
第48回トロント国際映画祭、第56回シッチェス国際ファンタスティック映画祭などで絶賛され、2025年国際インド映画アカデミー賞では悪役賞をはじめ5部門受賞。
さらに『ジョン・ウィック』シリーズのチャド・スタエルスキ監督がハリウッドリメイクをプロデュースすることも決定。
ノンストップで疾走する特急寝台列車を舞台に、逃げ場のない極限の戦いを描いた本作の監督・脚本はインド映画界で20年以上のキャリアを持つニキル・ナゲシュ・バート。
主演は本作が映画デビューとなるラクシャ。彼は撮影に向けて、近接格闘術「クラヴマガ」と「カリ」の特殊訓練を8か月にわたり実施。
アクション監督は『スノーピアサー』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』などで知られるオ・セヨン。プロデューサーには『めぐり逢わせのお弁当』『エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆』のグニート・モンガ・カプールとアチン・ジャインが参加。
世界的スタッフが結集した、かつてないスケールのバイオレンス・アクション映画が誕生した。

インドを横断するニューデリー行きの特急寝台列車に乗り込んだ
40人の武装強盗団。だが彼らは知らなかった――同じ列車に、最強の特殊部隊員が乗っていたことを……。

観終えて最初の感想。
「想像以上に”超覚醒”!」
監督・脚本を務めたニキル・ナゲシュ・バート自身が大学時代に利用した長距離列車が強盗団の襲撃を受けた実体験を基に構想したという『KILL 超覚醒』。
ここまで過激ではないかもしれないが現在の治安も良いとは言えないようで、のんびり暮らしている自分とは置かれている状況が違うのだなと感じてしまった。
インドを横断するニューデリー行きの特急寝台列車の中で起こる事件を描いたバイオレンスアクション。
武装強盗団と偶然同じ列車に乗っていた最強の特殊部隊員が戦うシーンが中心となるのだが、ストーリーも飽きさせる事がなく終始気の抜けない展開だった。
楽曲もインドらしい独特のリズムながら疾走感もあり映画の雰囲気に合っている。
『ジョン・ウィック』シリーズのチャド・スタエルスキ監督プロデュースによるハリウッドリメイク製作も決定しているようだが、オリジナルが余りに良かった為どんな作品になるのか興味が湧いた。

主人公である特殊部隊員・アムリト役のラクシャは本作が映画デビュー作との事だが、近接格闘術の特殊訓練を8か月にわたり受けて撮影に臨んだというだけありアクションシーンが素晴らしい。
大切な恋人トゥリカ(ターニャ・マニクタラ)と過ごす時は穏やかで優しい青年といった印象だが、その家族を守るために躍動する姿は鬼のよう!
怒りによる覚醒はアムリトを凶暴にさせるが、バディとのやり取りが恐ろしさを少しだけ緩和させてくれた。
個人的にはこのバディ、ヴィレシュ(アブヒシェク・チョウハン)のキャラクターが好印象!
彼がいた事でこの作品の魅力が一層増したように思う。
血みどろの戦闘シーンは壮絶だったが、怒り狂った主人公が制裁を加える所は某バスケ漫画の名シーン「折られたモップの分!」×100くらいの勢いで凄まじかった。
ここまで完全アクションなインド映画を観たのは初めてだが、非常に見応えがあり国際インド映画アカデミー賞で5部門を受賞したというのも納得の作品だ。


監督・脚本: ニキル・ナゲシュ・バート
プロデューサー: グニート・モンガ
(『めぐり逢わせのお弁当』『エレファント・ウィスパラー : 聖なる象との絆』)
アクション監督: オ・セヨン
(『スノーピアサー』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』)
出演: ラクシャ、ターニャ・マニクタラ、ラガヴ・ジュヤル
インド/2024年/105分/ヒンディー語/カラー/5.1ch/
原題:KILL/日本語字幕:福永詩乃/R15+/配給:松竹
公式サイト
© 2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.

アクション2025年11月6日インド映画『KILL 超覚醒』11月14日公開 作品レビュー
クライム2025年10月16日北村匠海 主演『愚か者の身分』10/24公開 作品レビュー
ジャニーズ出演作品2025年10月8日実写映画『秒速5センチメートル』10月10日公開 作品レビュー
コメディ2025年10月6日『おいしい給食 炎の修学旅行』10月24日公開 作品レビュー