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「ファーストキス 1ST KISS」2/7公開 作品レビュー

作品紹介

ラブストーリーの名手が紡ぐ、集大成にして最高傑作の誕生。

映画『花束みたいな恋をした』でオリジナルの映画脚本を書き下ろし、興行収入38億円の大ヒットを記録。普遍的な若者の恋愛模様が、世代を問わず共感を呼び社会現象となる。さらに映画『怪物』では日本映画初となるカンヌ国際映画祭脚本賞受賞。そんな世界の第一線で活躍し続ける脚本家・坂元裕二と最新作でタッグを組むのは、映画『ラストマイル』の大ヒットでも記憶に新しい塚原あゆ子監督。今最も注目を集めるクリエイター二人による、最強のタッグが実現!坂元裕二が描く新たな物語は、原点ともいえるラブストーリー。

事故で夫を亡くした妻が、ひょんなきっかけからタイムトラベルし、亡くなったはずの若かりし姿の夫と「もう一度」出会い、「もう一度」恋に落ちたとしたら…。

キャストは、「カルテット」「大豆田とわ子と三人の元夫」など坂元裕二ワールドと最も親和性のある松たか子が妻・カンナを演じ、亡くなってしまった夫を人気グループSixTONESのメンバーとして活動する一方、第46回日本アカデミー賞で新人俳優賞と話題賞(俳優部門)を受賞するなど俳優としても非凡な才能を見せる松村北斗が務める。そのほか、リリー・フランキー、吉岡里帆、森七菜、個性豊かな実力派俳優たちが、それぞれの立場で二人の恋路を見届けるー。普通の人生では起こり得ない「奇跡」を軸に、時にコミカルに、時に涙を誘いながら、世界中のあらゆる人たちが恋愛観・結婚観を深く揺さぶられる、一生の思い出に残るラブストーリーが誕生します。

ストーリー

結婚して十五年目、事故で夫が死んだ。

夫とは長く倦怠期で、不仲なままだった。

残された妻は第二の人生を歩もうとしていた矢先、タイムトラベルする術を手に入れる。

戻った過去には、彼女と出会う直前の夫の姿があった。

出会った頃の若き日の夫を見て、彼女は思う。

わたしはやっぱりこの人のことが好きだった。

夫に再会した彼女はもう一度彼と恋に落ちる。

そして思う。十五年後、事故死してしまう彼を救わなくてはー。

「愛する人と歩む人生とは?」

人生で誰もが直面する、答えのない深くてシンプルな疑問。

この物語は、それらの意味を問いかける心揺さぶるラブストーリー。

作品レビュー

タイムリープが織りなす「もう一度、君に恋をする」

「花束みたいな恋をした」「怪物」で知られる脚本家・坂元裕二と、「ラストマイル」「わたしの幸せな結婚」を手がけた監督・塚原あゆ子が初タッグを組んだオリジナル恋愛映画。松たか子と松村北斗が夫婦役で共演する本作は、タイムリープをテーマにしたSFラブストーリーだ。

主人公は硯カンナ(松たか子)。結婚15年目の夫・駈(松村北斗)を事故で失い、不仲だった夫婦関係を後悔している彼女が、ある日突然タイムトラベルの手段を手にするところから物語は動き出す。15年前、まだ駈と出会う前の過去に戻ったカンナは、若き日の彼と再会し、自分の想いを再確認。そして、未来の悲劇を回避しようと運命を変える旅に挑む。

物語は、駈の死から始まる。列車事故で命を落とした夫を救うため、44歳のカンナが繰り返しタイムリープを試みる姿が描かれる。時にシリアスで、時にコミカルな演出が加わり、テンポの良い展開が続く。ただし、何度も運命をやり直すタイムリープもの特有の既視感は否めない。例えば、トム・クルーズ主演の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」を彷彿とさせる場面もあり、物語の斬新さにはやや欠ける印象だ。

それでも本作の魅力は、何といっても俳優陣の演技にある。松たか子は複雑な感情を繊細に表現し、松村北斗は研究員でありながらどこか不器用な駈を自然体で演じている。リリー・フランキー、吉岡里帆、森七菜といった脇を固めるキャストもそれぞれの役柄を見事に演じ、特に松たか子と松村北斗の二人芝居ともいえるシーンは見応えがある。

本作は、夫婦間の再生と愛の再確認という普遍的なテーマを描きつつ、タイムリープという非日常的な要素を絡めたストーリーだ。大きな驚きや新しさこそないものの、俳優陣の確かな演技力が映画全体を支え、温かみのある作品に仕上がっている。ほっと一息つけるような穏やかな気持ちで楽しめる作品と言えるだろう。

全体的に、斬新な展開というよりもキャストの魅力や人間ドラマに注目したい一作だ。

「ファーストキス 1ST KISS」2/7公開


出演:松たか子 松村北斗 吉岡里帆 森 七菜 リリー・フランキー
脚本:坂元裕二
監督:塚原あゆ子
配給:東宝
2025「1ST KISS」製作委員会
公式サイト

投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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