
スピッツの名曲「楓」から誕生した、切なくも美しい愛の物語。
1998年に発表されて以来、時代を超えて愛され続けてきた同曲を原案に、『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督が令和の時代に新たなラブストーリーとして映像化。
脚本は『ソラニン』『東京リベンジャーズ』などを手がけた髙橋泉。
音楽は気鋭のプロデューサーYaffleが担当し、心を震わせる旋律が物語を彩る。
主演は福士蒼汰と福原遥。支える友人役に宮沢氷魚、石井杏奈、宮近海斗(Travis Japan)。
スピッツ「楓」の優しいメロディに乗せて、大切な人を失った男女の再生と絆を描く。
須永恵(福士蒼汰)と恋人の木下亜子(福原遥)は、天文が共通の趣味で、穏やかな日々を過ごしていた。
しかし、朝に彼女を見送った後、恵は眼鏡を外し髪を崩す。実は彼は、亡くなった弟・恵の“フリ”をしている兄・涼だったのだ。
1か月前、ニュージーランドでの事故で弟・恵が命を落とし、ショックを受けた亜子は、目の前に現れた涼を恵だと思い込む。真実を言えないまま、亜子の笑顔を守るために“弟として”生きる涼。
だが、幼馴染の梶野(宮沢氷魚)や後輩の日和(石井杏奈)、亜子の行きつけの店の店長・雄介(宮近海斗)は、その違和感に気づき始める。
やがて明かされる、それぞれが抱えた秘密と真実。
愛する人を想うがゆえに、伝えられなかった想いが交差する——。
世代を超えて愛されるスピッツの名曲「楓」。
過ぎ去りしあの頃を懐かしんだり少し切なくなったり、この曲に何らかの想いを乗せている人は多いのではないだろうか。
—さよなら 君の声を抱いて歩いて行く ああ 僕のままでどこまで届くだろう(スピッツ「楓」)
別れの悲しみや喪失感だけでなくその先の歩みへの決心も感じられるこの楽曲はファンからの人気が高い。
自分もまた、繊細だが温かいこの曲が大好きな一人だ。
賛否両論ある映画化。
“音楽”と”人の記憶”というのは深く繋がっているように感じているのだが、曲を聴いて思い浮かぶ情景というものは聴く人により異なると思う。
前向きに捉えると正解は無いという事とメガホンをとるのが行定勲監督という事で、この「楓」を原案に描かれた「大切な人を失った男女がたどるラブストーリー」を受け止めようと劇場に足を運んだ。
主人公を演じるのは、福士蒼汰と福原遥。
共通の趣味である天文の本や望遠鏡に囲まれながら幸せな日々を送る須永恵(福士蒼汰/2役)と恋人の木下亜子(福原遥)だったが、ある事故をきっかけにそんな生活が一変してしまう。
心の傷に蓋をしながら以前の様な穏やかな生活を取り戻そうともがく亜子、恵、そして恵の双子の兄・涼(福士蒼汰/2役)。
秘密を抱える彼らのやりとりがなんとももどかしい。

展開としては想像の範囲を超えないものの、主演の2人や周りの俳優陣の丁寧な演技がこの作品を支えていたように思った。
真実を知りながら見守り続ける幼馴染の梶野(宮沢氷魚)は俯瞰的に物事を見られるだけでなくここぞという場面でのほんの一言が的確で心強い存在。
涼を慕う後輩・日和(石井杏奈)や亜子の行きつけの店の店長・雄介(宮近海斗/Travis Japan)も良いスパイスになっている。
また、12月17日には劇中で使用されている渋谷龍太(SUPER BEAVER)や十明によるカバー楽曲、オリジナルであるスピッツの楓が収録されたサウンドトラックの発売が決定。是非多くの方に聴いて欲しい1枚だ。
映画『楓』オリジナル・サウンドトラック UPCH-2288 ¥3,300(税込)

☆公開記念パネル展開催☆
映画『楓』(12/19公開)の公開を記念して、玉光堂各店にてパネル展示を行うことが決定いたしました!
是非お近くの対象店舗に足を運んでみてください。
【対象店舗】
北海道
・玉光堂新さっぽろ店
・玉光堂イオン江別店
・玉光堂MEGAドン・キホーテ函館店
【パネル掲出期間】
2025年12月16日(火)頃~12月31日(水)頃まで
※設置開始時間・設置場所・展示枚数は店舗により異なる場合がございますのであらかじめご了承ください。


監督:行定勲
脚本:髙橋泉
原案・主題歌:スピッツ「楓」(Polydor Records)
音楽:Yaffle
出演:福士蒼汰、福原遥、宮沢氷魚、石井杏奈、宮近海斗、加藤雅也、大塚寧々
プロデューサー:井手陽子、八尾香澄
製作:映画『楓』製作委員会
配給:東映、アスミック・エース
フォーマット:カラー/120分/シネスコ/Dolby 5.1ch
公式サイト
©2025 映画『楓』製作委員会

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