に必要なテーマを探し続け、今ようやく自分が発想した物語を、自分が愛する風景の中で撮影する機会に巡り会うことができました。全ての日本人が待ち望んでいた国民的エンターテインメント作品が今ここに誕生しました。

 

世代を超えた超豪華俳優陣が結集!監督の夢を強力にサポート!!
会社の拡大にしか興味の無い仕事人間・中原佑馬を演じるのは、竹野内豊。かつて共に起業した親友の死をきっかけに、自身の人生を見つめ直す主人公を繊細に、そして丁寧に演じ切りました。石橋監督の作品には初出演ながらも、その演出によって自身の代表作ともいえる演技を本作で披露しています。

 

地元で無念の死を遂げていた親友・塩谷航平の義兄であり、都会からやってきた佑馬とぶつかり合う漁師の渡辺鉄也役には、江口洋介。自らの提案で髪型を役者人生でも初めての角刈りにするなど、数々の賞に輝いたドラマ「なぜ君は絶望と闘えたのか」(10/WOWOW)でタッグを組んだ監督のため、役柄のイメージを膨らませてから撮影現場に挑み、佑馬の「静」に対する「動」の演技で存在感を発揮しています。

 

そして厳しくも温かく町を見守る町内会長・西村玄太郎役に、西田敏行。石橋監督の代弁者とも言える重要な人物を、観る者の情緒に温かく訴えかける演技でスクリーンに存在させています。役名も往年のファンには嬉しく、劇中で「玄さん!玄さん!」と呼ばれるなど石橋監督の心憎い演出が光ります。 その他の出演者には 松坂桃季、優香、小池栄子、美保純、市川実日子、高橋ひかる、立川志の輔、室井滋、柄本明、ビートたけしといった、世代を超えた実力派俳優が石橋監督の名のもとに集結しました。以前に監督の作品に携わった出演者の多くは台本も読まずに出演を快諾するなど、監督への深い信頼が窺えます。

 

【ストーリー】

会社の拡大にしか興味の無い、IT関連企業CEO・中原佑馬(竹野内豊)の携帯に、ここ数日、かつての親友から何度も着信が入っていた。共に起業して会社を二人三脚で成長させながらも、その会社を追い出す形で決別した、かつての親友・塩谷航平。疎く思う反面、胸騒ぎを覚えた佑馬は、仕事の予定をキャンセルして、航平の故郷である新湊に向かう。そこで佑馬が直面したのは、予期せぬ親友の死だった。

 

町内会長を務める西村玄太郎(西田敏行)に話を聞くと、病に冒され余命わずかだった航平は、最後に曳山につながりたいと、十五年ぶりに故郷の土を踏んでいた。事態を飲み込めない佑馬が線香をあげようとするも、航平の義兄・鉄也(江口洋介)は、会社を追い出したあげく、航平からの最後の電話を無視し続けた佑馬を許すことが出来ず、殴りかかってしまう。

 

故人を惜しむ場が荒れるのを防いだのは、鉄也が引き取って家で面倒を見ていた、航平の忘れ形見ともいえる娘・瞳(高橋ひかる)の落ち着いた対応だった。かつての親友に子どもがいたことに驚く佑馬は、自分に何か出来ることはないかと瞳に聞くと、物憂げな瞳が重たい口を開いた。

 

「西町から四十物町の曳山を取り返してくれますか?」

新湊にある13の町の一つ、航平が育った四十物町(あいものちょう)では、若者の流出による曳き手不足に加えて、曳山の維持費が底を突いてしまい、これ以上、曳山を守ることができなくなっていた。そんな時、資金が豊富な新興の西町が、今年の祭りでは四十物町に曳かせることを条件に、曳山を譲って欲しいと申し出てきた。本来、売り買いするものでない曳山ではあるが、背に腹を変えられない状況に、四十物町は苦渋の決断をせざるを得なかった。

 

しかし、譲渡式が終わると、西町の会長・武田善二(柄本明)はあっさりと約束を反故にしてしまう。ちょうどその頃、町に戻っていた航平は、最後の時期を迎える瞬間まで、武田のもとに足を運び、抗議をしていたのだった。


一方、東京では佑馬の会社が不正取引の疑いで強制捜査を受け、佑馬は仲間だけでなく、会社も失い、全てを失ってしまった。一人になってしまった佑馬は、かつて航平と交わした約束を思い出す。「一度口にしたことは実行する」。佑馬は思いを新たに新湊へ戻り、瞳との約束を守るため、ある秘策に出ることにした。富山県警の刑事・岩瀬厚一郎(ビートたけし)の捜査も迫る中、約束を守るため奔走する佑馬だったが、新湊では祭りがすぐ間近に迫っていた――。

 

冷酷なワンマンCEOの主人公・中原が、かつての親友の死を知り、その親友の娘や仲間たちと関わることで、少しずつ人としての心と情、生きる道を取り戻していく。

 

舞台の富山県新湊の雰囲気に、ノスタルジックな昭和の時代を思い出し、町の人々の古き良き伝統を守る真摯な姿勢と、祭りのシーンとオレンジ色の提灯、そして曳山の迫力…日本の美しさを再発見できる作品。

 

【キャスト・スタッフ】
竹野内豊 江口洋介 松坂桃李 優香 小池栄子 美保純 市川実日子 高橋ひかる 立川志の輔
室井滋 柄本明 ビートたけし 西田敏行

監督:石橋冠(「池中玄太80キロ」「ラブレター」「なぜ君は絶望と闘えたのか」)
脚本:吉本昌弘(「TEAM-警視庁特別犯罪捜査本部-」「臨場「刑事一代~平塚八兵衛の昭和事件史」)

(C)2016「人生の約束」製作委員会

投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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